旅 ・ 懐かしいもの探しetc

 旅行はあまり有名ではないところをメインに身勝手な感覚で記述し、武漢ウイルス以降はグチばかり・・・

清貧 土光敏夫 政界の御意見番・元経団連会長の想い出

2024年06月17日 | その他
ふた昔ほど前に土光敏夫さんの奥さまが毎年盆暮れに挨拶に参られて、瓶入りのインスタントコーヒーセットを戴いていました。
 物腰柔らかで静かな奥さまでしたが今にして思えば土光家にしてみれば高価な贈り物だったのでしょう。。。当時はこれほど立派な方とは知らずに忸怩たる思いです。遅ればせ乍ら深く感謝申し上げます。
 ※訳あって2022.1.31の再掲出です

「メザシの土光さん」の逸話について
 起源は、1982年7月にNHKが放送したドキュメンタリー番組「八十五歳の執念 行革の顔・土光敏夫」にあります。

 番組内で、神奈川県鶴見区の私邸で細君と夕食を摂るシーンが描かれたのですが、たまたま映ってしまった光景は衝撃的でした。それほど広くもない、古ぼけた台所の一角に置かれたテーブルに並ぶのは、メザシ、野菜の煮物、ごはん、汁物という質素なメニュー
 何気ない会話をポツポツと交わしながら食事を摂る老夫婦の姿は、まさに庶民そのもの……いや、当時の一般的な家庭でも、なかなか見られないような慎ましさだったわけです。

 同番組中では他にも、早朝に目覚めて読経に勤しむ土光氏、拾ってきた帽子を被って庭の畑を世話する土光氏といった姿が紹介されます。
 ひげ剃り用のブラシを50年間使い続ける
 古い背広や古い靴を何回も補修しながら着用
 家の修繕や庭木の手入れは職人に頼まず、すべて自分の手で行う。早めに夕食を摂った後は書斎で読書……土光氏の質素な暮らしぶりが放つインパクトはあまりにも強烈で、名状しがたい説得力を持っていました。

この番組の収録ウラ話を絡めつつ、土光氏は後日次のように述懐しています。

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🔶行革審の会長時代、NHKテレビから話があって、僕の日常生活をルポしたいという。なんでも「行革に挑む土光敏夫」とかいうテーマで、あなたの私生活を国民に知らせることで、行革にかける意気込みを証明したいとのことだった。
 元来、僕は公私の区別を明確に分ける主義なので、プライベートまで披露するのはいやだったが、それが行革推進のPRになると口説かれればやむをえない。やむなく家庭での撮影までOKした。

 放映後、とりわけ反響を呼んだのは、僕ら夫婦の夕食のシーンである。こちらは毎度のことでなんとも思っていないのだが、その献立があまりに質素だというので、大方の共感を呼んだらしい。
 たまたま、その日の献立は、僕の大好きなメザシと野菜の田舎煮、それに汁物と御飯であった。ところが、それが財界トップとしては質素にすぎるというので、以後、「メザシの土光さん」と呼ばれるようになった。
 別に、こちらは好きな物を食っているのだから騒がれることもないと思うのだが、たしかに今の人たちは、食に対して贅沢になりすぎている

🔶食は本来、必要最小限の物を摂取すればいいと僕は思っている
 最近は三〇代や四〇代で糖尿に苦しむ人が多いそうだが、栄養失調も困るけれど栄養過多はもっといけない。古来、食過ぎて死ぬ者あるも、食適当にして長寿者多しという訓えもある。(『土光敏夫大事典』より)

また、自著『信念の言葉』には、次のような一節が登場します。
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年をとってもビフテキなんか食べている連中の中には、栄養過多のせいか、糖尿病に悩んでいる人が少なくない。 
そういう人をみると、「あんたたち、高いカネをかけて、いったい何をやってんだい」と、つい皮肉をいってしまいたくなる。

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なんとも耳が痛い指摘です。とはいえ、何事も自身の行動で示し、他の者に求めるならまずは自分が率先して実践する、という姿勢を一貫して取り続けた土光氏の言葉だけに、素直にこうべを垂れるしかありません。
    文/漆原直行

土光敏夫さんは1920年に大学を卒業、東京石川島造船所(現IHI)に入社します。芝浦製作所(現東芝)との共同会社に出向し、「土光タービン」とあだ名をつけられる猛烈サラリーマンぶりで有名 

経営難におちいった石川島重工業、東京芝浦電気の社長に就任して再建に成功し、その力量が広く認められます。
 
 経団連会長を務めたのち、81年には第2次臨時行政調査会の会長に就任。国鉄・電電公社・専売公社の3公社民営化を進め、行政改革で指導的な役割を果たしました。 政界の御意見番として総理総裁にもズケズケと苦言を呈しました。

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土光敏夫のことば
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 ❖艱難汝を玉にす
  群がる障害に耐え、隘路を乗り越える過程で、真の人間形成が行われる。
  艱難を自らに課し続ける人間のみが、不断の人間成長を遂げる。

 ❖俺は雇われてきた
  東芝では一番の後輩なので、よろしく頼む。

 ❖使われる立場にいるときには使う立場を察し、使う立場にいるときには、使われる立場を思いやる

 ❖人間には人間らしい仕事をさせよ

 ❖幸せというのは自分で作るもの
  決して他人から与えられるものじゃない。 

 ❖自分は聞いていない。誰かがやってくれるだろう。
  まずこの二つの言葉を追放しよう。

 ❖信頼される人というのは、
  相手の立場になって考える人、約束を守る人、
  言うことと行うことを一致させる人、
  結果をこまめに連絡する人、
  相手のミスを積極的にカバーする人

 ❖分かっていてもやらないのは、分かっていないのと同じ
  やっても成果が出ないのは、やらないのと同じ

 ❖肯定的態度とは
  相手の発言をどこに賛成しようかと考える姿勢を言う
  その底には思いやりがある。
  否定的態度とは
  相手の発言をどこに反対しようかと考える姿勢を言う
  その裏には自己防衛や自己顕示がある。
 相手の提案には心から認めてあげることを惜しんではならない。

 ❖成功の要因は
  会社の中での時間中になく、私生活での時間中にある
  会社で頭を使ったり努力したりするのは、あたりまえで、
 大部分の人がそうしているのだ。
  ところが、家に帰ってからの時間をどう使っているかで、
 だんだん差になってくる。

 ❖道楽
  会社に来て自分の仕事をすることが、極上の道楽だ

 ❖真実を敬語で覆うことをやめること。
  率直さを敬語で失うことをやめること。
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 ❖文書や電話では、相手の真意をつかんだりニュアンスをとらえることができない。
 重要なことなら千里を遠しとせず飛んでこいというのも、目がどれほど光っているかを確かめたいからなのだ。
 

 ❖上から下まで、全従業員と話し合う楽しみがあった。
  この工場めぐりで、はじめて知ったのだが、東京に近い川崎ですら、今まで一度も社長が来たことがない、という工場があったのには驚いた。

 ❖彼らは、私を『オヤジ、オヤジ』と呼んで歓迎してくれ、のちには私の自宅に遊びに来る者もあった。うれしかった。 
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 石川島重工業の社長時代、敏夫氏は一升瓶をぶら下げて、徹夜で組合員と労使交渉した逸話を持つ。“飲みニケーション”が人心掌握術のひとつだった。 
 今では仲間内で心底うち解ける、仲間同士のコミュニケーションが図られる。こんな風潮を嫌がり、人と人の絆を作りにくい同僚関係を好む風潮が蔓延しています。

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息子さんのことば
土光敏夫氏の長男で、現在は、敏夫氏の母親が創立して同氏も力を入れた学校法人橘学苑の理事長を務める陽一郎氏は

親父が生きていれば、今の世に何を思うだろうか。
「世の中が大きく変わったから、今の政治や世相については何も言えない。ただ、世の中が豊かになるに連れ、お金が人を狂わせるようになってしまった。親父は何があっても変わらなかった。極端と言えば極端な人だったけど、私欲のなかった点は認めるわな」
 親父が地獄の底から、これからの日本を見てるからなと言っている気がします。

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最後に
日本一の大金持ち、世界ナンバー11位の資産持ちの
孫マサヨシ氏の言葉は?

 ❖俺はやればできるんだと思った。
  並のレベルで満足しちゃいかんのだと思い込んだ。
  ひょっとして俺は天才かもしれん。 

 ❖今まで自分が悩んできた国籍だとか人種だとか同じように
  悩んでいる人達がいっぱいおる。

 ❖俺は立派な事業家になってみせて孫正義の名前で、
  みんな人間は一緒だと証明してみせる。

やっぱり大物?さんは立派な言葉を吐き、立派な行ないなので感心しました。。。

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6 コメント

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あほうどりさん、こんにちわ (テレビとうさん)
2024-06-18 09:59:10
>>親父が地獄の底から、これからの日本を見てるからなと言っている気がします。<<

孫マサヨシ(正義と書くのは憚られるww)は地獄に落ちろと思ったのですが、地獄も土光さんの力で住みよくなっているかも知れません。悩ましいところですネww
返信する
テレビとうさんさん (ブログ管理者)
2024-06-18 10:45:49
悪貨は良貨を駆逐する
との諺のとおりですね

 何人死のうが儲かればいいというトヨタ、ホンダ。
 儲かる物害になるものしか造らないソニー、データー集めて売却目当てのLINE、金集めと有事の爆弾ヤフー、ソフトバンク等々は儲かって、

「儲かろうが儲かるまいが国民のための製品」「安全だが価格が高い優秀な製品」を造っていた東芝、日立、サンヨー、シャープ、スバルなどは凋落しています

倫理観の無い会社が国民の無知に乗じて大金を稼いで地球を腐らせていますね
返信する
尊い言葉 (maru36)
2024-06-19 22:35:01
何というか
今日教えてもらった言葉
全てが 尊い とても 重要な言葉 です。
これが全て行えれば 素晴らしい。
何とか この中の一つでも 二つでも 実践し、
次の代に つなげていきたいです。
返信する
頭が下がります (続々強子の部屋)
2024-06-20 09:46:11
土光さんは素晴しい方でした。
昔々めざしを召し上がっていらっしゃると聞いて
下々の私たちは,私たちが食べている,めざしと
違う高級なめざしじゃないのと,言っていました。
返信する
maruさん (ブログ管理人)
2024-06-20 21:46:26
私は 土光さんの息子さんが言った

世の中が豊かになるに連れ、お金が人を狂わせるようになってしまった。

というところに大いに賛同しました
返信する
続々強子の部屋さん (ブログ管理人)
2024-06-20 21:51:54
こんばんは

質実剛健
質素を旨とする

なんてのは近年の大金持ちの我利我利亡者には少しもない精神ですね。仏教でいう上品(じょうぼん)さの無い下品(げぼん)な人間の形をした生き物が増えています

強子さまは人が善さそうなので下品な業者などに騙されないようになさってください
返信する

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