3ヶ月間の研修の間、本当にいろんなお客様との出会いがあった
一つ気がついたのは、家を探しに来る人たちは、みんな夢と希望にあふれている・・ということだ
病院の受付時代、いつも感じていたのは「どうして、病院に通う人々はこんなにひがみっぽいんだろう…?」ということだ
「どうしてこんなに待たされるの?」
「アノ人の方があとから来たのに…」
「この薬ちっとも良くならないけど…」
「こんな雨の中、せっかく来たのに…」
「あの看護婦さん、優しくないわ」
そのたびに頭を下げて、満足してもらおうとすると、完全にこちらの気力を吸い取られる
病院のお勤めの帰り道は、いつも心身共にヘロヘロになって帰っていた
家に帰ると、ついつい…一番避けたい「子供に八つ当たり…」
それに比べて、マンションを買おうと思う家族、夫婦の明るいこと!
ついつい、皆さんの熱い想いを聞いていると、こちらまで幸せになる!
その日は、ご夫婦共にドクターというカップルがやってきて、最上階のメゾネットを検討されている
オプションの特別のキッチンも、大理石の天板も、全てご注文・・・
いいなぁ、最初から理想通りのおうちが買えて…
週末にはご両親もご一緒にみえて、話は盛り上がるばかりだ!
こちらの一家は娘さんの小学校お受験のために、文京区へのお住まい探し
試験よりも、あのすごい倍率の抽選に受かるかどうかわからない…そんな国立小学校のお受験のために住所だけでなく、お住まいをこちらに移そうと言うのだから、すごい執念だ
つい先日「お受験殺人」とまで言われた●●幼稚園へ、編入して通わせたい…とのお話
すごいなぁ、、、本当にお受験戦争なんだ
家に帰ってくると、ついつい仕事の話になる
上司の女性が、この仕事は秘密義務よ!
それは、ご主人にもね!
ついつい話したくなるけど、この業界の仕事の話を家庭に持ち込むとろくな事はないわよ!…と言われていた
なのに、話したくて仕方がない・・
「あのね、今日来た人ね、まだ30歳になったばかりの開業医の歯医者さん、青山に病院があるんだって!年収が2000万以上に○がついてたよ。」
「今日、私が接客した人、駐車場を3台確保したいんだって。ベンツとポルシェの幅なんて、聞かれてもわかるわけないわよね」
「やっぱり、外資系証券会社ってすごいね」
主人は黙ってご飯を食べている
「仕事の話はいいから、とにかく掃除しろよ」
「わかってるって。週末にするよ」
「ゴミを溜めないでくれよ」
「じゃあ、自分で捨てればいいじゃないっ」
「ワイシャツがないんだけど、早くクリーニングに出してくれよ」
「朝、そんな時間ないわよっ」
「じゃあ、あの時のお見合いで医者と結婚すればよかっただろっ」
「あぁ、ほんと!お掃除のお手伝いさんがいたかもっ!」
どんどん、話の内容が危なくなる
久しぶりの休みをもらった週末、散々朝寝坊したあと、たまりにたまったパソコンのメールチェックをしていると…、主人が
「いい加減、今日は掃除しろよ」
「・・・わかってる」
「おい、聞いてるのかっ?」
「・・・うるさいなぁ」
いきなり、足のふくらはぎにすごい痛みが・・・
初めて顔を上げると、主人はすごい形相で睨んでいる
「痛いっ、なんなの、いきなり」
「何度も掃除してくれって言ってるだろう。ずっと我慢してるんだっ」
「そんなに気になるなら自分でやれ・・・
ボカッ
もう一度、思いっきり足を蹴られた
今度は、その衝撃でそのまま床に座り込んでしまった
「やめてよ。暴力は・・」
もう、、主人には何かが呪り移ったかのようだ
「うるさい、おまえの好きな仕事をやってるんだろう。俺はただ掃除をしてくれって言ってるだけだろう」
また、蹴ろうと足が飛んできた
私は、寸でのところでリビングに逃げた
さすが、子供がいる前では何もしないだろう
その夜、私はソファで寝た
翌朝、主人がまだ寝ている間に、少し多めの荷物を持って出勤した
今晩、友達の所に泊めてもらおうか…
それとも、どこかビジネスホテルに泊まろうか…
本気で蹴られた足は少し紫色になっていた
許せない
私は、まだ誰も出社していない販売センターの前で、セキュリティカードも持っていないので中に入ることもできず、ずっとカバンと共に座って待っていた・・
すこし、濃い色のストッキングをはけばよかったかな…
寝ていない目はうつろだった
…つづく
一つ気がついたのは、家を探しに来る人たちは、みんな夢と希望にあふれている・・ということだ
病院の受付時代、いつも感じていたのは「どうして、病院に通う人々はこんなにひがみっぽいんだろう…?」ということだ
「どうしてこんなに待たされるの?」
「アノ人の方があとから来たのに…」
「この薬ちっとも良くならないけど…」
「こんな雨の中、せっかく来たのに…」
「あの看護婦さん、優しくないわ」
そのたびに頭を下げて、満足してもらおうとすると、完全にこちらの気力を吸い取られる
病院のお勤めの帰り道は、いつも心身共にヘロヘロになって帰っていた
家に帰ると、ついつい…一番避けたい「子供に八つ当たり…」
それに比べて、マンションを買おうと思う家族、夫婦の明るいこと!
ついつい、皆さんの熱い想いを聞いていると、こちらまで幸せになる!
その日は、ご夫婦共にドクターというカップルがやってきて、最上階のメゾネットを検討されている
オプションの特別のキッチンも、大理石の天板も、全てご注文・・・
いいなぁ、最初から理想通りのおうちが買えて…
週末にはご両親もご一緒にみえて、話は盛り上がるばかりだ!
こちらの一家は娘さんの小学校お受験のために、文京区へのお住まい探し
試験よりも、あのすごい倍率の抽選に受かるかどうかわからない…そんな国立小学校のお受験のために住所だけでなく、お住まいをこちらに移そうと言うのだから、すごい執念だ
つい先日「お受験殺人」とまで言われた●●幼稚園へ、編入して通わせたい…とのお話
すごいなぁ、、、本当にお受験戦争なんだ
家に帰ってくると、ついつい仕事の話になる
上司の女性が、この仕事は秘密義務よ!
それは、ご主人にもね!
ついつい話したくなるけど、この業界の仕事の話を家庭に持ち込むとろくな事はないわよ!…と言われていた
なのに、話したくて仕方がない・・
「あのね、今日来た人ね、まだ30歳になったばかりの開業医の歯医者さん、青山に病院があるんだって!年収が2000万以上に○がついてたよ。」
「今日、私が接客した人、駐車場を3台確保したいんだって。ベンツとポルシェの幅なんて、聞かれてもわかるわけないわよね」
「やっぱり、外資系証券会社ってすごいね」
主人は黙ってご飯を食べている
「仕事の話はいいから、とにかく掃除しろよ」
「わかってるって。週末にするよ」
「ゴミを溜めないでくれよ」
「じゃあ、自分で捨てればいいじゃないっ」
「ワイシャツがないんだけど、早くクリーニングに出してくれよ」
「朝、そんな時間ないわよっ」
「じゃあ、あの時のお見合いで医者と結婚すればよかっただろっ」
「あぁ、ほんと!お掃除のお手伝いさんがいたかもっ!」
どんどん、話の内容が危なくなる
久しぶりの休みをもらった週末、散々朝寝坊したあと、たまりにたまったパソコンのメールチェックをしていると…、主人が
「いい加減、今日は掃除しろよ」
「・・・わかってる」
「おい、聞いてるのかっ?」
「・・・うるさいなぁ」
いきなり、足のふくらはぎにすごい痛みが・・・
初めて顔を上げると、主人はすごい形相で睨んでいる
「痛いっ、なんなの、いきなり」
「何度も掃除してくれって言ってるだろう。ずっと我慢してるんだっ」
「そんなに気になるなら自分でやれ・・・
ボカッ
もう一度、思いっきり足を蹴られた
今度は、その衝撃でそのまま床に座り込んでしまった
「やめてよ。暴力は・・」
もう、、主人には何かが呪り移ったかのようだ
「うるさい、おまえの好きな仕事をやってるんだろう。俺はただ掃除をしてくれって言ってるだけだろう」
また、蹴ろうと足が飛んできた
私は、寸でのところでリビングに逃げた
さすが、子供がいる前では何もしないだろう
その夜、私はソファで寝た
翌朝、主人がまだ寝ている間に、少し多めの荷物を持って出勤した
今晩、友達の所に泊めてもらおうか…
それとも、どこかビジネスホテルに泊まろうか…
本気で蹴られた足は少し紫色になっていた
許せない
私は、まだ誰も出社していない販売センターの前で、セキュリティカードも持っていないので中に入ることもできず、ずっとカバンと共に座って待っていた・・
すこし、濃い色のストッキングをはけばよかったかな…
寝ていない目はうつろだった
…つづく