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岩木山登山道にコマクサ、除去へ

2007-10-03 14:02:32 | 野草 保護活動
岩木山の登山道沿いで、本県には本来自生しないとされる「コマクサ」が二〇〇五年に見つかり、県自然保護課と自然保護団体「岩木山を考える会」が三年間にわたり調査した結果、「人為的に植えられた可能性が高い」ことが分かった。同課は除去する方針を固めたが、「固有の生態系を守るためだが、除去には慎重な調査が必要。専門家の意見を聞き、別の山から持ち込まれたと断定し、関係者の合意形成を経てから除去したい」と話している。

コマクサはケシ科の多年草で、高山帯の砂れき地に生育。夏に長さ二センチほどのピンクの花を咲かせる。つぼみが馬の顔に似ていることから名付けられ、北海道と本州北・中部に分布するが、本県では自生していないとされている。

調査に立ち会った環境省自然公園指導員で岩木山を考える会の三浦章男事務局長によると二〇〇五年、同会がコマクサの生育を県に通報。発見当時は一株だけだったが、年々点在面積を広げ、現在は約二メートル四方に広がり、こぼれた種から周囲に新芽も芽生え始めている状況だという。

調査の結果、(1)過去に岩木山に自生していたという記録がない(2)生育地が登山道に比較的近く、今になって初めて見つかったということは考えにくい-として、人為的に植えられた可能性が高いと判断した。

 県自然保護課の矢田茂課長は「コマクサの岩木山への自生については過去にも記録がない。本来の自然を守る上では、他地域からの持ち込みは自然に反する行為」と指摘、三浦事務局長は「固有の生態系を破壊する可能性がある以上、除去は妥当な判断。しかし花をめでる人の感情も尊重して、合意形成を図れるよう、県と協力してやっていきたい」と話している。


2007年8月23日(木) 東奥日報