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Guitars On Broadway

洋楽とエレクトリックギターの旅路

セイモアダンカン SH-1 59Model

2011-10-27 01:16:10 | PARTS

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これで買うのは3回目のセイモアダンカンのベストセラーSH-1。59年のPAFをモディファイしたビンテージレプリカピックアップの長老、金字塔、先駆者的な歴史のあるモデル。発売から30年以上たっているがいまだに迷ったらこれといわれるくらいで本物のPAFよりスタンダードになってしまっているような感じもある。70年代後半のギブソン低迷期モデルにもっと本物のギブソンサウンドを求めるギタリストはみんなこれを搭載した。

ビンテージモディファイといってもしっかりパワーもあり柔らかさ、フラット感、サスティーンは抜群でまた、エフェクターの乗りもよく個性のあるダンカン臭さもあって価格も安い。その後、数々のピックアップメーカーの登場、ハイエンドな工房クラフトモノやギブソン自らPAFのフルコピーを出したりでギタリストにとってみると有りがたい話だが、どれもこのビンテージモディファイは基本は同じ。各社の特徴はどこかの周波数を上げたり下げたり、出力を調整したりとみな同じアプローチだ。違いは値段とウンチクで勝負という感もあるが楽しみは多い方がいい。

どんな商品でも同じだが素材、ハンドメイド、職人拘りなどという言葉が入ると価格は3倍以上に跳ね上がる。それらのレギュラー品とは違うPUを乗せるだけで格が上がったような錯覚に陥るのもギタリスト。アンプやエフェクター、ケーブルといったギター以外の環境が様々だからPUのバリエーションも多くなるのも当たり前。トーンの焦点を絞ったデザインなら理解できるが拘りピックアップのほとんどが「オールドPAFを徹底的に解析した」という考古学の発掘調査のようなアプローチに違和感を覚える。そのデータに作り手の私的なチューンナップが入ると尚更複雑難解な世界に入り込み出費もかさむ。一部の人しか嗜むことのできないオールドPAF信仰がこれだけ長く商売のネタになるのも珍しい。

少し前に所有のエピフォン・リージェントのフルアコに搭載したダンカンセスラバーモデルSH-55はすっきりしてフルアコのフロントにはいいマッチングだ。全てのダンカンのビンテージタイプハムバッキングのルーツはこのSH-1 59モデルの流れをくんでいるような気がする。他のハムバッキングモデルはどこかモダンで個性的だがこのSH-1はベタな感じでどんなギターに乗せてもしっかりビンテージギブソンサウンドがクリエイト出来るし、BBスタイルの美しいMIXトーンもいい。ジャズからハードロックまでカバーする守備範囲の広い万人向けの傑作PU。今さらという人もいるが二回りすると良さが再確認出来る。時代に流されないタイトな質感と安心感は変わらない。

でもどのギターでも鳴らし切ってしまう安定感はPUのキャラクターの強さから敬遠するプレーヤーもいるのは確か。しかし、最近の廉価版ギターのウッド部分の完成度なら迷わずこのコストパフォーマンスの高いPUで尚更良く鳴るのは間違いなし。よくフロントに低出力、リアに高出力なPUを付ける方が多いがやっぱり同じPUをネック、ブリッジをセットで使いたい。クランチな鈴鳴りMIXトーンはそれをチョイスしないと出ないがディストーションを求めるなら話は多少変わります。

さてこの名機PUをPRSのSEに乗せたらどうなるのでしょうか。意外と普通のような気がしますがその普通が重要で奥の深いところ。

でも安いギターのちょっとしたチューンナップでも悩まず使えるようにしたセイモアダンカンさんはとっても商売上手なお方です。


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