安倍晋三氏が政権を投げ出して数日が経ち、マスコミやブログでも様々に言われている。辞任の直接のきっかけになったのは記者会見でも述べられているように、テロ特措法の延長のめどが立たなくなったことであることは間違いないだろう。安倍氏を辞任に追い込んだ状況を私なりに考えてみた。
報道によれば麻生氏が安倍氏から辞任の意向を聞いたのは10日月曜日ということ。その安倍氏は、8日の日米首脳会談でブッシュ米大統領にインド洋での給油の継続を約束し、その後の記者会見では、テロ特措法の延長に、「職を賭して取り組んでいく」と発言していた。最近の米国からの給油活動の延長への圧力は、駐日大使が直接野党の党首に要請するなど、尋常のものではなかった。そのことから考えても、ブッシュ大統領からのプレッシャーも相当なものであったことが推測される。このプレッシャーが8日から10日までのあいだに安倍氏のなかで作用していたことも間違いないだろう。この尋常でない米国の圧力の背景にはブッシュ政権の国際的、国内的孤立があると思う。イラクに派兵している国が次々に撤兵し、日本は「軍隊」を派遣している数少ない有力国となっている。ブッシュは国内でも支持率を下げ続け、共和党内からもイラクからの引き揚げを要求する声が起こっている。ここでもっとも従順な日本政府が「テロとの戦い」から後退することは許すことができなかったに違いない。
さてこのプレッシャーの一方で日本国内では参院選での惨敗で参議院の主導権を民主党に握られており、その民主党の小沢党首はテロ特措法の延長にあくまで反対の構えを崩していない。小沢氏は国連決議の承認無しに始められたアフガン戦争への協力はすべきでないという立場だが、この立場を強硬なものにしているのは民主党の党首という立場ではないか。参院選で自公政権に審判を下した国民はテロ特措法に対しても継続反対が多数の世論となっている。全般的にも参院選での民主党の主張は従来の改憲や消費税などの自民党と共通するものが弱められ、いわば左にシフトしている。民主党の立場をこのようにさせたものは自公政権を続けてはならないという国民の世論であったと私は考える。安倍氏は民主党との妥協に「職を賭し」たが、それを許さない国内的状況があったのである。
このように考えていくと、米国政府を取り巻く国際的、国内的状況、日本政府が陥っている国内的状況が安倍首相辞任の背景にあったことがわかる。そしてそれらの状況は、「戦争ではテロはなくせない」という世界の声、自公政権をこれ以上続けては困るという日本中の声が作り出しているのだと思う。
報道によれば麻生氏が安倍氏から辞任の意向を聞いたのは10日月曜日ということ。その安倍氏は、8日の日米首脳会談でブッシュ米大統領にインド洋での給油の継続を約束し、その後の記者会見では、テロ特措法の延長に、「職を賭して取り組んでいく」と発言していた。最近の米国からの給油活動の延長への圧力は、駐日大使が直接野党の党首に要請するなど、尋常のものではなかった。そのことから考えても、ブッシュ大統領からのプレッシャーも相当なものであったことが推測される。このプレッシャーが8日から10日までのあいだに安倍氏のなかで作用していたことも間違いないだろう。この尋常でない米国の圧力の背景にはブッシュ政権の国際的、国内的孤立があると思う。イラクに派兵している国が次々に撤兵し、日本は「軍隊」を派遣している数少ない有力国となっている。ブッシュは国内でも支持率を下げ続け、共和党内からもイラクからの引き揚げを要求する声が起こっている。ここでもっとも従順な日本政府が「テロとの戦い」から後退することは許すことができなかったに違いない。
さてこのプレッシャーの一方で日本国内では参院選での惨敗で参議院の主導権を民主党に握られており、その民主党の小沢党首はテロ特措法の延長にあくまで反対の構えを崩していない。小沢氏は国連決議の承認無しに始められたアフガン戦争への協力はすべきでないという立場だが、この立場を強硬なものにしているのは民主党の党首という立場ではないか。参院選で自公政権に審判を下した国民はテロ特措法に対しても継続反対が多数の世論となっている。全般的にも参院選での民主党の主張は従来の改憲や消費税などの自民党と共通するものが弱められ、いわば左にシフトしている。民主党の立場をこのようにさせたものは自公政権を続けてはならないという国民の世論であったと私は考える。安倍氏は民主党との妥協に「職を賭し」たが、それを許さない国内的状況があったのである。
このように考えていくと、米国政府を取り巻く国際的、国内的状況、日本政府が陥っている国内的状況が安倍首相辞任の背景にあったことがわかる。そしてそれらの状況は、「戦争ではテロはなくせない」という世界の声、自公政権をこれ以上続けては困るという日本中の声が作り出しているのだと思う。