建築・都市空間の考働美学

建築・都市環境とその周辺をめぐり日頃、考えながら働き実践し湧き上る考働の美学を試みたいと思います。

コルビジェの安楽椅子

2005年06月05日 | Weblog
20世紀建築家巨匠のコルビジェの安楽椅子がきた。建築家なら当然知っている「あの椅子」。
この椅子は確かに現代美術家としての顔を持つコルビジェの造形デザインが入り込んでいるが、
その当時、彼のアトリエにいた女性家具デザイナーであり後に来日し、家具デザイン等多くの影響を日本にも残した、シャルロット・ペリアンの実施デザインの影響も大きいと私は思っている。コルビジェも嫉妬した住宅を設計した女性建築家アイリーン・グレイと共に上質な20世紀のデザインができたデザイナーだ。いずれにせよこの椅子は共作といっていいだろう。コルビジェの20世紀の傑作住宅「サボワ邸」で浴室のリクライニングにこの安楽椅子の曲線ラインの類似がみられるのであの浴室も一見このような感触かなと思うが、この椅子にリクライニングすると薄手のレザークッションとスプリング付きベルトのサポートがモダンラグジュアリなフィット感を支える。これがこの椅子の感触の特徴。リクライニングは無段階でシンプルで壊れない風情。体を支える曲線とその曲線を支える弧の造形バランスは椅子脚から離れた次元のシルバークロームメッキフレームに仕上げれていて浮遊感AIR感が今でもモダン。体験してわかることはこの椅子の寸法から140~150cm台の小ぶりな人が座ると優雅にみえる。子供や小ぶりな女性は絵になるかも。それ以上の180cmの人でもこの椅子に座ると心身が落付き、やがて眠りたくなります。シャルロット・ペリアンは小ぶりな女性でしたかね。ふと、バルセロナチェアで有名なもう一人の20世紀建築家巨匠ミース・ファンデルローエのあの椅子を思い出した。あれは自分の彼女のために作成した椅子だったと記憶している。この安楽椅子もシャルロット・ペリアンの安楽椅子としてデザインされたのかなと調べればわかる話だがそう思った。この椅子、ビジネスクラスやファーストクラスのリクライニング状態のソファ状態になっているのだが、飛行機の浮遊感を機内雰囲気として椅子にも込めるなら、この椅子のような浮遊感があってもいいなと実物を身近にみて思った。
コメント
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