それではさっそく、前回紹介したメルマガ-
『「スキンシップ」-伝統的？科学的？育児の自然をマジメに考える』のお話に沿って、
正しいカウンセリング理論から深イイ解説をはじめましょう。
紹介したメルマガではサブテーマを「伝統的？科学的？育児法」としていて
日本の育児の問題と潮流をよくあらわしているようにみえます。
いわゆる西欧近代思考と日本の伝統的思考との間で
日本の育児が混迷しつづけたということでした。
なぜ、育児の不幸がつづいたのかといえば
胎児や新生児・乳児についての認識が多くの誤りを含んでいたこともあるでしょう。
（最新の成果として=「胎児の世界」三木成夫、「赤ん坊から見た世界」無藤隆・参照）
医科学的であろうとするほど、赤ちゃんの安心の源である触覚の認知から遠ざかり、
日本人の場合、経験的密着であろうとするほど、母子が社会的な存在から孤立していく。・・
たとえば米国心理学者ワトソンの「触れない育児法」は
幼児の抱っこやキスを禁じ、握手することを奨励したという。
これは欧米流の人間関係の基本をなすもので、ある意味では当然の考え方といえます。
- “人は誰しも、母胎から生まれ落ちたときの恐怖をトラウマにしている。” -
そうであれば泣いてもなんでも、一刻も早く自立するしかないではないか！というのが
彼ら欧米人の考え方であり、その厳しさゆえにキリスト教が根強く介在する理由でもあるでしょう。
一方日本では、
生れ落ちた根源的な恐怖を、母親が「おんぶに抱っこ」の触覚の安心による方法で包みこみます。
この“絶対的な母親”が、子どもの抱える生まれついての神経症を癒しつづけます。
これはこれで新生児や乳児にとってとても精神の安心を得ることにちがいないのですが。・・
メルマガの最後に、
「触覚はとても大切なもの。足りなさすぎても、多すぎてもダメ・・バランスが大切」と書かれていますが、
文字どおりスキンシップの理論が曖昧なために、
「抱きグセ」がどうとかといった、
恣意的な経験主義で、安っぽいノウハウ的な話に転落する懸念があります。
（ついでに言っときますと、乳児期では抱きグセなど心配無用です。）
話を戻しますが、わたしは心理学の統計などは信用しないほうなので、
欧米式の育児が、著しく抑うつ傾向におちいったという話を鵜呑みにしようとはおもいません。
成人した欧米人個々に特段の心の病理があるとはおもわれません。
（むろん、時代的な病理的傾向は欧米、日本、双方にみられますが、
この点については稿をあらためてお話しすることにしましょう。・・）
誤解を恐れずにいえば、つまりはスキンシップの有無にかかわらず、
今までのところ、双方の大抵の子どもは息苦しい情況の中でも精一杯葛藤して社会性を学習し、
社会と折れ合いをつけて、曲がりなりにも社会人になっているという大きな視野でとらえるべきでしょう。
メルマガの筆者のように、
引きこもりの原因をスキンシップの欠如に求めるのは短絡に過ぎます。
むしろ日本的にいつまでも母子密着・父子密着にあることが大きな原因といえます。
少し前のブログでもお話したように、
引きこもりの子どもは社会の「了解と関係」の不全を抱えています。
メルマガの筆者に限らず、一般に育児ということについて安直なノウハウに傾きすぎて、
“言葉の重要さ”（人間関係の根幹を成す）が理解されていないために、
結果的に目先のスキンシップだけが不毛に議論されるにとどまっています。
そもそも日本人にとって理解しがたい、欧米式の触れ合わない育児がなぜ成り立つのかといえば、
欧米では日本語と較べてはるかに語彙ゆたかな社会的な言葉が正しく育児にも貫徹されているためです。
それに対して日本では、おんぶに抱っこの絶対母親はいるけれど、
正しい言葉掛けと正しい距離感が一般的に大きく欠落したままきているという
日本人固有の問題があるわけです。
つまり、子どもが対人関係を最初に学ぶべき親がすでに関係不全・対人緊張であるという
負の連鎖が大きくのしかかっているのです。
そうです、あなたと同じように、
たくさんの母親が、父親が、思春期の子どもが、自覚している対人不安・緊張こそが
欧米人にはない特異な、日本語に由来する症状であることに誰も驚きを隠せないことでしょう。
（次回につづきます。）
・・・・・・・・・・・・・・
あなたの推薦クリックを毎回よろしく願います！
へ！
『「スキンシップ」-伝統的？科学的？育児の自然をマジメに考える』のお話に沿って、
正しいカウンセリング理論から深イイ解説をはじめましょう。
紹介したメルマガではサブテーマを「伝統的？科学的？育児法」としていて
日本の育児の問題と潮流をよくあらわしているようにみえます。
いわゆる西欧近代思考と日本の伝統的思考との間で
日本の育児が混迷しつづけたということでした。
なぜ、育児の不幸がつづいたのかといえば
胎児や新生児・乳児についての認識が多くの誤りを含んでいたこともあるでしょう。
（最新の成果として=「胎児の世界」三木成夫、「赤ん坊から見た世界」無藤隆・参照）
医科学的であろうとするほど、赤ちゃんの安心の源である触覚の認知から遠ざかり、
日本人の場合、経験的密着であろうとするほど、母子が社会的な存在から孤立していく。・・
たとえば米国心理学者ワトソンの「触れない育児法」は
幼児の抱っこやキスを禁じ、握手することを奨励したという。
これは欧米流の人間関係の基本をなすもので、ある意味では当然の考え方といえます。
- “人は誰しも、母胎から生まれ落ちたときの恐怖をトラウマにしている。” -
そうであれば泣いてもなんでも、一刻も早く自立するしかないではないか！というのが
彼ら欧米人の考え方であり、その厳しさゆえにキリスト教が根強く介在する理由でもあるでしょう。
一方日本では、
生れ落ちた根源的な恐怖を、母親が「おんぶに抱っこ」の触覚の安心による方法で包みこみます。
この“絶対的な母親”が、子どもの抱える生まれついての神経症を癒しつづけます。
これはこれで新生児や乳児にとってとても精神の安心を得ることにちがいないのですが。・・
メルマガの最後に、
「触覚はとても大切なもの。足りなさすぎても、多すぎてもダメ・・バランスが大切」と書かれていますが、
文字どおりスキンシップの理論が曖昧なために、
「抱きグセ」がどうとかといった、
恣意的な経験主義で、安っぽいノウハウ的な話に転落する懸念があります。
（ついでに言っときますと、乳児期では抱きグセなど心配無用です。）
話を戻しますが、わたしは心理学の統計などは信用しないほうなので、
欧米式の育児が、著しく抑うつ傾向におちいったという話を鵜呑みにしようとはおもいません。
成人した欧米人個々に特段の心の病理があるとはおもわれません。
（むろん、時代的な病理的傾向は欧米、日本、双方にみられますが、
この点については稿をあらためてお話しすることにしましょう。・・）
誤解を恐れずにいえば、つまりはスキンシップの有無にかかわらず、
今までのところ、双方の大抵の子どもは息苦しい情況の中でも精一杯葛藤して社会性を学習し、
社会と折れ合いをつけて、曲がりなりにも社会人になっているという大きな視野でとらえるべきでしょう。
メルマガの筆者のように、
引きこもりの原因をスキンシップの欠如に求めるのは短絡に過ぎます。
むしろ日本的にいつまでも母子密着・父子密着にあることが大きな原因といえます。
少し前のブログでもお話したように、
引きこもりの子どもは社会の「了解と関係」の不全を抱えています。
メルマガの筆者に限らず、一般に育児ということについて安直なノウハウに傾きすぎて、
“言葉の重要さ”（人間関係の根幹を成す）が理解されていないために、
結果的に目先のスキンシップだけが不毛に議論されるにとどまっています。
そもそも日本人にとって理解しがたい、欧米式の触れ合わない育児がなぜ成り立つのかといえば、
欧米では日本語と較べてはるかに語彙ゆたかな社会的な言葉が正しく育児にも貫徹されているためです。
それに対して日本では、おんぶに抱っこの絶対母親はいるけれど、
正しい言葉掛けと正しい距離感が一般的に大きく欠落したままきているという
日本人固有の問題があるわけです。
つまり、子どもが対人関係を最初に学ぶべき親がすでに関係不全・対人緊張であるという
負の連鎖が大きくのしかかっているのです。
そうです、あなたと同じように、
たくさんの母親が、父親が、思春期の子どもが、自覚している対人不安・緊張こそが
欧米人にはない特異な、日本語に由来する症状であることに誰も驚きを隠せないことでしょう。
（次回につづきます。）
・・・・・・・・・・・・・・
あなたの推薦クリックを毎回よろしく願います！
へ！
トータル
