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武蔵の野辺に朽ちぬとも

~合氣道留魂録~

その年新しくとれ!!!!!!!

2010年09月10日 14時22分16秒 | 合氣道
しん‐まい【新米】
1 その年新しくとれた米。収穫当年度産の米。《季 秋》「―の坂田は早しもがみ河/蕪村」⇔古米。
2 《「しんまえ(新前)」の音変化》仕事・芸事などを始めてからまだ日数が少なく、それに慣れていないこと。また、その人。「―の社員」
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新米の季節です。

家にも新米が届きました!うちは地元の農家の方から直接購入しているのでこの時期刈りたてホヤホヤのお米を頂くことができるのですが…

美味しいです!


お米ひとつひとつがプリプリしていて
『ついさっきまで田んぼにいたんだゼ!』
と主張する懐かしい香りと甘味…


日本人に生まれてよかった…


新米と言えば
1ヶ月前に合氣道に新たな仲間が増えました。

歳は26才
九州出身で元ラガーマン、現在すし職人の修行をしているそうです。
この新米も懐かしい香りがします…

HONDAのとある50㏄のバイクに乗っているので
今後『モンキー』と呼ばせていただきます。


最近、活きのいい20代がいなかったから期待してま~す

あらかじめ計画しろ!!!!!!!

2010年06月12日 09時58分03秒 | 合氣道
ぼうさつ 【謀殺】 (名)スル
あらかじめ計画して人を殺すこと。旧刑法では故殺と区別され、謀殺の場合は死刑。

◆アクセント : ぼうさつ 0
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先の日曜日は稽古は休み。
先生の提案で飲みに行く事となった
メンバーは先生、両津さん、妻のポニヨ、私の4人。先生の大好きなモツ焼き屋にて乾杯。
飲み放題と言うこともありしこたま飲んで食べて…

そして勢いにのってカラオケに…

数曲歌ったところで先生がいきなり
『それでキムと何があったの?』

(ええ!?)

あのキム事件があってからの3ヶ月、都内の道場での稽古は全て休んでいます…上級者だけを集めての特別稽古会も…

ずっと肩を痛めたと言うことを理由に休んでいたのですが、流石に師の目は誤魔化されない…



私は腹をくくり全てを話すことに…
しかし一番怖かったのはキムの話しに先生が同調した場合には最悪私はこの会を去らなければならないわけで…



飲み会でのこと…

披露宴でのこと…


酔っていたからといって赦せる事とそうでないことはあるはず

酔って人を傷つければ社会的にも法的にも制裁を受ける。元横綱のように…


ちなみに私も昔、酔っぱらい大暴れしたことがあります…が、次に仲間に顔を合わせたときには土下座をして謝った。



先生はひとつひとつしっかりと咀嚼をするように話を聞いてくれた…



話の中には先生も衝撃を受ける部分もあったようだ
ただひとつお願いしたことは、キム本人には話さないで欲しいと言うこと
きっと…
『そんなこと言うわけないじゃな~い』『覚えてないよ~』
と誤魔化されるのが目に見えているから…
それが一番ムカつくかも…

わかった。

と先生は了承してくれたが、多分話すと思う(笑)

まぁそれは想定内ではあります。実はそこからが面白かったりするのです…このキム謀殺計画を3ヶ月も練ってきたわけでありますから…(笑)
乞うご期待

最後に先生の言葉を書き留めておきます

『キムとの付き合いも三十年になるからなあなあになっているところもあるかもしれない。もしかするとキムは暁さんを脅威に感じているのかもしれないな…二人のうちどちらかを選ばなくてはならないのなら私は暁さんを選ぶかもしれません…私を信じて下さい。私を信じてついて来て下さい。』


先生。ありがとうございました。

心やおこないがさもしい!!!!②

2010年03月24日 21時19分50秒 | 合氣道
それは懇親会あとの打ち上げ会場で起こった


私の座る側にK師範代がやってきた
昔から氣の合わない人であったが私がきちんと距離をとることで
あまり交わらないようにしてきた

名前が紛らわしいので今後「キム」(58歳)と呼びます。


キムは少々酔っているようであった

私の隣にすわると堰をきったかのように話し始めた。
その内容は耳を疑うようなことばかりで久々に自分の感情を抑えきれないぐらいの怒りを覚えた
大きく四つに分けると

(1)暁のは合気道ではない。まったく合気を理解していない。

(2)この会が今日あるのは俺(キム)とその二人の友人によるもので、あいつ(先生)は何もやっていないし何もできない。

(3)キムの亡くなった友人(Kの父親)の遺産であるこの会を俺(キム)が引き継がなきゃならない。そして息子のKのことも・・・だからこの会の後継者はオマエ(暁)ではない。先生から俺(キム)が引き継ぐ、そのあとオマエ(暁)のところへいくこともあるだろう。

(4)俺(キム)はドイツで空手を教えている物凄い先生を知っている。この先生は本物である。危険な技をいっぱい知っている。そして俺にも「海外で合気道を教えないか?」と誘いがきている。


といった内容である。
順番もほぼあっている

1・・・私の事だからさほど問題としていない。私の技は中途半端な合気道しか出来ない人間の理解を超えてしまっているのでしょう(笑)それに彼の小さな枠の中でやりたくないし合気道という名詞などどうでもいい。

2はヒドイ・・どうしたらそんなことが言えるのかな・・・
これが一番イヤだった話

3…死者や子どもまで引き合いに出して涙ながらに話していた。
Kの父はPTAの会長を勤めていて是非学校で講演会をやって欲しいとの依頼で
先生について行ったことがある。
その際にKの父から「これからも先生のこと会のことお願いしますよ」と・・・
社交辞令であると思うが、亡くなったあと大きくその言葉が残っている。
私はせめても・・・と思いKに兄として父として一人の男として接している。
Kも私の感覚が好きなようで誰よりも先に近寄ってくる。
しかしこの会の創始者は先生であるしKの父の遺産ではない。Kの父は数年稽古をしたことがあるだけの白帯である。しかし先生の合氣道に心酔し尊敬をしていたのは事実。教育に役立てないかと地元の小学校に働きかけはしていた

4はわけがわからない。が
その空手の先生は尊敬しているのであろう・・・うちの先生はニセモノらしい。
何をためらっているのかわからないが、さっさと海外にでも行けばいいのに。チカラの合氣道でどこまで出来るのか試してくりゃあいいのに・・・そして二度と戻ってこないでほしい。
たぶんここで3に戻るのだろう・・この会を託されたから海外行きを断り続けているのだと
それと私に対する負け惜しみか脅しか・・・?やるならさっさと表に出りゃあいいのに・・・


あまりのショックを受けてしまい、3の話の際に一気に涙が溢れてきてしまった・・・必死に堪えたが止まらない
自分の大切な人、モノを侮辱され悲しみと怒りに身体が震えた。
私がトイレに席を立った隙にキムはその場を離れていた・・・


その後3次会へ
先生と気心しれた人達だけになった
いやらしいがその話を一部に愚痴として漏らしてしまった
誰もキムの話を受け入れる者はおらず、私だけが特殊な感覚をもっているのではないことは確認できた。


二日経った今も怒りは消えず、むしろ一日一日あの醜悪な人間への憎念が膨らむ。
しかしあの、さもしい男に謝って欲しいとは思わない。
関係の修繕はもう無理。これから私と顔を合わせないように努力してくれればそれでいい
ひとまず私は日曜の東京での稽古はしばらく休もう。またイベントなどもキムがくるなら参加しない。

子どものケンカのようであるがそれが一番いいのだと思う。
顔を合わせれば今後は大きなトラブルに発展しかねない
皆を巻き込みたくないし先生にも余計な心配はさせたくない。
なにより大人のくだらない関係にKやコウタを巻き込みたくない。

もちろん妻となるポニヨもそうだ
彼女には今まで通り稽古に参加して欲しい

私がひとつの道場から姿を消すだけですべては今までの通りに動きだす。

それが一番いいのだ…


この会の第一線を退く
ただそれだけのこと

しかし心配なのは先生…
私が手伝う前は誰を頼るわけでもなくすべて自分でやっていた
そんな先生もだいぶ年をとった。以前のように頭も体も動かなくなってきていることを年々感じる

口先だけではなく是非キムにもやってもらいたいものだが彼ももうすぐ還暦
先生とほとんど年は変わらない。しかも孫が遊びにくるとすぐに稽古を休むし行事にも出ない


実質的にこの会のイベント等の裏にはすべて私が関わってきた
仕事中であろうと結婚式準備の忙しい中でも第一優先として尽力してきたつもりだ。
誰かが引き継いでくれることを願う
キムとの対立によって先生が困ることは本望でない。


以上


心やおこないがさもしい!!!!①

2010年03月23日 20時57分01秒 | 合氣道
しゅうあく しう— 【醜悪】
(名・形動)[文]ナリ
容貌がみにくいこと。心やおこないがさもしく見苦しい・こと(さま)。

「—な政権争い」
[派生] ——さ(名)
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昨日、演武の発表会を無事終えました。
自分の演目はボロボロ
乱取りだったのですが
ピョコピョコと跳ね回ってしまいとてもカッコ悪いものに
ポニヨさんの受けもとりましたが彼女はハナマルでした。今回の優秀演武賞の候補にノミネートされてました。
I師範代の組杖もお相手させていただきましたが…I師範もボロボロ

そして最後に先生の相手を…今年はむちゃくちゃ氣合が入っていて投げられてボロボロになりました。

演武が終わると
サプライズが…
いきなり名前を呼ばれ私とポニヨさんは前に出され・・・そして地元の道場の子らの父兄から花束をいただきました。結婚のお祝いだそうで…予期せぬプレゼントに感動しました。


MIKIさんも一緒に懇親会へ・・・
自己紹介やら優秀演武賞の発表なんかがありました。
今回優秀賞は二段以上が集まって選びました

私は
「ここまでの過程とこれからの期待、なにより自信を持って欲しいからコウタにやりたい・・・」と推薦
その意見がそのまま通りコウタが優秀賞をもらった。

以前の日記でも登場しているはずだが
父を亡くしたKの友人(後輩)でまったく氣の出ない子
怖がりで不器用で無口で・・・目が死んでいた子
草食系といえば草食系かな・・・

参考日記 http://blog.goo.ne.jp/akatsuki_1974/e/f3b99d7072158bda2095a24d18bae7a6

簡単に言えば
私が身体が宙に浮くほどぶん投げたことがきっかけで合氣道に目覚めてくれた子です。

表彰後にコウタがマイクを持ち一言
「この賞を目指して頑張ってきたのでとても嬉しいです・・・ありがとうございます」

ああ・・・そうだったんだ!?
全然そういったことを口にしないしやる氣が表面に出にくい子だからわからなかったけど
本人は心の奥で強く想っていたんだなぁ・・・
目頭が熱くなりました

彼に近寄っていき
「よかったじゃん!誰のおかげ???」と威圧的に訊いたら
『あ、暁さんのおかげです・・・』と言っていましたが・・・(笑)

本当は・・・


まずは相方のKに感謝をしなさい

丈夫な身体で生んでくれた母に感謝をしなさい

生活を支え道場に通わせてくれている父に感謝をしなさい

見捨てずに拾い上げ厭きることなく教え続けてくれた先生に感謝をしなさい

自分達の時間を割き指導してくれた先輩達に感謝をしなさい

そしてなにより
高い目標を持ち一生懸命に稽古に励んだ負けない心と強い意志を持った自分自身に感謝しなさい・・・

と伝えたい・・・

とてもよい演武会となりました!



たぶん
ここまではよかった・・・ここまでは




つづく


ボロボロの認可状

2009年11月30日 10時39分31秒 | 合氣道
昇段審査からおよそ2ヶ月…

とうとうあの男がやって来た

30分以上遅刻して現れた入り口には皆の冷ややかな視線が集まる。

一礼をし「スミマセン」の一言もなく逃げるように更衣室へ駆け込む。

顔をみた瞬間少しムッとなりましたが、もう憤りや歯痒さといった感情はなくなっていた。『無関心』といった方が近いかも…

しかし
無関心無関係ではいられようもなく
彼が畳をまたいだ瞬間

「おらキツネ!大好きな暁さんに相手してもらえ!!」
道場に響き渡るような声で先生が叫ぶ
皆は苦笑した…

私は無表情にキツネに駆け寄る
するとキツネが
「いやぁ~特段大嫌いでもないですけど大好きでもありませんけど~エヘヘ」と口を開いた。

『あ゛!?』と迫る私

「いやぁ~特段大嫌いでも…」と繰り返し始める


『…いいからやれ』


アドバイスをする気持ちすらなくなりただ回数を重ねる
10本を終えるとすぐさま相手を変えた

キツネとの接触はそれきり

この日キツネは認可状を受け取った。
その認可状はボロボロになっている
何度も先生が持って来ては持って帰るを繰り返した結果であった。


その認可状を見て
「こんなぐちゃぐちゃにしやがって!」と思うか、シワや折り目の数だけ先生が苦労したと思うかでこれからの彼の人生は大きく変わるのかな…と思った。


そして稽古後、奴は挨拶もなく消えていた…



ほたえっ…!

いや…もう申しますまい…

アームストロング氏の苦悩

2009年11月19日 12時08分11秒 | 合氣道
初心者にはそれほど力を抜くことをあまり強要しないのが当会の方向性

『カッチカチでやれるならやってみりゃいい…』

自分が不自由になっていること損していることに自ら氣がつかねば本当の意味での技術修得は難しいのではないか…と言うことなのかもしれません。

でもいくら動きが柔らかくても頭が硬いと…
無形の水も堅い容器に入れてしまったら意味がありません。

なので白帯にはあまり詳しく細かい説明は避けるようにしております。
細かいことを言い過ぎると昔のコンピューターの様にフリーズしながら動く人の方が大半。
ですからわりと『ブワーっ!』とか『ドーーン!』と言った方が近い動きをしてくれたりするわけですが…

先日稽古をしていると
元アームレスラーの方と組合せとなりました。
私よりも一回り大きくかなりパワフルな方です。
手も大きく握力も強いので初心の方はよく手を捕らせる際に心まで鷲掴みされてしまい硬くなった心はやはり身体を硬直させてしまうわけです。

逆に私はこのアームストロングさんはやりやすくてコロンコロンと転がせる訳です。拘束されない心が可能にさせる柔軟さがあれば、とても楽しい相手であります。


このアームストロングさん技も力強く硬くて投げている彼の方がハァハァと息切れする始末(笑)

色んな方から「もうそろそろ力抜きな」と言われ続けておりますが一向にその兆しはなく
(どうしたものか…)と思って超細かく身体の使い方を教えてみることに…

するとアドバイスする度に少しずつ力が抜けていくのです。(おや…?笑)

調子にのってドンドン細かい部分に迫っていくと頭から煙が…そして身体は柔らかく技が効き始める

逆のパターンの人がいるんですね…(笑)

頭をフル回転させると
余分な力が抜け身体が素直に動くようになるようです(笑)


またひとつ勉強になりました…



師走

2009年11月17日 13時15分54秒 | 合氣道
稽古を終える時間となった時に先生から

『来月から演武会の練習が始まります。黒帯は各々演目を考えておくように!』
と話がありました。


もうそんな時期か…と月日が過ぎゆく早さに焦りを覚えます。


演目は今回も先生に指定される私…
『三段の審査課目でやっていないのは二人掛けの乱取りだよね?それやって!』
軽い三段のオファーかと少し喜びながらもなかなか自由に演目をつくれない淋しさもあります…

嗚呼…いつかは
心の師であるヴォルクハン先生の様に片手捕りから入身で三教に入りつつ顔面に肘打ちをし、さらにそこから小手返しへ持ちかえてぶん投げたり、飛びつき腕ひしぎ逆十字から腕に足を絡ませ変形のアームロックへ…

まあ…それはおいといて…

他には毎年恒例のI師範代のお相手で、今回は『組杖』とのこと…
結構振り回す系が多いのでやるほうも観ている方も気をつけないと怪我しそう…

稽古を終えてくつろいでいると先生が小走りでかけてくるのが見えた。

(まだ11月なのに…もう走ってるよ…)


今年は師走が早く訪れました(笑)

暮れは忙しくなりそうだ~


というオチでした。

折り目正しく

2009年11月09日 16時41分55秒 | 合氣道
今回昇段なさった方々に袴が贈られました。

袴を初めて履くのでお手伝いをさせていただくことに…
その精悍さに『お~』と唸るが、やはりランドセルと一緒でどこか不恰好なんですね…

せっかくなので正しい帯の結び方も教えることに…
これが出来ていないと袴がしっくりこないし、何より恥ずかしいので


仲間が少しずつお金を出しあって贈った袴です。大切にしていただきたいな~と思います。



そして


キツネは未だ現れず…


昇段審査~キツネ外伝~

2009年11月04日 22時24分54秒 | 合氣道
もらい泣きにも一区切りをつけ私もホウキを持ち掃除に加わることに…そんな時氣がついたのですが、なんかすごいピリピリしているんです。キツネの審査の際のボルテージがおさまりきれないんですね…好戦的な感覚が


施設を出て皆でコンビニに行くことに
昼食を買いバスを待ちながら食事を取っているとキツネと出くわしました。

「あれぇ~なにやってんすかぁ~」

といつもの調子に完全に戻ってヘラヘラ近寄ってくるキツネ



ちょうど審査を受けたモコちゃんから意外な話を聞いた直後でしたので
顔を見たとたんにムカムカと・・・

その意外な話とは・・
キツネが呼吸動作を終えた直後に
「いや~呼吸動作をクリアしたときのためにガッツポーズを考えていたんですけど~やるの忘れちゃったぁ~あはは」
とモコちゃんに洩らしたそうです・・・

(よりによってガッツポーズだと~!!!!)

ほ~た・・・

いやいやまだまだとっておきましょう・・




それから時間は過ぎ普段の稽古へ
先生から内緒でキツネの作文を見せてもらった・・
すべて先生の普段の言葉を拾い集め貼り付けたスクラップ状のもの
彼の言葉は何一つなかった・・・
10年近く稽古をしていて何かしら自分の中での気付きがあって欲しかったが
悲しくもココ何回かの稽古で先生のおっしゃったことばかりが書かれていた。。

なんというか・・心まで急造であったことにガッカリ・・

あのときの涙はなんだったのか・・・それすらわからない


私的には技術の幼稚さなどさして問題ではなかった・・

もうだめだ・・・からもう一歩踏み出す心を感じて欲しかった・・
人間が力を使い果たした後に残るものを知って欲しかった・・・
あの涙はそれを超えたからこそ溢れてきたのだと思っていた・・・
だから私ももらい泣いた。。。違ったのか?

しかし
他の大人の視線は冷たかった。
師範代は「え?結局合格なの?初めて昇段審査で不合格にすると思った」とこの日語っていた。

『今後を見守りながら・・・』という先生も作文にはガッカリした様子。
そればかりか審査を終え一週間経つがどこの道場にも姿を見せないキツネ
「あの涙はただ辛いことから開放された思いからだろう・・・目標を達したからではなく『やっと終わった』と・・ただそれだけなんだよ・・」と先生に言わせてしまう・・


翌週・・私は稽古を休んだのだが、その日に一度だけ稽古に来たらしい


それから約2ヶ月が経ちますがキツネには今だ会えず・・・



ほたえなーーーっ!!!!!


休みの電話は母親がしてくる始末
先生は何度も認可状と黒帯を持ってきては持って帰る・・


最近の若者は…と
まとめて疑いたくなるが…

まあ悪い事ばかりではない。
各道場の若きホープ達はキツネを反面教師とし一生懸命稽古し始めた。
あるものは昇段というものを見つめなおし
またあるものは恥をかくまいと…

そしてまたあるものは
あの程度で受かるなら次回は審査受けよう!と…(笑)

黒帯取ってハクつけるどころか後輩らに完全にナメられてしまっているキツネ…
どんな顔してくるのか今から楽しみです。
いつの日か会えることを夢に見つつ…




最後に…


合宿には参加できなかったのでキツネの一部始終を聞いた中学二年生のKの呟き…
え?ありえないでしょ!あきらかに論外でしょ!?



キツネよ…
本当に怖いのは私ではないかもしれぬぞ…
敵をいっぱいつくったなぁ
会全体での多人数乱取りのようだ…


君、死ニタモウコトナカレ…




まっ!こんな奴でも可愛いのは可愛いんですがね…





昇段審査⑤~キツネ物語~

2009年10月31日 21時58分09秒 | 合氣道
大抵、両手を捕られるさいに気を抜いている人が多い…
なのでこちらが両手を捕った瞬間に投げてしまう。
これは練習の際にも必ずやる洗礼。
皆さん手を捕られてからが始まりだと思っている方が多い。
本来、相対した時から始まっているはず
後の先ではないですが
捕られる…のではなく捕らせることが大切。

「もう始まってますよ…」
と逆に投げ返すと皆、顔つきを変えて座り直す。
「押し倒しゲーム」から「座捕り」に変わる瞬間である。

おおよそが力押しなので呼吸を合わせて弾き返します。
すると更に、力押しになり始める。
あまり弾き返してばかりだといじめているようなので相手の力を吸い込むように受け止める。受験者は必死に押し込んでこようとする。まるで相撲の稽古のようです。

相手の力を地面にアースする感覚で、私自身はかなりリラックスしている状態なので「うんうん」相手が唸っている中、私はまわりの人とおしゃべりしてたり、違う受験者に呼吸動作のヒントを教えていたり…

そりゃぁもうやられてる方からすれば頭にくる訳で…余計に力んでくる訳です。
一応、狙いは…全部チカラを出しきらせ疲れさせたいのですが…なかなか人間とは諦めの悪いものです。


とくにキツネは私を下からかちあげようと、牛の角突きのように体勢を低く構えて掛かってくる。

何度か耳元でアドバイスをしますが一向に変化しないので
「ほら押せ!もっと押せ!諦めるな!」とけしかけると

「うぅぅ…がーーーーっ!」

もういいや…と倒れてあげました

やり終え少し涙ぐんでいる様子のキツネ
(なんの涙なんだろう?)と思いながらも審査は終了。
一列に並ぶ四人
先生からの言葉を神妙に聞き入る。

昇段してからが大切であると言うこと
所詮、取り立ての車の免許と同じで身分証明書で終わるか資格となるかは今後の本人次第。

キツネに関しては
これから毎週きちんと出稽古にくる事を条件として
めでたく全員合格。

三本で締めて合宿も終了。
私はすぐに4人に駆け寄り一人一人お祝いの言葉をかけ握手を求める。

キツネは一番最後になった。
私は「よく頑張ったな…おめでとう…」と伝え背を向けた


瞬間


「うおぉぉーーっ!うぉぉーーっ!」

と大声で泣き始めた。
ホウキを持ち道場の掃除をしながらも大声で泣くキツネ…ヒックヒックとひきつけほどに泣きじゃくる様にもらい泣きをしてしまう私…


私の涙も止まらなくなる。
スゥーと人目のつかない場所へ隠れ泣いた


審査を終えたキツネの顔はどこか男らしくなっていた…