建築・都市空間の考働美学

建築・都市環境とその周辺をめぐり日頃、考えながら働き実践し湧き上る考働の美学を試みたいと思います。

都市の欲望ランダム景観

2006年02月26日 | 都市計画
日本の都市景観は欲望ランダムな形態、色彩、素材にそれぞれの敷地の建築物が自己主張している。都市の遠景、中景、近景すべてにおいて、都市計画で明確に秩序がコントロールされているとはお世辞にもいいがたい部分が多い。
都市景観は遠景においてどの遠景からの眺めをポイントにするか。また遠景において、その都市域をどのように自然と調和、対比させるか。すなわち背景となる空のスカイライン、山々、海、川、湖等と人工物の建築をどのようにマッチングさせるか。超高層がたち始めて、都市計画上でいきなり高さ制限するとかする場合、このようなバランスを考えずに、単に市民の高層ビルマンションに対する意識の高まり対策だけで景観政策なしに、その都市の高さを中途半端に決めていたなら、超高層が都市のスカイラインをまとまりのない遠景景観にしがちで、歯抜けたようななんともつかみどころがない都市遠景となってしまう可能性がある。

都心の中景は縦ラインの窓サッシュがあるすぐ隣に横ラインを強調したビルが外壁景観のリズム等の連携配慮が感じられないまま隣に平気で建つ。
色も素材も然り。あたかも野中の一軒家のようなその単体だけの設計図面が横行している
ので、隣の建物のコンテクストなど図面上でも配慮が見えないことになっているのが多い。パースでも両隣の建物は箱に還元され抽象化して欠かれているに過ぎないものが多い。つまり、その敷地での自己主張がなされればそれで問題ないという判断になってしまう。
その単体が一つ自己主張できていれば良いという風情だ。

近景では低層部の歩行、車道走行の視覚的景観状況がどのような、空間の豊かな意味合いのシークエンスを確保できるのかという問いなのだが、なかなか。

では、すでに成り立ってしまったランダムな都市景観をどのように統一性をもたせればよいのだろうか。

一つは樹木並木等緑化があるだろう。七難隠す系統の修景手法。
他には通りの建築景観特徴に結びつく特徴的な建築エレメントをその通り沿いに必ず各建築物に織込む方法。看板、景観サインでもよいかもしれない。多少、書割的印象が否めない場合もある。

その場合には建築家は特殊解を好む世界の人だ。その土地の独自性、ゲニウス・ロキ等の背景を含めて、ユニークなソリューションを試みるものもいる。

しかし、外部要因からか、考えない設計者も実際、かなりいる。




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