10年以上使用しているケンタウルス。チューブアンプをブーストするには右に出るものは無い。最近リリースのハイエンドブースターのいくつかはそのままコピーといわれる代物が結構ある。キャビネットこそオリジナルだが中身のパーツはそれほど拘っているようでもない。樹脂で固められているのがその謎の雰囲気をかもし出している。製造元の米国KLON社も謎だ。ケンタウルス以外の製品を見たことが無い。個人工房らしいが正規なHPも見当たらない。
ビンテージサウンド好きなギタリストは1度は使ってみたいアイテムだが、このケンタウルスくらい使い方を間違えると意味の無いドライブはない。クリーンなトランジスタアンプではこれ1台で完結しないのである。十分なサスティーンを求めるならゲインを上げ気味にする。ところがトレブル成分に奇数倍音を含んだファズ的な雰囲気になりザラついてしまう。しかし、JCあたりにゲイン10時設定で使用すると瞬く間にヘッドがチューブに成り代わる。クリーンにはアンプの初段に使ってトランジスタをチューブクランチさせ他のドライバーでサスティーンを加えるやり方がベストだろう。既にクランチ成分のあるチューブには単体でブースターとしての使い方と2種類しかない。ケンタウルスにはオペアンプとブースターとの2面性がある。どちらを選ぶかは自由だがオペアンプとして使う場合ブースターに持ってくるオーバードライブのチョイスは難しい。ゲイン0で良質なコンプレッションが必要となってくる。そうなるとクリーンブーストまでカバーできる物でないとギターのヴォリュームで歪のコントロールは不可能になる。
いろいろ使い方が難しいエフェクターだがなぜここまで語り継がれるか。それはピッキングアタックにかかってくる独特なA級動作並みのトレブルトーンとコンプレッション。シングルPUやハムバッキングPUのおいしい所に必ず絡むトーン。それはどのジャンルのギタートーンのベーシックな部分だ。
ということは歪の為じゃ無く、コンプレッション調整BOXということになる。どちらにしても玄人向けには変わらない。価格も玄人。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます