ダイヤフラムの断面を図2.のように等分布加重w1を受ける片持ちはりと考える。
断面の中央が中立面となり、この位置に布があることが
理想的である。
布の弾性率に比較してゴムの弾性率はおよそ1/1000
程度(ナイロン:3.8x10²、ポリエステル:15x10²kgf/mm²)
であるから曲げモーメントに対する抵抗力は無視できます。
しかし、布を中立面として上下のゴム層の厚みが異なると
収縮量の差か生じ、厚みの厚いほうが収縮量が多くなり厚
みの厚いほうに中立面が曲げられます。
片持ちはりの最大曲げモーメントは固定端に生じ
Mmax=-wl²/2
で表される。
このはりに曲げモーメントが作用すると内部に正負の互い
に逆向きのモーメントが発生して釣り合いを保つというのが
材料力学にあります。
これらの計算式を拝借すると
曲げモーメント=曲げ応力σx断面係数Z
Z=bh²/6(mm³)
断面2次モーメントΙ、材料(ゴム)の縦弾性率をEとすると
最大たわみは先端となり最大たわみδmax=wI³/8EI(mm)
さて、たわみ量が構成材料の縦弾性率に反比例すること
からゴムのモジュラスの小さなほうが加重に対して屈曲し
やすい。
今中立面とA面に布が2層あるとするとその中間にある
ゴムの縦弾性率は布に比例して小さいのでEの値は布の
弾性率となり同一荷重によるたわみ量は小さくなる。
A面にPTFE(50~60kgf/mm²)を中立面に布をおく断面
構造では弾性率の大きい布の位置が中立面となりPTFEの
伸縮応力に屈曲性が依存するようになります。
成型されたダイヤフラムはその形により変化しにくい
ところがあります。
図3.に示す部分であります。
このような部分を変形させようとする応力(曲げ、伸張、
引き裂き)は極めて大きくなります。
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