母は適当だ。
以前私が、
「今朝、全身が銀色で顔が紫の人が全力疾走していたんだよ!」
と鼻息荒く言ったら、
「へー、楽しそうね」
と返された。
へー楽しそうねはないだろう、楽しそうねは。
いかんとも適当である。
また、先日、私が
『おばぁちゃんのぽたぽた焼き』
という煎餅を皆で食べようと買って帰り、
ベジタリアン小暗にあげようとしたら、
「成分が……ブツブツブツ……」
と受け取られなかった。
ここまでは予想範囲内。
しかしその後母に差し出したところ、
ちょうど虫の居所が悪かったらしく、
「そんな婆くさいものはいらない!!」
と返された。
ヒドイ!!
「婆ちゃんだって、一生懸命焼いたのよ!それをあなたは母だからと言って!」
と一括したくなったが、
虫の居所が悪い母に、
深く触れない方が良いのは、
21年の経験が良く知っている。
「フンッ 失礼な母ね」
と言って私も食べずにおいたぽたぽた焼き。
翌日まだ開けてないはずの袋があいていて、
中身が減っていた。
小暗が食べるはずはないので、
食べたのは間違いなく母である。
ちょっと、勝った気分。