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田舎ぐらし(102)

ー 初冬の一 日 ー

 
 
 畑の中の一軒家みたいな住まいに家内と二人暮らし。
朝早く起きた方が朝食の用意をする。昨日は私が早く起きたので食卓に箸を置き、ついでにキャベツの千切りを作っておいた。
 朝食が済むと皿洗い。いつの間にか私の仕事になってしまっている。以前は、 “ コケン ” を考えた。“ 男子たるもの ” というあれである。しかし、考えてみれば家内はずっと専業主婦ではなかった。定年まで会社員をやって働いてくれた。人に話せば皿を洗うくらいは当たり前、もっとやれと言われるかもしれない。

 食事が終わるとしばらく書斎に入り、その後昼食前にいつものように二人で運動に出かけた。家内のとりとめのない話に相づちを打ちながら、田んぼの中の道を40分ばかり歩く。グラウンドまで行き、スクワットやら50メートル走などやって運動は終わり。

 午後は二人して野菜に霜よけのシートをかけ、サトイモの根っこに土を寄せた。そろそろ霜の季節だという。
 畑があるのはいい。土を耕し、畝をつくり、肥料をやって種をまく。次の日から芽が出てやしないかと毎日見に行く。
 化成肥料は嫌いだから畑に掘った穴に野菜くずを放り込んでたい肥を作っている。殺虫剤は使わず防虫ネットを張る。草は手で抜く。やることが山ほどあるので旅行や食事に行く暇がない。行きたいとも思わない。うちは畑を中心にまわっている。
 
 夜、録画しておいたアメリカ映画を楽しむ。昨日は「ウォール街」。日本のテレビ番組はひどく薄っぺらに感じる。総じて低俗で品がない。こちらが赤面するような CM もある。これ皆世相の写しである。


 

 

 


 


 
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