エピフォンエンペラーのフルアコースティック。シリアルナンバーから1991年の日本製。かれこれ17年物になる。長年ソリッドギターでやってきたが初めてのフルアコで全くのジャズギターだ。ギブソンスーパー400からの流れのボディライン。購入時は金属パーツのサビ等でくすんでいたがクリーニングで蘇った。ギブソンの廉価版的イメージのエピフォンだがトップはブックマッチのプレススプルースでしっかりしている。ペグはグローバー風ゴトーで精度がいい。バック、サイドとも派手なストライプメイプルじゃなくプレーンでシンプル。あまり弾いた形跡が無く状態は非常にいい。ギブソンから比べるとコストパフォーマンスはかなり高い。ブリッジの仕上げも丁寧だ。色は最近あまり見ない3トーンサンバースト。70年代風なカラーリングだ。ヘッド、指板のアバロン貝の細工も美しい。
ネックはメイプル3ピース。スリムタイプだが驚くほど頑丈だ。テンションの高いフラット弦に対応する強度を保つのと軟らかいスプルーストップのフルアコトーンに輪郭をつけるにはメイプルネックにする理由があったのだろう。目の詰まったローズ指板とインレイは大人向け。
この時期のジャパンメイドの弱点は伝送系。その部分を全て交換。ピックアップはトップに装着しないネックマウントタイプ。ピックガードに装着するタイプよりアタックが出る。
このモデルはアッセンブリーがピックガードの裏に装着されているため大きいパーツは使用できない。オリジナルのミニタイプのポットからCTS500kAカーブに変える。ポット位置がピックガードギリギリで正面からポット本体が露出してしまう為、穴を中央部よりに移動させる。ジャズ仕様のギターでいく場合トーンはかけっぱなしになるのでコンデンサーのチョイスは重要だ。大型のビンテージフィルムでいきたいがトップとPUガードのクリアランスが狭いので小型のものを選ばないとならない。そこで選んだのがヒューマンギアブランドのスプラグオレンジドロップの0.02uf。弾いた感じも丁度いい。フルに絞っても輪郭は残る。欲を言うと0.033ufならジョーパスサウンドになったかもしれない。ブラックビューティーの0.56が容量抜けして0.04ぐらいまで落ちたのが丁度いい。それもPUとのバランスだから何ともいえないがオリジナルのPUはローが若干ブーミーだから次回ケントアームストロングあたりに交換してみよう。
最近、レスポール系の配線時によく使うベルデンの8245RG-55ダブルシールドをポットからアウトプットジャックへの最終段階に使う。これが振動音を吸収して太くなりハムバッキング系には最高。
弦高はネックが完全フラットになるので1.2mmまで下げれる。ジャズは高めというイメージがあるがローアクションでナチュラルコンプをかけたトーンが弾きやすい。まずはダダリオのフラットワウンド0.11~0.52ジャズライトからのスタートだ。
僕もエンペラーを持っていますが、2ピックアップ(ボディーマウント)の「普通に時々見かけるタイプの物」です。
これは91年製とのことですが、こういうタイプの物が市販されていたとは知りませんでした。
どちらでお求めになりましたか?
フローティングピックアップですと、音色は繊細な感じでしょうか。
いや、それにしても美しい!!
コメントありがとうございます。
このエピフォンはたまたまオークションで発見し入手いたしました。
調べてみましたらシリアルナンバーから91年のフジゲンで作られたもののようです。
今ではエピフォンも市場から姿を消してしまってますね。これがあるとすると
たぶんPU無しのモデルもあったと思います。
フローティングPUはやはり力が無いですね。よく言ってしまえば繊細なんですが
ウエスモンゴメリーのような太いトーンは出ません。この後、色々とPUを付け替えて
今はブログにも書いていますがバルトリーニのフローティングPUをつけて何とか
なっている感じです。やはりギブソンタイプのトップにPUを直接エスカッションで
載せる方が断然おすすめです。
エピフォンは渋いですよね。またよろしくお願い致します。
ピックアップはフローティングのものよりボディーに組み込まれているものの方が音が強くて太いとの事ですが、それは何故なのかとても興味があります。
同じ様なピックアップを使っても違いは大きいのでしょうか。
僕のエンペラーは、元々2ピックアップですが、リアの方は使わないので中身を抜いてしまいました。その方がいくらかでも軽くなり表面版の振動を妨げないかな、と。
効果の程はよく分かりませんがw。
さすがにパットメセニーのES-175みたいに、全部外して穴をガムテープで塞ぐ勇気はありませんでした。
ありがとうございます。
私もずいぶんその件について試してみました。アーチドトップは単板削り出しでボディ鳴りが最大!なんて書かれているとそれが最高だと勘違いしてしまいます。私の経験から言うと確かにスペック的には最上級なのですが好みのトーンと必ずしも比例しませんね。もともとアーチドトップはアコースティックに使うのが前提なのでボディ鳴りを求めるということはマーチンのようなフラットトップと同じ考え方に近づいていきます。フラットトップアコースティックにマグネットPUを搭載すると独特なトーンになりますよね。アーチドでネックジョイントに付けるPUはこの感じの質感があります。80%アコースティックで20%音量を付け足す程度なら最高なのですが、それなりの音量を出す場合にはトップが鳴る分ハウリング等の弊害があります。
L-5等もPU使用を前提にしたモデルは単板ではなくラミネートトップのバージョンもあります。ケーニーバレルはFホールから吸音材を入れてワザと箱鳴りを制御しています。JAZZギターは箱が鳴らないほうがJAZZらしくなる傾向です。メセニーの175も合板トップ材ですしね。
PUマウントもトップ材にエスカッション留めのほうがアタックや音量が豊富ですしJAZZトーンには最高です。逆にネックジョイントはPUの位置や硬いネック材や指板に直接マウントなので音量は小さいですね。ピックガードに取り付けるのも同じ質感ですがよりアタック感はありません。
ギブソンをよく調べていくとそこが判明しますね。ビックバンドでもアンプ無しで弾く為、スーパー400やL-5のようなジャンボボディからPUが開発され、ボディ鳴りが必要なくなっていきバードランドや330のような薄いボディに、センターブロックが入った335の登場、ソリッドのレスポールとエレクトリックの配分が増えていきました。トーンというより音量とハウリング防止の為のモデルチェンジですね。
そう考えると合板ボディでもいいピックアップを載せる方がJAZZにはいいですね。ハムバッキングはかなりいいものがたくさん出ているので選ぶのも楽しいですよね。ハムバッキングというとサカシタギターというアメリカで活躍の日本人製作家のハンドワイヤリングPUがよさそうですよ。サカシタギターというと最近ロベンフォードが使っているギターを作っている人です。
またよろしくお願い致します。
久しぶりに書き込みさせて頂きます。
このエピフォンを色々と改良されてみて、最近の鳴り具合はいかがですか?
僕は85年にたまたま自分の所有するエピフォンを楽器屋で見つけて(東京お茶の水のクロ○ワ楽器で)、他の店で弾いたヤマハのフルアコ(AE1200かな?)と比べたら、こちらの方が鳴りが良かったので買ったのですが、これが日本製なのか韓国製なのか、そしてどこ製が良い品物なのか、いまだに分りません。
良ければ良い! といえばそれまでですが、僕としてはエピを使ってる方々に、色々とお話しを聞かせてもらえたら、と思います。
今に生き延びる『エピ』、なんかいいですよね。
いつもありがとうございます。
最近はあまり手を加えないで弾いています。最終的にはハムバッキングでしょうけどね。バルトリーニも独特で慣れると結構使えますよ。
風様のエピフォンは85年に入手されているとすると日本製でしょう。この時期のエピフォンはいろんなところで作られルートもバラバラではっきりしませんが比較的エンペラーが韓国メイドに移ったのは90年代中盤ですから風様のはジャパンです。そこでラベルの色で判別するのが有力でしょう。ブルーは70年代からのマツモク製、ベージュは寺田、フジゲンでしょう。寺田はアコースティックに定評があって現在のUSAグレッチは全て寺田メイドです。何でUSAかわかりませんけどね。その後、ブラウンラベルから韓国に移りますが80年代はカジノやシェラトンが多くエンペラーが大陸製造になったのはその10年後からでしょう。しかし、これも販売元や在庫によって製造工場を替えてたような話もあって定かではありません。でも謎だらけというのも結構いいですよね。検索すると結構情報があるので照らし合わせたら判明すると思います。どちらにしてもフルアコで20年以上も経過して、しっかりチューニングが出来て弾ければこれはこれで最高ですよね。70年代後半の悪いギブソンより国産エピフォンのほうがいいですよ。