博単者[HAKATANMON]

博多での単身赴任サラリーマンの日常と壱岐高校野球部を応援するブログです。

総評/長崎日大、抜群のチーム力 好投手そろい本塁打半減

2010-07-29 19:23:37 | Weblog

 第92回全国高校野球選手権長崎大会は27日、第1シードの長崎日大が2年連続9度目の優勝を飾り、幕を閉じた。今大会はシード8校中7校が準々決勝に進出するなど、前哨戦のNHK杯県大会までの戦力差がそのまま表れた。まだ余韻の残る大会を振り返る。

 長崎日大は昨年同様、夏の甲子園を見据えたチームづくりで頂点へ駆け上がった。投手陣はエース中村が決勝で11三振を奪い1失点完投するなど、大会中に成長。打撃は主軸と呼べる選手はいなかったが、準決勝のサヨナラ本塁打を放った前原ら、上位から下位までバランスよく好打者をそろえていた。

 3回戦から3試合連続で1点差の接戦となったが、それを決勝への起爆剤にした点などは、夏の理想的な戦い方と言える。タレントはいないが、一発勝負の強さが印象的だった。そのチーム力を生かした甲子園での戦いが期待される。

 8年ぶりの決勝に進んだ海星は、永江が5試合に登板。1回戦の清峰戦などで力投し、決勝進出の原動力となった。大山、江越らの非凡な打撃センスも光った。主力は抜けるが、永江、古賀、一ノ瀬、射場らが残る来季も県内上位に絡んできそうだ。

 佐世保実は準決勝で長崎日大を追い詰める健闘を見せた。エース平倉のスライダーはさらに上のレベルでも通用する切れがあった。1年生左腕・木村も好投。投手育成に定評がある清水監督の下、来季以降を楽しみにさせる存在となった。

 長崎商はエース竹野、村井の二枚看板で2年ぶりの4強へ勝ち進んだ。最速148キロの直球を持つ竹野は今秋のドラフト会議に向けプロ志望届の提出を予定しており、去就が注目される。

 鹿町工、長崎西、大村工、創成館の8強進出チームもそれぞれの個性があった。鹿町工のエース今村は夏にかけて大きく成長した選手の一人。来春以降、一つ上のステージでの活躍に期待したい。

 昨春の選抜大会優勝メンバーが残る清峰は海星に初戦で敗れたが、終盤の追い上げは見事。やや大味な試合となったが、1回戦屈指の好カードだった。来春閉校する富江、野母崎は、点差が離れても粘り強く球を追った。

 今年の本塁打数は6本と、昨年の13本の半分以下に減少。大会序盤の県営ビッグNスタジアムに強めの向かい風が吹き続けた影響があるかもしれないが、全体的に「投高打低」だった。

 また、例年のことながら、大会終盤は準決勝、決勝が連戦で組まれる。各チームとも、勝負どころではエースに連投させることが多いため、大会終盤に数百球を投げ込むことによる疲労が気掛かりだ。代表校のエースが甲子園まで疲れを引きずることは避けたい。来年以降、さまざまな運営上の事情もあるが、決勝前の休養日を提案したい。主役は高校生。投手の体調管理が最優先である。

2010年7月28日長崎新聞掲載
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