過日、福島県の会津に住む友人のお父上さまが癌でご逝去されたとのこと。
お父さまはご自身が癌であると告げられると 「人は必ず死ぬもの、自然にお任せする」と家族・親類に告げて一切の治療を受けずに平常の生活を続けていたそうです。
亡くなる3日前に自身の腕を指先で押して「皮膚の弾力が無くなって来たな」「そろそろ死ぬなぁ、あと3日くらいかな」と話されて本当にその3日後に従容として永眠されたそうです。
こんな死に方もあるのだなぁと感動しました。
その息子である友人とは頻繁に行き来させていただいています。
その方は 若い頃に奥さまを亡くし、夜な夜な人目を忍んで何日も泣いて暮らした後「ご近所の人たちに男やもめはだらしがなくなる」と後ろ指を指されるのは男子にとって恥ずかしいからと 自宅の植栽や外構、室内の整理整頓などに気を配って男所帯とは思えないほど綺麗になさっています。
弟さんは元気でしたがパーキンソン病に罹患して歩けなくなり元気もなくなって愚痴をこぼしてばかりなのを「男のクセして何をメソメソとしているのか!」「親父も言っていただろう、人間必ず一度は死ぬんだ」と激を飛ばしています。
ご本人は生前遺言書を作成して子供に遺し、日々を几帳面に時間割りを作って計画的に清掃、食事、植栽手入れ、竹刀の素振り、香を焚いて書と読書に興じ毎日を粛々と送っておられます。
人として恥ずかしいことになるなら妻の位牌の前で腹を切って割腹自決するつもりなので毎日が充実していますよ。と屈託のない笑顔で話す会津藩士末裔の友人でした。
《克っちゃん》さま
この方も癌ですが「癌は直ぐに死ぬ病ではないから怖くないんですよ~」とにこやかに話されていました。
いるのですね、こんなニッポン人がまだ