~秋に入った自宅の南側庭先~
'09.10.9(金)
日本語教師養成講座 39日目
一昨日の水曜日、
文法の授業を終えたあと私事で岡崎ニューグランドホテルへ立ち寄ってから新城の自宅へ戻ってすぐ行動した大型台風対策。
以来、丸二日間その騒動にずーっと振り回されてきた。
台風本格到来直前の雨の中、犬のハナとの散歩で濡らしてしまった携帯電話の水濡れ故障もその一環。
台風一過の晴れあがった昨日の午後、ドコモショップ豊川店まででかけ、同型機種の新品と取り換えの効く新サービスを受けてきた。
しかし、
携帯本体にメモリーしておいたここ約10年間の相手電話番号全部が回復されないだろうという事実を知り、愕然たる思い。
対人関係を保つための大きな媒介物を逸した悔やみは、計り知れない。
加えて、愛用の外出用携帯グラスもケースごと紛失。
今朝ようやく平常心で普段の生活に戻る。
朝5時半、TV朝ズバ。
昨日早朝の5時前後に知多半島に上陸した大型台風18号は、その後列島を縦断し今朝は北海道上空にあるという。
茨城では竜巻さえ発生した。
鳩山首相発言の沖縄普天間基地移設問題。
与党3党の合意から外れていると社民党・国民新党それぞれの側から反対意見が出ている。
自公民時代に日米で決めた移籍先、沖縄県・名護市のキャンプ場沿岸とする案を、
3党連合の新政権下では「見直す」というだけの合意でここまで進んできた。
今ある沖縄県内基地は県外もしくは国外へ移設すべしという彼ら2党の反論がどこまで本音であるか、それをどうやって実現していくのか、
その道筋の立て方こそが、与党としての歴史的試金石となる。
来月のオバマ大統領の来日に向け目が離せない。
◎6時過ぎ、犬のハナと朝の散歩。桜渕むくの木コース。
南の庭畑に咲いていた黄色の花や紅色のケイトーなどは根こそぎ倒れている。
そんな斜めばかりの草花たちにあって、庭の砂利中、白い束になって咲く簡素なひと束の草花だけは元気がいい。
3週間ほど前に一度満開になったのがまた揃って咲き出した。
深夜台風18号が東海地方を通り過ぎたあとの昨日朝から天気上々。
一日過ぎた今朝の散歩道には猛烈強風を受けた木々が飛び散り、強かった台風の痕跡があちこちに残っている。
寒さすら感じた朝の空気も散歩から帰える頃、温かさが増している。腕立て伏せ71回。
7時20分、急いで自宅出発。
16日まで東名高速の小牧ICから上り方面で工事が続き、その影響で国道1号線は上下ともにところどころ渋滞。
今朝は国府の手前を右折し東名沿いの道路を通っていく新たな脇道を使ってみた。
それでも岡崎市内で渋滞に会いY校舎駐車場に到着したのは9時となる。
普段なら7時20分に家を出れば8時40分には着く。
Y校舎駐車場脇にあるK喫茶店で急ぎのホットモーニング。
客はまばら。喫茶店の裏口に土嚢が数個陽に干してある。
遅くなったからと言って熱いコーヒーをそんなに早く飲み切るわけにもいかず、
朝刊、トースト、ゆで卵、ヤクルトなど、モーニングワンランド済ませると9時がとっくに過ぎてしまう。
教室。
私の顔を見るなり、建設会社のT氏が冗談交じりで声高に言う。
Aさん、先日お話した有志による親睦合コン会は31日(土)の夕方、東岡崎駅付近でやります。
クラスメンバーで外食するのは初めての試みである。
T氏がクラス中に響く大きな声で言ったのには何か意味がありそうだ。
個々人をとれば結構プライドも個性も強そうな集団にあっては、
T氏のほのぼの感覚でしか、この種の雰囲気と踏ん切りは醸し出せない。
台風の話。
豊橋から通っているHさんいわく。
台風の通過した一昨日の深夜から昨日の昼まで停電、こんな長い停電は初めてのことだわ、とか。
こんな長い停電は始めてのことだというが、
まだ30歳前の若い彼女の人生の中で、停電自体経験したことががあるのだろうか。
聞いてみると、そりゃありますよ、と軽くいなされる。
クラス一若い彼女は、いつもさばさばしていて、気軽な話し相手でもある。
宿題だとか小テストなどには結構敏感に反応するところから察するに、
授業には見かけによらず真面目で真剣に取り組んでいるようだ。
宿題を忘れたり、間に合わなかったりしたとき、迷うことなく席が近くの彼女にノートを借りてしまう。
彼女からすれば、新城のオヤジ、少し図々しいじゃないの、と思っているのかもしれないが。
隣の席のIさんは、
Y校舎と同じ敷地内にある「暮らしの学校」という市民対象の学習広場で、先週水曜日から週一回の「スケッチ」講座に参加し始めている。
感想を聞いてみた。
楽しいです、が最初の一言。
一堂10人くらい集まったそうだが、スケッチ初心者は彼女くらいなもので、周囲はみな上手。
最初から壁にぶち当たって、とか言っているが、そういう素振りは口先ばかり。
若さと度胸のよさと持ち前の負けん気で、講座10回全てを乗り切ることは間違いない。
9時半、授業開始。
本日の授業はK女性講師による「音声」の2回目。
~「音声」その2~
子音
★前回授業の「確認テスト」
前回の主な項目について20分間程の「確認テスト」が冒頭実施される。
とはいえ、テストが実施されることは前回既に通知されていた関係で誰もたじろいだりしない。
しかしその割に、普通の試験前と同様の妙な静けさが漂ってしまうのは、みんなが社会人のせいなのだろうか。
このクラス20名は全員そろって「テスト」という脅し文句に緊張する癖があるようだ。
~テスト1~
図を見て各調音器官の名称を漢字で書く。
A)鼻腔。B)口腔。C)咽頭。D)喉頭。
①上唇。②歯。③歯茎。④硬口蓋歯茎。⑤歯茎硬口蓋。⑥硬口蓋。⑦軟口蓋。⑧口蓋垂。⑨口蓋帆。
⑩下唇。⑪舌尖(ぜっせん)。⑫舌端。⑬前舌。⑭中舌。⑮後舌。⑯舌根。⑰声帯。
~テスト2~
・母音は、基本的に全て(有声音)。
・母音の調音は、次の三点。
①舌の前後位置
②舌の開口度(舌の上下位置)
③唇の丸め(円唇か、非円唇か)
それでは、
下記の表を埋めなさい。
と言って母音「ア」・「イ」・「ウ」・「エ」・「オ」について上記の3点を記入させる。
・「ア」=中舌:広母音(低母音) :非円唇
・「イ」=前舌:狭母音(高母音) :非円唇(平唇)
・「ウ」=後舌:狭母音(高母音) :非円唇
・「エ」=前舌:半狭母音(中母音):非円唇
・「オ」=後舌:半狭母音(中母音):円唇
《My Check:テスト2については覚えるための図がある。これを覚えさえすればカンタン》
★1.子音の調音
子音の音の違いは、次の三点の組み合わせによって具体的な音が作られる。
①声帯振動の有無
②調音点
③調音法
★2.声帯振動の有無
・母音は基本的に全て声帯振動を伴う。つまり(有声音)のみ。
・子音は声帯振動のあるもの、ないもの、がある。(有声音)と(無声音)の2種類。
~確かめてみよう~
50音図のそれぞれの行の子音について有声音か無声音か喉に手を当て確かめてみる。
結果のまとめ。
①母音は有声音。
②濁点ができる行は無声音。できた濁点の行は有声音。:「k・s・t・p」⇒「g・z・d・b」。
③「h」は無声音。
④濁点ができない行は有声音。「n・m・y・r・w」
◎(注:有声音「b」は、「h」の対応ではなく無声音「p」に対応)
《My Check:つまり50音図においては、無声音は5種類。有声音は9種類。(母音であるア行を入れれば10種類)》
《参考》
”母には再び会いたれど、父には会わず”
という諺が室町時代に言われた。 それは何か?
答えは「唇」。
上代(飛鳥)の時代には、母は(fa・fa)、飛鳥時代には[pa・pa]と発音されていた。
★3.調音点
調音点とは:子音を調音するときの、呼気の「妨害」の「位置」のこと。どこで妨害するかで異なる音になる。
~試してみよう~
次の語を出して確認する。
)もも・みかん。マスカット・メロン。バナナ・ぶどう・パイナップル・さくらんぼ。⇒ 「m・b・p」は、必ず口を閉じる。(調音点は、両唇)
)トマト・マスカット・ぶどう・バナナ・なし・りんご・ざくろ・すいか・さくらんぼ。⇒ 「t・d・n・r・s・z」は、舌先が上の歯茎あたりに触る。(調音点は、歯茎)
)かき・グループ。⇒「k・g」は、舌の奥が口蓋の奥(軟口蓋)あたりの当たっている。(調音点は、軟口蓋)
わかったこと。
口の中の(動く器官)が、上顎などの(動かない場所)に触れたり、接近したりして呼気の流れの(妨害)する(位置)を決めている。
・舌、唇など動く器官のことを⇒「調音体」という。
・上顎など動かかぬ場所のことを⇒「調音点」という。←この「調音点」が今後大切、全て覚えること。
《調音点》(「両唇」を除き、動かない場所)
覚えなければならない図で示された下記10種類の「子音の調音点」の名称。
①両唇 :マ・パ・バ行、「フ」。
②唇歯 :英語の「f」、「v」。
③歯 :英語の「th」。
④歯茎 :サ・ザ・タ・ダ・ナ行(但し全て「イ」の段を除く)、ラ行。
⑤硬口蓋歯茎:英語の「sh」。
⑥歯茎硬口蓋:「シ」、「ジ」、「チ」、「ヂ」、「ニ」。
⑦硬口蓋:「ヒ」、「ニ」。
⑧軟口蓋:カ・ガ行。
⑨口蓋垂:語末の「ン」。(語頭には、こない)
⑩声門 :「ハ」、「ヘ」、「ホ」。
《My Check:順番は、口の前の方から奥へ向かっていることに注目》
★調音法
調音法とは:呼気の(妨害)の(仕方のこと。
~試してみよう~
次の各子音を続けて出してみる。
)「せなか」の、
・「s」の音:継続○
・「n」の音:継続○
・「k」の音:継続×
)「した」の、
・「s」の音:継続○
・「t」の音:継続×
「プリン」の、
・「p」の音:継続×
・「r」の音:継続×
わかったこと。
(継続)して出せる音と、出せない音がある。音の出し方、つまり調音法の違いによる。
例1:「t」
・歯茎に舌先が触れ、⇒(調音点は、歯茎)
・呼気を止めた状態(閉鎖)を作り、⇒調音法は「閉鎖音」
・その後、舌先を歯茎から一気に離す(破裂させる)。⇒ この調音法を「破裂音」ともいう。
例2:「p」
・両唇を閉じて、⇒(調音点は、両唇)
・閉鎖を作り、⇒調音法は、例1と同じ「閉鎖音」
・その後、両唇を一気に離す(破裂させる)。⇒「破裂音」ともいう。
(以上のような破裂音は、t・d・p・b・k・gの6種類がある)
8種類ある調音法
①鼻音:口腔内のどこかに(閉鎖)を作り、息が口から漏れないようにしておいて、(鼻腔)へ息を通す。声を伴った息を口腔内の閉鎖位置、つまり(調音点)より奥の口腔と(鼻腔)に共鳴させて調音する有声音。
・継続音。
・有声音:マ行(m)、ナ行(n)、ガ行鼻濁音(カ◦)、の各子音。
②破裂音(閉鎖音):口腔のどこかに(閉鎖)を作り、そのまま呼気を口腔内へ送り込む。その後呼気がたまったところで閉鎖を(開放)し、たまっていた呼気を一気に放出する。(閉鎖音)とも呼ばれる。
・瞬間音。
・無声音:パ行(p)、カ行(k)、の各子音。「タt」「テ」「ト」。
・有声音:バ行(b)、ガ行(g)、の各子音。「ダd」「デ」「ド」。
③摩擦音:口腔内のどこかに(狭め)を作り、そこに呼気が通るときに、調音器官との(摩擦)で息の流れに乱れが起きてできる音である。呼気の流れを(止め)ないので(継続)して発声することができる。
・代表的な継続音。
・無声音:サ行(s)、ハ行(h)、の各子音。
・有声音:(語中)のザ行(z)の子音。
・有声音:稀に(語中)のガ行、バ行、の各子音。
cf・「おばかさん」「かがみ」
・前の母音で口を開けたまま、「b」・「g」を発音するから本来破裂するb・gが破裂でなく摩擦状態のまま発音される。
④破擦音:(破裂音)と(摩擦音)がほぼ同時に調音される子音。継続して出すと(摩擦)音のみが聞こえる。
原則として、(破裂音)と(摩擦音)が起こる(調音点)は同じかごく近い。
・継続音。(但し、継続して聞こえるのは(摩擦)にる音のみ。
・無声音:「チ(ch)」、「ツ(ts)」。
・有声音:「ヂ(dz)」、「ヅ(dz)」。(語頭)のザ行(dz)。
cf.
・ちず「chi zu」⇒語中のzの前の母音iで口が開いたままなのでzは摩擦状態。
・ずめん「dz men」⇒語頭のdzのdが破裂してから摩擦のzが続く。
⑤響き音(はじきおん):舌先を巻き上げて舌の裏側を歯茎に触れ、その後、舌が歯茎をなでるように(1)回(弾(はじ)く)。
・瞬間音。
・有声音:ラ行(r)。
⑥震え音:舌か口蓋垂を(2)回以上(震わせて)作る音。
・継続音。
・有声音:べらんめえ調のラ行。
・参考:スペイン語では、語頭のr音として表れる。
⑦側面音(接近音):(歯茎)に舌の(前面を広く)つけ、舌の(両脇)から呼気を通す。
・語頭のラ行(L)。(息を吸うと舌の両脇が涼しく感ずる)
⑧接近音:舌を(盛り上げ)、口蓋との間を(狭く)して呼気を通す。(摩擦を起こさない程度の響きのよい狭さ)
・継続音。
・半母音・半子音とも言われる。
・有声音:ヤ行(y)、ワ行(w)、の子音。
《My Check:ザ行の語頭は破擦音(dz)、語中は摩擦音(z)。語尾は必要なし。日本語においては原則、語尾に子音が来ることはない。》
《「調音点・10種類」と「調音法・8種類(各有声音・無声音別)」を縦横の座標にして、各子音を分類した表を作成》
12時半、
授業終了。
◆本日の感想
子音をここまで細かく整理してくると、何が何だか、何をどうして、という大原則が逆に遠のいて、目の前のことにだけこだわっている自分に気がつく。
いったん頭を冷やし、なんのために表を作ろうとしているのか、図や表を遠くから眺めてみたい。
調音点に着目すれば、
・日本語の調音点は、歯茎が圧倒的に多い。
・両唇が、マ行、パ行、バ行、フ
・歯茎硬口蓋が、ニ・シ・チ・ヂなどイ段
・硬口蓋が、(ニ)、ヒ、ヤ行
・軟口蓋が、カ◦、カ行、ガ行、などカ行に関する音と、ワ
・声門が、ハ・ヘ・ホ
などであろうか。
結果的には、機械的に口に出るようにすべきであろうから、もう少し、記憶しやすい方法を考えてみたい。
授業中にK女性講師がご自分のプロフィールを口にしたときがある。
二十歳になるまえから言語というものに興味を持ったとか。
その一例は、
「みゃ みゅ みょ」という発音を、どうして
「まぁ むゅ もょ」と言うように書かないのか、という素朴な疑問だった、と。
なるほど、言われれば、そう感じてもおかしくはない。
全部「み」で書かれるのは、どうしてだろう。
青春の熱に浮かされて海外協力隊などへ行きたいと思った時期を通り越し、29歳になってから日本語教師養成講座の門をくぐる。
当時はまだ日本語教師養成講座の体系が完成していない。
高名な言語学者や専門家の先生達が高い壇上から講義するばかりで要領がなかなかつかめきれない状態。
教えるなら自分の方が上手にできるのではなかろうかと、苦労された若かりし頃の思いの一端を披露してくれる。
あれからもう20年近く日本語教師の道を一途に歩んで現在に至るということから判断するに、
この道は余程彼女にマッチングした職業かと思われる。
◆Y言語文化研究所校舎からの自宅への帰途、同じ新城市内に住む姉宅に立ち寄る。
新城の街中(まちなか)はちょうどT神社の秋祭り初日。
青年たちの練込みの掛け声や爆竹の破裂する音やらで威勢がいい。
「街にキンモクセイの香りが漂う頃、故郷に祭りがやってくる、---。」
などと書き始めたことのある私20歳前後の頃の手記や随筆の類は、さて今どこにあるのだろう。
現在、70歳前後となった6人の兄弟姉妹の年に一度集まって開く今年の家族会。
来週12日の体育の日、岡崎ニューグランドホテルで一泊することにした。
その日程を説明したかったのだが、姉はあいにく俳句会とやらで外出中。
居合わせた義兄に、他のメンバーに送信したメール文のコピーを渡しておく。
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