Guitars On Broadway

洋楽とエレクトリックギターの旅路

GEORGE L'S & Thin cable

2017-01-15 17:16:17 | CABLES

ジョージエルスから始まった細いギターケーブルがエフェクトボード内のソルダーレスパッチケーブルという新しいジャンルを創りましたがスタンダードのギターケーブルとして再度検証してみます。とかく太くヘビーなケーブルに安心感を得て音もガッツあるように思えて、激しいアクションでも安心と思うのがギタリスト。しかし、ジョージエルスの登場でその概念も変化し、ハイインピーダンスのエレクトリックギターサウンドを美味しくアウトプットするケーブルを選ぶ時代がやってきました。また、プラグにケーブルをハンダしないでボルトで結合というのもインパクトがあってハンダ付けが苦手なギタリストにも世界が広がりました。

ケーブルはプラグの形状から1芯の同軸ケーブルということに限定されてきますがそれが楽器に一番適しているかもしれません。内部導体に特殊な加工がされているハイエンドは確かにいいですが品のいいコンプレッションがありシンプルな銅線や伝導率より強度を強めたカッパーウェルド線のものがダイナミクスがついてゲインも高いような気がします。専門の電気知識からのノウハウとギターサウンドと比例しないのがまさにこの分野。またケーブルの径が4mm弱となるのであまり種類がありません。そこで日本でのハイエンドギターケーブルの元祖といわれショップ切り売りケーブルの先駆けのカナレのGS-6の細いバージョンGS-4を使用してみます。定番GS-6は最近の海外こだわりハイエンドケーブル等と比べると適度にハイとローをカットしソフトにフィルターをかけたフラットな印象ですがGS-4はゲインが高く、ダイナミクスが効いています。この形状と薄いジャケットが一連のトーンの秘密に関係しているかもしれません。ジョージエルスやベルデン8218の全部出し切る感じと違いカナレGS-4はどこか品がありストラトのハーフトーンに余計なトレブルがなく太く聴こえてきてどちらも甲乙つけ難いキャラクターがあります。コストは何たってメイドインジャパンのカナレがナンバー1。

現在はソルダーレスプラグも種類も多くリリースされています。高品質な日本製がメインになっていくような気配もありで流通もままならない元祖ジョージエルスもレトロな雰囲気が出てきました。しかし、ソリッドブラス削り出しプラグというのはジョージエルス以外に1社しかやっていません。経年変化で接触不良を引き起こすブラスプラグはメンテナンスが必要になりペダルボード内でのパッチには敬遠されます。なので市場に出ているソルダーレスプラグのほとんどがニッケルメッキ。トレブルが劣化しないニッケルやゴールドメッキが主流ですがブラスのミッドレンジからハイにかけてとローのアタックは癖になります。ギターからペダルボード、ボードからアンプのケーブルはブラスプラグがいいですね。プラグの酸化状態も見ながら専用クロスでメンテナンスしていれば接触不良も無くケーブルやプラグもいつも気にする癖がつきます。

番外編としてベルデンのビデオ用ケーブル1506Aも試しました。径が5mm以上なのでジョージエルス225のプラグを使いましたが、やはりデジタル信号をカバーするために作られているものはハイファイで優等生的な印象。これは88760に通じる質感でローインピーダンスで力を発揮するタイプでしょう。ギターからストレートにアンプに接続するケーブルは細く、スタンダードな構造がいいのかもしれません。こうなってくると基準となっていたベルデン8412のような2芯や4芯のマイクロフォンケーブルがなんとなくギターやベースに関して面白みに欠けるケーブルになってしまいます。

しかし、これらは周辺の機材環境や楽器によっても変化しますから難しいところですがどんなケーブルがギターにマッチするかは音を出してみないとわかりません。ホームセンターで切り売りされている工業用の渋いブランドの中に素晴らしいアイテムが眠っているかもしれませんね。


コメントを投稿