雨の日の通勤は憂鬱だ。
平日、特に月曜日は、満員のバスに乗らなければならないので。
今日は、人混みを嫌って少し早めに家を出た。
バスの中は、それでも座席に空きはなかったが、通路まで一杯ではなかった。
入り口付近に立って、ふと前方を見ると、小学校の制服を着た小さな女の子が、最前列の席に座っていた。
彼女は、ふいに窓に落書きを始めた。
そう言えば、小さい頃、曇った窓ガラスに落書きをしたっけ。
終点に近づくにつれ、多くの人が降車していくので、目的地のバス停まで残りわずかではあるが、席が空いてきた。
通路を少しずつ前に移動していた私は、たまたまあの小さな女の子が座っていた席に座ることができた。
数分前のことではあるが、彼女が落書きをしていたことはもう忘れかけていた。
席に腰掛けてから、ふと窓を見ると、まだ窓の曇りは残っていた。
そして、彼女が書いた落書きもまだそこに残っていた。
綴りの間違いもかえって可愛らしいが、人目もはばからず、ラブレターを書くなんて、そんなにその子のことが好きなんだね。
土曜日のバレンタインはチョコ渡せたのかな。
来月にはよい返事があるといいね。
憂鬱なはずの朝のバスで、微笑まずにはいられなかった。
平日、特に月曜日は、満員のバスに乗らなければならないので。
今日は、人混みを嫌って少し早めに家を出た。
バスの中は、それでも座席に空きはなかったが、通路まで一杯ではなかった。
入り口付近に立って、ふと前方を見ると、小学校の制服を着た小さな女の子が、最前列の席に座っていた。
彼女は、ふいに窓に落書きを始めた。
そう言えば、小さい頃、曇った窓ガラスに落書きをしたっけ。
終点に近づくにつれ、多くの人が降車していくので、目的地のバス停まで残りわずかではあるが、席が空いてきた。
通路を少しずつ前に移動していた私は、たまたまあの小さな女の子が座っていた席に座ることができた。
数分前のことではあるが、彼女が落書きをしていたことはもう忘れかけていた。
席に腰掛けてから、ふと窓を見ると、まだ窓の曇りは残っていた。
そして、彼女が書いた落書きもまだそこに残っていた。
綴りの間違いもかえって可愛らしいが、人目もはばからず、ラブレターを書くなんて、そんなにその子のことが好きなんだね。
土曜日のバレンタインはチョコ渡せたのかな。
来月にはよい返事があるといいね。
憂鬱なはずの朝のバスで、微笑まずにはいられなかった。