心理カウンセラーの眼!

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まちがいだらけのスキンシップ論!

2009-05-07 16:08:43 | まちがいだらけのスキンシップ論!
いつも送っていただいている「続ナチュラル☆ライフ実践メルマガ 」で、

『今日のテーマ:「スキンシップ」- 
-伝統的?科学的?育児の自然をマジメに考える』、というお話をされておられました。

みなさんが大変興味のある、あるいは切実な「育児」を
スキンシップという切り口からお話されています。

その内容には、正しい訴えもあれば、一般によくある誤解の部分もみられました。

そこでカウンセリングの根本の、育児に関することなので

やっぱり一言だけ申し上げておこうかなとペンを取ったしだいです。

それではメルマガの文章の主な部分を、みなさん読んでみてください。

--“おんぶや抱っこは子供を甘やかすこと。それは自立心にあふれた人格形成のさまたげとなる。
「野蛮な行為を慎むように!」、そういわれた時代があったのです。

それは一体どうしてなのでしょうか?
何を根拠にそんなことがいわれたのでしょうか?

おんぶに抱っこ。スキンシップは、情感を形成する“カギである”といわれます。

一方、“抱きグセがつくから”といって、いき過ぎを戒める声もあります。

親子の密着したスキンシップ、“ベタベタ育児”を主流としてきた私たち。
でも、欧米流の“触れない育児”が奨励された時代があったのです。
それについて見ていきましょう。

鎖国から開国へ。
明治時代の日本におけるスローガンとは、ずばり!“欧米列強に負けるな!”です。
強力な国家をつくる必要に迫られた政府は、
自立した国民の育成を課題にしたわけなのです。

だから幼児教育に力を入れなければならない。
そこで採用されたのが欧米の「科学的育児法」だったのです。それこそが
正しい育児で、抱っこや添い寝は野蛮であると一刀両断されたわけです。

当時の文献はけっこう過激です。
ドイツの医師クレンケは添い寝の習慣を「いやしくも開花の民たる者は為さざるわざ」としています。
また医師・柴田敬斎は「おんぶは猿にも似た野蛮の陋習」とまでいっているのです。

愛情などは非合理的なしろもの。経済成長に何ひとつ貢献しない野蛮で無意味なもの。

こうして「触れない育児法」はアメリカの心理学者ワトソンによって推奨されたわけです。
そこではだっこやキスが禁じられ、幼児との握手を正しいとしたのです。
育児における愛情面をなるべく排除して、科学的にプログラム化していく。
まさに時代の為せるワザ、育児においても「合理化・効率化」が叫ばれたというわけす。

心理学者プレスコットによると「科学的育児法」によって育った子供たちは、
不安や抑うつ傾向を示し、人間関係のトラブルなどを引きこす傾向が顕著であったといわれます。
(以上、『子供の脳は肌にある』山口 創 著 光文社新書 要約)

人は本来的に、他人に対し、恐怖や不安を感じるようにできているといいます。
いわば他者や外界は敵、それが人としての自然であるというわけです。

でも幼少期のスキンシップを通して、恐怖を克服していくと考えられているのです。
肌同士の触れあいは、人間としての情感を養うのに欠かせないことがら。
子供はスキンシップを通じて、他者との協調性やコミュニケーションを習得するものなのです。
(以上、『皮膚感覚の不思議』 山口 創 著 講談社ブルーバックス新書 要約)

引きこもりの原因は幼少期の「スキンシップ不足」にある、そう指摘する声も
少なくありません。人がいったい何であるか、そのことを垣間見るようにも思えてきます。

それにつけ思うことは、以下のことがらです。

独裁政権で悪名高いポーランドのチャウシェスクは、“産めよ・育てよ”の政策を実行した。
結果、町に孤児が溢れたため、孤児収容所が作られた。

そこでは栄養も運動も科学的に管理されていました。
生命に関わるような問題は一切起らないはずであるにも関わらず、子供が次々と死んでいったそうなのです。

人は栄養だけで生きるものではない、このことを物語っているようです。
どんなに栄養や運動が十分であっても、愛情が極端に不足すれば、人は生きられない。
だから子供にはたっぷりの愛情を注ぎ込む必要がある。それを指し示しているというわけです。

だからといってモノにはやはりホドがある。
大きくなっても母親が子離れしないで溺愛しているようでは、
異性への関心が低くなってしまう傾向も指摘されます。
またスキンシップの対象が母親ばかりだと、さまざまな問題が生じるといわれます。

「触覚」はとても大切なもの。
足りなすぎても、多すぎてもダメ、少な過ぎるのも、触れ過ぎるのもダメ。
万事は偏ってはならずバランスが大切。このようなことがいえそうです。”--

以上の様な、みなさんにもわかりやすいお話でしたが、
ちょっと長くなりましたので、わたしの解説・注釈は回をあらためて掲載いたします。
(次回につづきます!)


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