観客席から

落語と芝居を熱く語ろう

ご冥福を祈ります

2013-02-23 15:47:16 | 歌舞伎
ー 番外編:記録として ー


新歌舞伎座の杮葺落は、十二世市川團十郎が2月3日に亡くなったために
配役の変更に苦慮していたようですが、数日前に変更内容が発表されましたね。


まだ團十郎がご存命のとき、四月公演の配役はこうでした。
(たまたま保存していたので..)

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 【第二部】
 『弁天娘女男白浪』の日本駄右衛門は中村吉右衛門がされるそうです。


その後は、こうなります。


「 柿葺落五月大歌舞伎」5月3日(金・祝)~29日(水)
 【第一部】
 『三人吉三巴白浪』 和尚吉三    松本幸四郎

 【第三部】
 『梶原平三誉石切』 大庭三郎景親    尾上菊五郎


「 柿葺落六月大歌舞伎」6月3日(月)~29日(土)
 【第二部】
 新古演劇十種の内『土蜘』 源頼光    中村吉右衛門

 【第三部】
 『助六由縁江戸桜』 ※「十二世市川團十郎に捧ぐ」と銘打って上演
           花川戸助六    市川海老蔵
           福山かつぎ    尾上菊之助


助六はいま、市川海老蔵しか考えられないです...





二月博多座大歌舞伎

2013-02-21 19:13:37 | 歌舞伎
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先週は昼の部、今週は夜の部に行ってきました。
見応えたっぷりの、中身がびっしり詰まった舞台でした。


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『吹雪峠』は初めて観る芝居。
いきなり舞台一面に降り積もる雪(すごい量の紙吹雪)に目と心をうばわれました。
命からがら山小屋へ逃げ込んだ駆け落ち者、おえんと助蔵。
そこにまた吹雪で道に迷った男が逃れてきますが、なんとそれはおえんの夫直吉。
だんだんと本音が出て来る三人だけの心理劇。
それぞれにキャスティングがよかったな~..という印象です。
でも、やっぱり、一番の名演技は " 紙吹雪 " 


『身替座禅』
亡き勘三郎の右京が大好きでした。
でも、さすがに、新勘九郎がいい味を出していました。
色好みの、でも品のいい、かわいげのある右京。
玉の井に仁左衛門というのが、なんとも、すばらしいご馳走でした。


『河内山』
昼の部はこの仁左衛門の河内山宗俊が一番のお目当てでした。
それにしても... 仁左衛門がやると、何でも品が良くなっちゃうのね~
吉右衛門の迫力ある宗俊とはひと味ちがった、すてきな宗俊でした。
松江出雲守も新勘九郎がやると、我が侭な困った殿様にはみえなくて.. 
ともかく、お二人とも、すごくカッコ良かったです。


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『俊寛』
これまでに、十七代目 中村勘三郎、今の幸四郎、吉右衛門、
そして十八代目 勘三郎(これだけは残念ながらテレビで)の俊寛を観てきました。
それぞれに独特の味や工夫があって、それを見比べるのも歌舞伎ならではです。
今回は仁左衛門がやるということで、すごく楽しみでした。
絶海の孤島に流されて三年...という痛々しさは、今までで一番リアルだったかも...。
俊寛が一人島に残ることになってからは、やたらに涙が出て困ってしまいました。
大きな未練と絶望感の中で世を去った方たちと重ねて観てしまったので...。


『口上』
今年に入ってからは、ずうっと歯を食いしばって頑張り抜いてきたであろう
新勘九郎と七之助。
明るい、ひたすら前向きな口上が、けなげでした。
皆さん、どなたの口上も温かくて、私は涙なみだでした。


『義経千本桜』
知盛に初役で挑む新勘九郎...ということで、ちょっと想像できなかったのですが
見事でしたね~!
父上には無かった別のキャラクターというか、可能性というか、
そういうものを観た思いがします。
七之助の典侍の局も凛として立派でした~!
父上が観ていたら、うれし泣きしたでしょう。。。


『芝翫奴』
ハードな踊りなのでしょうが、橋之助が小気味よく見せてくれました。
重たい芝居が続いた最後に、パアっと華やかな吉原での軽妙な供奴の踊り、
お客の気持ちをしっかり考えてくれて、有り難かったです。


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襲名披露ならではの飾り絵馬。お付き合いの広さが分かります。