アカバネーゼのささやき

夫の裏切り!妻の仕返し!夫婦とは?自立に目覚めた私が起業するまで!

これは不倫ですか?

2006年05月20日 | Weblog
郵便局の前に走っていくと、パジェロがハザードを点滅させて止まっている

そぉっ~と窓から中を覗いたら、Nさんがペコリと頭を下げた

いきなり私は仕事モードの部下にもどってしまい、

「おはようございます。おつかれさまで~す」

と頭を下げた

Nさんが、ドアを開けてくれたので、爽やかに座席の隣に座ろうと思ったが…、
あーゆー大きな車に乗るのは初めてなので、どこをつかめばいいのかわからず、シートにしがみつくように登り、つい

「よっこいしょっ!」

「ははははははは!!ヨッコイショってなんか懐かしいなぁ、なんかカワイイなぁ」

・・・しまった!無意識とはいえ、せっかく若作りをしているのに、いきなりオババ言葉を言ってしまった!


黙って下を向いていると、「はい、どうぞ!」

と冷たジャスミンティのペットボトルを差し出した

緊張と走ってきた疲れで、のどがカラカラだったので、蓋を取りゴクリゴクリと飲んでしまった

やっと落ち着いて

「ありがとう。」といった

「僕はいつもこれ飲むんだ、大好きなんだ」

「実は、私もジャスミンティが好きなんです」

「・・知ってるよ?いつも朝、コンビニでジャスミンティ買ってたでしょ?だから、きっと好きなんだろうな~って見てたんだ」

「え?、全然気がつきませんでした。」

「いつも、仕事にマジ真剣だったもんね~」

「あ、あの物件、完売したんですかぁ?」

「ん、今日は仕事の話はしないから!」


車は、どんどん走っている

「今日は、どこに行くんですか?」

「ごめん、昨日、同期で飲みに行ってて、今朝、寝坊しちゃったから。あんまり遠くに行けないね。何時に送ればいいですか?」

・・・少し考えて

「ごめんね、今日は子供が普通に帰ってくるから、6時くらいかな?」

「OK、わかったよ!」

本当は、今日は子供は習い事の日で、もう少し遅くまで遊んでいられたが、なんとなく落ち着かず、「早く帰ったほうがいい・・・」とやたら気持ちが急いでいた


「お子さん、この間、販売センターに来たよね。ご主人が車で迎えに来てたでしょ?仲良し一家なんですね。うらやましいな~。」


・・まさか、暴力を振るわれた翌日、家出をしそこなった…とは言えない・・

「あ、あの時は、荷物があったから・・・」


・・・そのとき、FMラジオから懐かしいクイーンのボヘミアン・ラブソディがかかった
思わず口ずさむ・・・

「これ知ってる?クイーンの名曲よ!いくら若くても知ってるでしょ!」

「う~ん、CMかなんかで聴いたことあるよ」

ラジオから…

『1975年のヒットソングでした…』

「あ!僕が生まれた年だよ!」

・・・ガ~ン

私、かなり鬼畜な事、やってるのかもしれない。。。


高速道路を永遠と走り、丘を抜けると突然、正面に海が見えてきた

「えーーー?…なんか、すごい感動!」

「絶対にコレを見せたかったんで!」


この風景を他の誰かも知っているのか…なんて、かなり勘違いなヤキモチまで出てきたが、41歳の私のために、ここまで運転してくれた彼に心から感謝した


「お寿司は好きですか?」彼が尋ねた

「うん、大好き!」

「イタリアンと悩んだんですけど、きっとイタリアンはもっと、美味しいお店を知ってるかと思って…、ここのお寿司は最高ですから!」

「行きます?」

「行く行く!!」

カウンターに座ってから、正直に

「実はいつも、子供を連れて回転すしばかりなの…」

と、言うと

「今日は、赤羽っちが中心ですから、好きなだけ食べてください!回らなくて申し訳ないですけど!」

と言ってくれた


私のためのお寿司!

サビ抜きじゃない、私のために握ってくれるお寿司!!
すごく、久しぶり!!嬉しい~

「私ね、いくらを食べ過ぎて嫌いになったことあるんだ!」

「あのね、この間ね…、あのね昔ね、…あのね、・・・」

ずっと、笑って聞いてくれるのが、なんだか嬉しくてどんどん話をしてしまう

そのたびにいちいち私を笑わせてくれる

シワが深くなるよ・・・


突然彼が尋ねた

「ご主人とはいつ知り合ったんですか?もう、長いんですか?」

「うん、7年間付き合って、それから結婚したから、もう姉弟みたいなもんかな?」

「うらやましいな、仲がよくって。」

「・・・」

「Nさんは彼女はいないんですか?」

「んん、この仕事をしてると、時間が合わなくてなかなか長続きしないんだよね。」

「週末は特に忙しいからねぇ」

「今まで、仕事にすごく自信がなかったんだけど、赤羽っちがきてから、すごく頑張ったんだ。なんか、いつも一生懸命だったから、僕も頑張ろうって。だって赤羽っちに尊敬されたいじゃん」


・・・尊敬されたい

男の人はみんな認められたくて、頑張っているのかもしれない

Nさんも…、そして主人も・・・


…つづく