1.望 廬 山 瀑 布 [盛唐] 李白 廬山の瀑布を望む 廬山の滝を遠望して
①日 照 香 炉 生 紫 紫 烟 ①日は香炉を照らして 紫烟 生ず ①日光が香炉峰を照らして、紫色のもやが立ちこめている。
②遥 看 瀑 布 挂 長 川 ②遥かに看る 瀑布の長川を挂くるを ②(峰のあたりを)遥かに眺めやると、ちょうど滝が長い川を立て掛けた(ように流れ落ちている)のが見える。
③飛 流 直 下 三 千 尺 ③飛流 直下 三千 尺 ③勢いよく飛び下る流れは、まっすぐに三千尺もあり、
④疑 是 銀 河 落 九 天 ④疑ふらくは是れ 銀河の九天より落つるかち ④まるで天の川が大空から流れ落ちてきたのではないかと思われるほどだ。
(李太白集・七言絶句)
2.江 南 春 [晩唐] 杜牧 江南の春 江南の春景色
①千 里 鶯 啼 緑 映 紅 ①千里 鶯啼いて 緑 紅 に映ず ①見はるかす春景色、この江南の地の至るところで鶯が啼き、木々の緑と花の紅とが照り映える。
②水 村 山 郭 酒 旗 風 ②水村 山郭 酒旗の風 ②水辺の村、山際のまちには、酒屋の青いのぼりがはためいている。
③南 朝 四 百 八 十 寺 ③南朝 四百八十寺 ③南朝時代には、四百八十もあったといわれる寺々の、
④多 少 楼 台 烟 雨 中 ④多少の楼台 烟雨の中 ④その高々とそびえる多くの建物が、ぼんやりとけむる雨の中に遠く望まれる。
[三体詩・七言絶句]
3.春 夜 [北宋] 蘇軾 春 夜 春の夜
①春 宵 一 刻 直 千 金 ①春宵 一刻 直 千金 ①春の宵のひとときは、千金の価値がある。
②花 有 清 香 月 有 陰 ②花に清香有り 月に陰あり ②花はすがすがしい香りにつつまれ、月はおぼろにかげって光もやわらか。
③歌 管 楼 台 声 細 細 ③歌管 楼台 声 細細 ③にぎやかな歌や管弦の音が響いていた高殿も、すっかり騒ぎがしずまって、
④鞦 韆 院 落 夜 沈 沈 ④鞦韆 院落 夜 沈沈 ④ぶらんこのある中庭に、夜が静かにふけてゆく。
[蘇東坡集続集・七言絶句) おわり
①日 照 香 炉 生 紫 紫 烟 ①日は香炉を照らして 紫烟 生ず ①日光が香炉峰を照らして、紫色のもやが立ちこめている。
②遥 看 瀑 布 挂 長 川 ②遥かに看る 瀑布の長川を挂くるを ②(峰のあたりを)遥かに眺めやると、ちょうど滝が長い川を立て掛けた(ように流れ落ちている)のが見える。
③飛 流 直 下 三 千 尺 ③飛流 直下 三千 尺 ③勢いよく飛び下る流れは、まっすぐに三千尺もあり、
④疑 是 銀 河 落 九 天 ④疑ふらくは是れ 銀河の九天より落つるかち ④まるで天の川が大空から流れ落ちてきたのではないかと思われるほどだ。
(李太白集・七言絶句)
2.江 南 春 [晩唐] 杜牧 江南の春 江南の春景色
①千 里 鶯 啼 緑 映 紅 ①千里 鶯啼いて 緑 紅 に映ず ①見はるかす春景色、この江南の地の至るところで鶯が啼き、木々の緑と花の紅とが照り映える。
②水 村 山 郭 酒 旗 風 ②水村 山郭 酒旗の風 ②水辺の村、山際のまちには、酒屋の青いのぼりがはためいている。
③南 朝 四 百 八 十 寺 ③南朝 四百八十寺 ③南朝時代には、四百八十もあったといわれる寺々の、
④多 少 楼 台 烟 雨 中 ④多少の楼台 烟雨の中 ④その高々とそびえる多くの建物が、ぼんやりとけむる雨の中に遠く望まれる。
[三体詩・七言絶句]
3.春 夜 [北宋] 蘇軾 春 夜 春の夜
①春 宵 一 刻 直 千 金 ①春宵 一刻 直 千金 ①春の宵のひとときは、千金の価値がある。
②花 有 清 香 月 有 陰 ②花に清香有り 月に陰あり ②花はすがすがしい香りにつつまれ、月はおぼろにかげって光もやわらか。
③歌 管 楼 台 声 細 細 ③歌管 楼台 声 細細 ③にぎやかな歌や管弦の音が響いていた高殿も、すっかり騒ぎがしずまって、
④鞦 韆 院 落 夜 沈 沈 ④鞦韆 院落 夜 沈沈 ④ぶらんこのある中庭に、夜が静かにふけてゆく。
[蘇東坡集続集・七言絶句) おわり