博単者[HAKATANMON]

博多での単身赴任サラリーマンの日常と壱岐高校野球部を応援するブログです。

長崎県大会:総評/海星、悔しさ力に変え長丁場乗り切る 

2011-07-26 19:28:04 | Weblog
9年ぶり16度目の甲子園切符をつかんだ海星ナイン=長崎市、県営ビッグNスタジアム

清峰の粘り見事 盛り上げたノーシード校

 第93回全国高校野球選手権長崎大会は24日、海星の9年ぶり16度目の優勝で幕を閉じた。今大会は各校の実力が伯仲。春の選抜大会に出場した第1シード波佐見、NHK杯を制した鎮西学院などシード校が初戦敗退するなど、序盤から波乱や接戦が相次いだ。参加58校がしのぎを削った大会を振り返る。(運動部・西隆志)

 海星は準決勝まで4試合連続コールド勝ちするなど、走攻守の総合力で他校を頭一つリード。昨夏の決勝で長崎日大に敗れた悔しさを忘れず、1年間努力してきた成果をしっかり披露した。

 原動力はチーム打率4割2分1厘、47得点(1試合平均9・4点)の強力打線。18打数10安打8打点の永江をはじめ、一ノ瀬、射場ら主軸が活躍し、下位も振りが鋭かった。投手陣も安定感抜群の牧瀬、最速149キロの直球を誇る永江の両エースを軸に継投策を確立。長丁場を勝ち抜けるチームに仕上がっていた。

 準優勝の清峰は3年ぶりの頂点へあと一歩届かなかったが、決勝で海星を最後まで苦しめた粘りは見事だった。看板の重量打線は5試合で52安打40得点。八戸、江川将ら主砲が勝負強い打撃で好機を得点に結びつけた。好投した左腕の荒木、好打者の南田は2年生。悔しさをばねに、来季大きく飛躍してほしい。

 西陵、瓊浦などノーシード校の健闘も大会を盛り上げた。西陵は2回戦で波佐見を倒して勢いに乗ると、プロ注目のスラッガー釜元、大型左腕の笹田を中心に、チーム初となる4強入りを果たした。瓊浦も長崎南山、佐世保工のシード校を連破。大会を通してチーム力を上げてきた。

 このほか、佐世保実、長崎日大、創成館などは、今夏も攻守両面でしっかり鍛え上げてきたプレーを見せてくれた。

 印象に残った選手も多かった。全国屈指の右腕の松田(波佐見)をはじめ、永江、牧瀬(海星)、松永(佐世保工)、長岡(壱岐)ら各校のエースが140キロ台を計測。打者も釜元(西陵)、永江、古賀(海星)、八戸、江川将、南田(清峰)、立石(佐世保実)ら、さらに上のステージで戦える選手が目立った。

 近年、複数の投手をそろえたチームが増えてきたが、激しい打撃戦や終盤の相次ぐ逆転劇は、個々の投手力の弱さも露呈した。3回戦までは大差の試合が多く、送球ミスや併殺失敗など守備力の弱さも目についた。

 技術や戦術面の向上も大切だが、年間を通じた体力づくりを土台に、キャッチボールや正しいスイング、走塁など基本の錬磨が必要だ、とあらためて感じた大会でもあった。

(長崎新聞7月26日掲載記事)
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