力投する川棚の黒崎滉一郎君
2010年07月20日朝日新聞掲載
1点リードで迎えた9回の川棚の守備、3年黒崎滉一郎君はマウンドで何度も「フーッ」と息を吐いた。
背番号は5。投手として先発するのも9回を投げ抜くのも初めて。「海星は遅いカーブに慣れていないだろう」と、野中輝監督から試合前に先発を告げられた。狙い通りに80キロ台のカーブで強打の海星打線を惑わし、8回までを3点に抑えていた。バックも6回に1死満塁の危機を併殺で切り抜け、支えてくれた。
だが、球を握る右手には、もう力が入らなくなっていた。四球と捕逸で無死二塁とされ、打席には、この日2安打されていた3年大山仁也君。3球目、甘く入ったカーブを左翼線ぎりぎりに運ばれ、適時二塁打で同点とされた。
次打者の打球が野選となり、大山君は三塁へ。続く打者の三塁へのゴロの間、本塁へとスタートを切った。捕手の3年谷恒遼君がタッチしようとしたが、それをかわして生還。川棚はサヨナラ負けを喫した。負けた実感はわかなかった。
シード校の海星の選手は体も大きく、「いつ打たれるかわからない」と、終始プレッシャーに押しつぶされそうだった。だが、NHK杯優勝の強豪と互角の接戦を演じ、「楽しい一日だった」。(藤田愛)
2010年07月20日朝日新聞掲載
1点リードで迎えた9回の川棚の守備、3年黒崎滉一郎君はマウンドで何度も「フーッ」と息を吐いた。
背番号は5。投手として先発するのも9回を投げ抜くのも初めて。「海星は遅いカーブに慣れていないだろう」と、野中輝監督から試合前に先発を告げられた。狙い通りに80キロ台のカーブで強打の海星打線を惑わし、8回までを3点に抑えていた。バックも6回に1死満塁の危機を併殺で切り抜け、支えてくれた。
だが、球を握る右手には、もう力が入らなくなっていた。四球と捕逸で無死二塁とされ、打席には、この日2安打されていた3年大山仁也君。3球目、甘く入ったカーブを左翼線ぎりぎりに運ばれ、適時二塁打で同点とされた。
次打者の打球が野選となり、大山君は三塁へ。続く打者の三塁へのゴロの間、本塁へとスタートを切った。捕手の3年谷恒遼君がタッチしようとしたが、それをかわして生還。川棚はサヨナラ負けを喫した。負けた実感はわかなかった。
シード校の海星の選手は体も大きく、「いつ打たれるかわからない」と、終始プレッシャーに押しつぶされそうだった。だが、NHK杯優勝の強豪と互角の接戦を演じ、「楽しい一日だった」。(藤田愛)
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