建築・都市空間の考働美学

建築・都市環境とその周辺をめぐり日頃、考えながら働き実践し湧き上る考働の美学を試みたいと思います。

都市は人々の間から生まれ、人によって滅ぶ、しかし・・・

2007年01月30日 | Weblog
財政破綻の夕張。

北海道内はもとより全国から暖かい応援が寄せられている。

斜陽産業の地方都市崩壊の典型的な都市、夕張。
かつて、10万人以上いたこの都市も少子高齢化し
十分の一に人口が激減してしまった。
これは、
日本の過疎地方の未来に関して、
極端かもしれないが、とても分かりやすく
象徴的な事例かもしれない。

そういった意味から、夕張を状況を改善し再生することが
日本の将来の憂いを払拭するイメージリーダーに場合によりなりうる。

夕張の破綻から私が常々語っていることが今、
この都市で分かりやすく起こっている。

それは広い意味で、
交流文化の力と、地域で育まれた有意な人財の輩出&国内外活躍による再生の糸口。

ゆうばりファンタスティク国際映画祭だったか、この映画を通じての国内外の交流は
目に見えない大切な財産インフラだ。

それは何故か。
都市は人々の間から生まれ、人によって滅ぶ。しかしその地域に多くの人の寄せる想いがその地域にあれば、いつしか都市は再生するということを想起出来る。

私たち建築家は建築行為を通じて国内外の多くの人のその地域への多様な寄せる熱い想いを如何に醸成できるかが都市経営を通じての都市計画&設計では大切だと思う。

そのともし火を絶やさない限り、都市は再生し、サスティナブルシティとして持続可能な都市を目指すことが出来る。

決して産業誘致雇用だけではない。決して金儲けためだけでもない。そして決して地域整備だけでもない。もちろん利便性だけでもない。景観だけでもない。
いかに魅力のある地域の人が住んでいるか、いたか否かで都市の地域力は
大きな差が出る可能性が大きい。

国内外の人に如何にこの地域をその人の心のふるさとと思っていただけるか、
如何に精神風土としてその人にとってはなくてはならない存在であるかが
都市の成り立ちを考える上で、かなり重要な基盤インフラとなる。


都市は人間によって滅ぶ。しかしそこに想いがあればまた強ければ、必ずやまた違ったチャンネルで都市再興の展望は開けていく

国際芸術文化都市を目指すことは重要であるが、
この部分を基盤として忘れてはならない。

最近、専門家で語られる創造都市は
このような多様で懐の深い精神文化で人々を引連れてやまない
都市精神基盤を大切にする事を視座に入れるべきかと思う。



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