誰も考えることは同じだった

雪が降っている

朝目覚めたら　夕べから降っていたらしい
チャンスだ　出かけなくては

妻が出勤して　茶碗を洗い
傘をさして　上野へ出かけた

動物園の隣に　上野東照宮がある
景色が墨色　

カメラを抱えた　じじいや親父でいっぱいだった
もちろん　３０代の人もちらほらはいる

雪が降る　寒牡丹　こんなチャンスを狙わない人はいない
傘　ぶつかり合いながら　カメラにタオルかけている人
場所とりで　言い合いしてる人もいる
三脚使っている人も　禁止されているマナー違反だ
が　ほとんどの人はきちんと順番待ちをしている　静かに熱くが大人だと思うが










蝋梅が小さな花を咲かせている
１時間以上たつ　指先に感覚がなくなってくる
手首で　シャッターを押す
きれいな花を見てると　寒さなどどうでもよくなる

でも　茶店で熱いコーヒーを頼んだ
かじかんでクリームを落としそうになるが
紙コップから伝わる温もりに　あったまる





がんばれよ

水仙が　一株
凍りつきそうな空気　早く咲きすぎたか
春は近い　一雪ごとに春になってゆく



８０枚ほど写真を撮って　久しぶりにすっきりした
目的は達した　ぶらぶらと駅へ向かう
タバコが吸いたくなった

東京文化会館の外にある喫煙場所で一服していたら
餌をついばんでいるのだろうか　いつの間にか　足元に雀が
こちらを　ちらちら見ながら　ちょんちょんと歩き回っている

近づいて来たので
静かにしゃがみ　フォーカスを合わせようとするが　暗いし　動きが早い
じじいには無理だ
ま　記念写真　またいつか上野にきたら会えるかな
この直後　飛んで来たもう１羽と降る雪の中へ飛び立った

丁度お昼　公園口の駅の二階のぶんか亭で　かき揚げ天丼を食べながら
降る雪を見ていた

見知らぬ人々が行き交う都会
一人　雑踏の中を歩くのは　とても心安らぐ
しばらく餌をやっていない　写真虫と散歩虫　満腹したようだ

上野は始発　座って　ウィトゲンシュタインを読む
本の虫にも　餌をあげなくては　１３時帰宅　

写真の整理と徳永英明のＣＤ５枚　ＰＣに取り込む

今日もいい休日だ