木質バイオマス「三行」革命

①日々の生活に「ありがたや」と感謝する②木質バイオマス情報を「三行」で斬る③意見と指針を提示し持続可能な社会の構築へ

燃焼

2011-07-02 20:07:21 | 林地残材・間伐・森林整備

 写真は、さらに長野県小諸市の旅館、常盤館の薪ボイラー

 丸太の状態で1年ほど天然乾燥させたものを、そのまま投入するのだそうだ。

 長さ1.8m、直径30㎝でも、ウインチを使ってそのまま1人で投入できるようにしている工夫が素晴らしい。

 (見学時の材は、根元部で1m近いようなものもあったので、重機で割ったものだったが)

 御多忙にもかかわらず、案内していただいた花岡社長いわく、

 「飲み屋の姉ちゃんみたいなもので、丸太は触れるたびにお金がかかる。1回触ったらすぐに数千円(笑)

 いかに触らないでそのまま使うか。それを考えて、できるだけ、買ったままの状態で丸太が投入できるようにしている」とのこと。

 薪ボイラーを投入するのは1日4回、1人が1回15~20分。近くの土場に置いてある材をトラックで持ってくるのに2時間程度だそうだ。すると、

 主な支出 1日3時間程度の人件費(1,200円×3h/日×365日/年)+丸太の購入費(4,000円/m3)×600m3/年=130万円+240万円=370万円

 これに対して、灯油削減によるメリット 平均価格75円/Lとして、 約100,000L の灯油が削減できたとして 750万円 の収入。明らかな黒字。

 確かに、これに加えて「チェーンソーや薪割機で、丸太を細かく薪に割ってから投入する」という手間と費用をかけたら赤字になるだろうなぁ。

 自ら実践して、工夫して改善する。そしてバイオマスを使って採算的にも成り立つようにする。

 またひとつ、成功の秘訣を伺うことができた。ありがたや。

 詳細は、花岡社長作成のパワーポイントをどうぞ。木質バイオマス実践情報HPにも、詳細情報を載せています。

 こういう旅館に宿泊できるようになるくらい、俺もちゃんと稼ぎたいなぁ。

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<本日の木質バイオマス>

新潟のストーブ商戦、早くも熱 冬も節電で需要増見込む
2011年6月8日 朝日新聞HP

 エコブームを受けて、成長時に二酸化炭素を吸収する木材を燃料に使うストーブも人気が出てきたが、節電・停電が話題になり、業者は大きなビジネスチャンスととらえている。 

 木くずを固めた「ペレット」を燃料とするペレットストーブ大手の「さいかい産業」(新潟市西区)の出荷台数は毎年400台ほど。それが今年の目標は、倍以上の1千台。同社の製品は約24万円と安くはないが、節電やエネルギー見直しが普及のきっかけになれば、と期待を寄せる。  さらに、昔ながらの薪ストーブへの注目も集まっているようだ。国内外合わせて約100種を取り扱う「雪国科学」(新潟市江南区)によると、今年は例年から3、4割多い発注が来ているという。

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 暑いさなかになかなか想像しづらい案件だが、この流れは進んでいくだろうなぁ。

 自分の入社時に、エネルギー問題を真剣に語る人など業界以外ではほとんどいなかったが 

 今や、日常会話の中に「日本のエネルギー政策」があちらこちらで語られる時代。


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1 コメント

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人件費の使い方! (常盤館副支配人)
2011-07-20 14:33:45
見学お疲れさまでした!
意外と経費で一番使うのが「人件費」
ですが、10分間の作業を色々な人、フロント、お風呂掃除、外仕事、の方で割り振って行い、「専門の作業者」の時間を軽減しているため、このような人件費でいけております!
今度は、バイオマスの旅館を堪能しにきてくださいね!

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