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ロベンは私の尊敬する大好きなギタリスト。2年前にカールトンと来日したとき恥ずかしながら黄色い歓声を発してしまった。とんでもなくカッコよかった。
このアルバムはロベンのブルースの師匠でもあるジミーウィザースプーンとの91年の競演ライブ。名義はジミーなのだが中身の主役はロベン。この2人、70年代にも競演のCDを出しているがその時とこのアルバムのロベンとは完全に違う。師匠と弟子ぐらいの差があるほどスケールが違っている。この時期ロベンはブルーラインを結成して活躍するがバンドに拘り過ぎて何か力が入りすぎた感じがあった。ブルースをやればやるほど自由ではない雰囲気のような。最近、このブルーラインのライブ音源のCDが出ているがロベンのギターがやはり何か硬い感じだ。主役じゃなくサポートに入ったときのロベンの滑らかさは他に類を見ない。
北欧のある町のジャズフェスティバルというのもあるかも知れないが、この作品にはそんなリラックスして原点に立ち返るブルースギターが全編に冴え渡っている。このアルバムではロベンの兄、フォードブルースバンドのパトリックがドラムで活躍しアットホームな懐の深いアンサンブルでロベンを盛り立てている。
ジャズヴォーカルやポップスの繊細なバッキングからラウドブルース、マイルスのジャズまでカバーするロベンのフレーズボキャブラリーとリズムの多さにため息が出る。しかし、器用貧乏にならない太いものがあるのは根底にブルースとマイルスが君臨しているからであろう。
90年代後半、ブルーラインを解散しソロ活動、兄弟ユニットのフォードブルースバンド、ジンチなど絶品プレイの目白押しの時期に入る前のゆったりとしたリズム。しかし、いいエレクトリックブルースギターだ。あの鉄壁なダンブルアンプではなくフェンダーツインリバーブかデラックスリバーブのスプリングサウンド。ハムバッカーでも鈴鳴りのトレブル感がシャープでスローブルースでもスピード感が落ちない。一連のロベンのブルース作品の中で一番ブルージーかもしれない音源。ブルースをシングルノートのギターで歌わせる最高なプレイ。しかも脂っこくない西海岸的なマスク。やっぱりカッコいい!
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