開催決定にも「心中は複雑」 波佐見・得永監督

　東日本大震災を受けて、第８３回選抜高校野球大会の開催可否を判断する臨時運営委員会が１８日、大阪市内で行われ、予定通り２３日から１２日間にわたって兵庫県西宮市の甲子園球場で開催することを全会一致で決めた。ただし、東京電力福島第１原発の状況が深刻化することがあれば、今後中止する可能性もあるとした。

　　本県の波佐見ナインは開催決定を受け、２４日の横浜（神奈川）戦へ向けて気を引き締めた。得永監督は「犠牲者の方々を思うと心中は複雑。開催が決まった以上は野球ができる喜びを感じながら、少しでも夢や希望を与えたい」と語った。

　選手には宿舎で開催を報告。山口主将は「自分たちは何もできないけれど、野球を通して感動を与えるプレーをしたい」とチームの思いを代弁した。

　地元では選手たちの健闘を願う声。下春雄二校長は「（開催は）難しいと思っていたので正直驚いた。開催決定は重い決断。選手は懸命なプレーを見せてほしい」、野球部特別後援会の小鳥居衷会長は「チャンスを与えられた。一戦一戦を大切に戦ってほしい」とエールを送った。
（3月19日長崎新聞掲載記事）