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田舎ぐらし(138)

ー こちらの穴、向こうの穴 ー

 

 菜園には野菜くずを捨てる穴がこちら側と向こう側に都合2カ所ある。
驚いたことにこちらの穴からかぼちゃが、向こうの穴からは瓜が芽を出した。生ごみの中に種が残っていたらしい。

 1カ月後。この暑さの中でかぼちゃは盛んにツルを延ばして元気。瓜の方は実を3つ付けたものの葉も実もだんだんしぼんで今にも枯れそうである。

 「生まれた所が悪かったんだ」「あちらに生まれていたらもっと幸せになれたのに」という瓜の声が聞こえるような気がする。

 前にある人からがこんな話を聞いたことがある。大きなお屋敷に住む友達の誕生会に呼ばれ、終わって、その友だちが門まで送ってくれた。その際、交わした問答だという。

「よっちゃんち、お手伝いさん、何人いるの?」。
「ひとりもいないよ」。
「えっ、どうして生活してるの?」
 
 親は選べない。その家に “ 生まれちゃった ” のである。ただ貧乏な家に生まれたことを嘆く必要はない。若い時の苦労は買ってでもせよ、というが、これは昨日や今日生まれたことばではない。
 貧乏の中にいる子の脳はよく働く。例えば、親の帰りが遅い時はご飯くらい炊いておかなくっちゃという気が回る。金持ちの方は大抵ボーっとしている。

 蝶よ花よと甘やかされて育った子はまずロクな大人にはならない。そういう子が社長になると、例えば、「従業員は猿回しのサルだ」と広言する。これも聞いた話である。
 





 
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