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AB19450916VIRGO
 

それでさ 続きを

2010-01-22 21:53:05 | きみと遠い目の語り事


裸の無防備な猫だったよ
自分を守る術は無かった
怯えてるだけのね

小学4年
禅宗の和尚に地獄図絵を見せられた

怖かったさ
想像力が人一倍ある方だろう 俺 ?
夜 眠れなくてね
怖くて 睡眠不足になったよ

家は 親父がギリシャ聖教だった
でも ローマンカトリックの教会を
仲間と 作り上げた
若い人が何時も家にいっぱいいた

その中のお兄ちゃん
四角っぽい顔の優しいお兄ちゃんだった

その人が突然訪れなくなってしまった
親父やお袋や 人々の会話を知らぬふりして聞いた

結婚を親に反対されたそうだ
二人で旅行へ出て
噴火口に飛び込んで心中したそうだ

意味などわかるわけもない
ただ 衝撃だった事は覚えている

死とは 素早く
忽然とこの世から姿を消す事
そして 時が過ぎれば忘れられ
いずれ 無に帰す

死は救いでもある
死はジョーカー
禁じ手であり
一度しか使えない

子供心に思った
怖くてたまらない地獄へ行ってみたい
訳の分からない現実より
責めさいなまれる永遠に変わらぬその状況に
安定を感じた

そう 死は最高の癒しなのだ
すべてが無に帰す
すべてにおさらば出来るのだ

しかし 死のカードは人生で一回しか使えない
二度も三度も使えない
安易に使うべきではない

小学4年
目覚めと同時に死を望んだ年だった
リアルは怖く
リアルは複雑で
現れたリアルは到底受け入れ難かった

だが
選択は
生きる

自分がこの世にいるのは絶対意味がある
必要だから今いる
そう 無理やり信じ込んだ

裸のままでは生き残れない
願った
傷つかないことを

心は不思議だ
願えばかなう

そう プロテクターだ
透明で堅固な知能を携えた
サイバードッグのような
鎧だ

タフで 従順で 思いやりがある
心のプロテクターが育っていった

ひ弱な自分を守る自分
自分で自分をガードする
それが第一歩だった

それが 世間様に向かう表の顔
ひ弱な自分がタフな犬になった

今は彼らは自分の中に溶けている
遠い目となった今
彼らを労りたいと思うからだ
彼らは本当の自分になった

君のおかげだ
ありがとう

自分の人生に感謝して死にたい


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