赤松正雄のブログ

公明党・衆議院議員。国会での出来事を中心に、今、世界で日本で話題となっている様々な出来事をどう受けとめればいいかを解説。

自民総裁選挙での外交の基本構想への懸念

2007年09月22日 | Weblog
 自民党総裁選挙での二人の候補の主張を見て、外交政策の基本で微妙に違うところに惹かれた。麻生前外相は、就任時から「自由と繁栄の弧」を作りたいとの主張を持論にしていた。私自身も委員会で質問をしたことがある。それは、米国がかつてしきりに使っていて、今は引っ込めた「不安定の弧」を十分に意識した構想だと思われる。中東から北東アジアまでの地域に積極的に日本が関与して、自由と民主主義を謳歌できる国づくりに貢献したいとの意欲がうかがえるが、同時に米国の軍事戦略と表裏一体とならざるをえないだけに不安を持たざるをえない、との観点から訊いたものだ。その答えはいまいちかみ合わず、不満が残ったが、今尚この構想の危うさを感じざるを得ない。

 一方、福田元官房長官は東アジア共同体構想を掲げている。これについては、既に多くの人々も関心を示しているものだが、所詮中国に取り込まれるだけとか、アメリカとの関係をどうするのかなどといった問題点が指摘されている。公明党はかねてよりこの構想に近い北東アジア安全保障会議の設置を提案してきており、党内に賛同者は少なくない。私は、米日中二等辺三角形論に見られる三国等距離などどといったことではなく、あくまで日米同盟を基軸に日中協商関係を培っていくという観点に立つことが大切と思う。東アジア共同体構想が現実性をもつものか十分に吟味する必要性があると考える。

 ともあれ未だ両者とも十分に熟した構想とはいえないように思う。総理大臣に就任すると、一気に進むものかどうか関心をもって見守りたい。