矢田津世子の随筆にも『森山は禿山だった』と書かれているように、60年程前まで森山には今のような杉林、雑木林はありませんでした。
斜面の西側は、浦横町、岡本、野田、下樋口、川崎などの集落の入会地になっており、上下に直線に引いた境界線で分かれておりました。
山は山菜、飼料用の草、燃料の薪などの生活の糧を得る場所としていつも人が出入りし、草刈りや木の伐採が行われてきました。
だから離れてみる森山は禿山に見えたのです。
当時の写真を見ると急峻な1高地、2高地を背景に、なだらかな丸みを帯びた3高地が横たわっているのが分かります。
そうした山容から、3高地は、乳母の懐のように温かく安全な場所を指す『うばふとこ』と称されておりました。(乳母のへっちょという場所もあります)
ところが農村の暮らしが変わるにつれ、山は放置され、または植林したままになって、全山が雑木と杉林に覆われると、3高地は木に埋もれて見えなくなりました。3高地という名前は記憶にあるものの、それがどの地点なのか、ルートはどこにあるのか誰もわからなくなってしまったのです。
そこで3も隊が3高地再生に取り組んだのが、3年ほど前でした。
地図上で確認した3高地には、少しばかりの藪を切り開いてから、よく手入れされた杉林の下を300mほど登るとたどり着くことができます。3高地からは、左に60年手つかずの自然林、右に40数年生の杉林を比べながら、真夏でも涼しい風が吹き抜ける稜線を辿ると2高地に到着するという、非常に魅力的で気持ちのよいコースでした。
3高地周辺の自然林は太いツルが縦横に絡み合って、どっかからターザンの声でも聞こえてきそうな、おじさんたちにとっては懐かしいわくわくする場所です。
このわくわく感を今の子供たちが感じてくれるかどうかが、今回の登山の大きなテーマでした。
それでは登山の様子をご報告します。
↑ 50数年前の森山1高地、2高地、3高地 と移転前の五城目高校
↓ 今の森山 現五城目高校から 黄色いマークが3高地 木に埋もれてわかりません
↑ 60何年か前の森山 雀館公園で観桜会の時撮ったか
↓ 今の森山 同じ場所から 山の形からここで間違いない
名前は伝わているものの、ほとんど足を踏み入れる人のいなかった3高地。
3年前にルートを開拓し、先月、もっと登りやすくするためのう回路を新設しました。
今回の定期登山はお披露目を兼ねて岡本コースで行います。
テーマは、自然林を子供たちが楽しんでくれるか
ほらあの上まで登るんだぞ がんばろうね
まずは最も大事な『ウルシ』の木の見分け方 赤い木には触らないように
先月はトウホクサンショウウオ 今回は黒サンショウウオちゃんにご挨拶
ついておいで坊主 最後まで自分の足で登るんだぞ
おーい 何してんの 早くおいでよー
ちょっと待って 大人を置いて行かないで
ほら こんな虫見つけたんだよ・・子供の目線は地面すれすれにあるので何でも見つけ出します
ここが3高地からの眺めだよ
クロモジの枝の香りをかぎながらクロモジ茶を味わう これが定番です
おじさんたちに見守られながら木登りに挑戦です
おうなかなかやるねー
天まで届け!
子供はすいすい 大人は苦戦( ;∀;)
えっへん どうだい (よけいなサポートはお邪魔でしたね)
自然林のトンネルを抜けると そこは頂上です
ラストスパート ぐいぐい行くぜ
まだ11時なのに、もうおなかがすいちゃった
ここで一服 いえイタドリで作った笛に挑戦しているのです みんな素敵な音色でしたよ
3高地より少し遠い景色です
絶滅危惧種のチョウジソウ 青が素敵です
カラマツソウ
今がお料理にちょうどいいサンショウ
大人たちがあんまり遅いので、クマの檻を見学しながら待っています
富津内方面から見た1高地。2高地、3高地 階段状になっています
今日の冒険コース、小学生たちは元気いっぱいに楽しんでくれました
森山はちびっ子たちにとっても魅力的な山だと証明できたようなものです。
7月6日(日)9の定期登山は、9時五城目城集合。最も楽なコースです。
木の実を食べたり、花や虫を探したりしてのんびり歩きましょう。
年長さんくらいだと全然OKです。ご家族お友達でおいでください。