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公認会計士がインサイダー

2008年03月04日 | ニュース
日経の1面を飾ってしまいましたね。
見出しを読んだときは度肝を抜かれました。

新日本監査法人がプレスリリースを出してます。
http://www.shinnihon.or.jp/corporate/press/20080303.html

宝印刷の件はひどい話だと思いましたし、NHKの件はどうしようもない話だと思いましたが。
大手監査法人の公認会計士がインサイダーとは。。
二次試験に合格したてのペーペーなわけでもなく、三次試験にも合格したれっきとした公認会計士がですよ。
借名口座を使っていたという報道ですから、罪の意識はあったでしょうに。産経新聞によると『「意外と平然と調査に応じ、謝罪の言葉も最後に少しあった程度。若者特有の無神経さというか、幼さというか」-。同監査法人は会見で、本人に悪びれる様子はなかったことを明かした。』だとのこと。

大手監査法人は程度の差こそあれ、職員の株式保有についてはかなり神経質になっていると思います。全職員に株式保有を禁じているところもあるでしょう。投信だって、ファンド監査を受嘱している委託会社のものについてはダメということになっているのではないでしょうか。監査法人所属の会計士が資産運用しようとすると、なかなか運用先に困るというのが正直なところです。

しかしいくら法人が規制を強化したところで、借名口座を使った取引まで発見できるわけがなく、あとは各個人のモラルの問題。
証券取引等監視委員会が調査中とのことですが、本人は認めているような報道ですから、今後様々な処分が下されるでしょう。金融庁による行政処分や公認会計士協会による懲戒処分等で、この公認会計士の氏名が公表されるやもしれません。資格剥奪は避けられないでしょうね。

新日本監査法人は、この会計士が元職員だったことに少し安心しているかもしれません。現役の職員だったら目も当てられない・・・。
それでもこのようなモラルの低い人間を雇っていたことの責任は問われるべきです。

公認会計士による監査制度の根幹を揺るがすような事件は、なかなか尽きないものです。。気が滅入りますよ。