愛子のノート

おもいついたことを書いています。
 性的な描写が多いので18歳未満の方はご遠慮くださいね。

ルックダウンウィンドウ 13

2006年11月02日 19時36分48秒 | ルックダウンウィンドウ


荒い呼吸をしながら、目を開けると
潤んだ視界のなかに
立原さんが覗き込んでいるのが見えます。
「指だけで、こんなに乱れるんだ。」
「あ、ごめんなさい、私ばかりで勝手に」
「そんな意味じゃないよ、はじめてみたから、なんかすごいの見せてもらったなって」
「恥ずかしいから、そんなこと言わないで…。」
身体を起こして
ワンピースの胸元を直します。
「まだまだ、これからだよ。」
引き寄せられてキスをしました。
「あ、」
直した胸元を又くつろげながら立原さんが驚いた声を出しました。
「ごめん、こんなこと聞いて申し訳ないんだけど。」
「はい」
「ゴム…コンドーム持っている?」
「あ、あったと思います。
さがしてみます。」
「俺、もってはいるんだけど一個だけのはずなんだ。
念のため、2個はあったほうがいい気がして。」
もう一度ワンピースの衿をなおして、
ソファを離れると旅行鞄を開けてみました。
立原さんも自分のショルダーバックをさぐっています。
「やっぱり一個だけだ」
「ありましたよ。これ。」
見つけたパッケージをわたすと、
立原さんが笑い始めました。
「はじめて買ったでしょ、コレ」
「え、なんでわかるんですか!」
「だって、一ダース入った箱ごともって歩くなんて。
普通しないよ。
こんなふうに、箱から出して一個とか2個とか持って歩くよ。」
定期入れから、袋を取り出して見せてくれました。
「ああ、そうかそういうものなんですね。
彼に『別れてくれ』って言われてから、
自分で避妊の手段を持ってなかったのに気がついて
はじめて薬屋さんで買ったんです。
 彼がいつ気持ちがかわって戻ってきてもいいようにって。
考えてみたら、それまでずっと彼に任せてたんですよ。」
「ちゃんと用意してくれる男性だったんだ。」
「ええ」
「いい男だったね。」
「そうですね。」
「じゃあ、これ、俺が使わせてもらっていいね。
なんか光栄だな。
ななせさん が、『初めて買ったコンドーム』 なんてさ。」
パッケージを包む透明セロハンのテープの部分をピッと引っ張ってクルクルとむきます。
セロハンから紙箱を取り出して、セロハンをゴミ箱に捨てました。
おやつのお菓子を食べるみたいな動作で楽しそうです。
紙箱の蓋をあけると、立原さんは自分が持ってきたパックをいっしょにいれます。
「はい、持って」
私にパッケージを渡しました。
受け取ると私をひょいと抱きかかえて
「寝室借りるよ。」
といいながら、ドアを開けました。