観客席から

落語と芝居を熱く語ろう

團菊祭

2012-05-21 15:02:01 | 歌舞伎
大阪松竹座は初めてでした。


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夜の部に行ってきました。(19日に)


『絵本太功記』
菊之助の十次郎が初々しくて、ぴったり嵌っていました。
見るからに初々しくないと、討ち死に覚悟で初陣に出る悲しさも
その後、今際の際に臨んでも父への孝行を尽くすいじらしさも
伝わりにくいでしょうね。
時代物狂言は今の価値観ではけっして理解できない!と思うものばかりですが、
これもその代表格でしょう。
團十郎の武智光秀(明智光秀)は、さすが..というところ。
義太夫が泣き、武智光秀が泣く長丁場、
ほんのちょっとでも團十郎が気を抜いたら客席が我に返ってしまうという
緊張の綱引きですね~。。。
久吉の家臣正清(加藤清正)が海老蔵とは、
前知識無しで観ようなんて思った私には、ただびっくりで、
さきに確認しておけば良かったと(花道の出をしっかり観なかったので)
臍を噛むことしきりでした。


『高杯』
海老蔵は初役だそうで、三枚目役も興味深くはありましたが、
やっぱり、もったいないな~...と。
とても頑張っていましたが、次郎冠者を海老蔵に演らせる意味があったのかな?
どうしても勘三郎の次郎冠者と比べてしまうし...。
現勘九郎のも心から楽しそうだったけれど、
海老蔵はムリがあったような...。
同じ狂言様式のものでも『身替座禅』の山蔭右京の役だったら
色っぽくて見応えがあったろう...などと考えたり。。。


『ゆうれい貸屋』
いかにも山本周五郎作らしい人情喜劇でした。
三津五郎の弥六と時蔵の幽霊染次が実にかろやかな掛け合いで、
心から楽しみました。
狭い長屋の横町を走り回る子供たちや物売りや住人たちの行き来が丁寧で
演出もよかったな~と。





ラ・マンチャの男

2012-05-11 01:15:39 | 芝居・ミュージカル
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幸四郎と松たか子の、演技と歌がただただ圧巻でした。
すごい!
http://www.hakataza.co.jp/kouen/index_h2405.html


10年前の博多座講演で胸が震えて、
そしてまた10年絶ち、さらにさらに、感動することができました。
観てきたばかりなので、言葉に整理できず、歌を反芻しています。
いま、風車の作り出す巨大な影は、病という敵かもしれないなどと、
けっきょく現実的なことを考える自分にがっかりながら。


The Impossible Dream ? from Man of La Mancha
「見果てぬ夢」  福井峻訳<騎士遍歴の唄>


夢は稔り難く(みのりがたく)
敵は数多(あまた)なりとも
胸に悲しみを秘めて
我は勇みて行かん

道は極め難く
腕は疲れ果つとも
遠き星をめざして
我は歩み続けん

これこそは我が宿命(さだめ)
汚れ果てし この世から
正しきを救うために
如何に望み薄く 遥かなりとも
やがて いつの日か光満ちて
永遠の眠りに就く時来らん

たとえ傷つくとも
力ふり絞りて
我は歩み続けん
あの星の許へ