テレピンとリンシード

腹膜原発漿液性乳頭状腺癌を治療中です。タイトルは絵描きなのでつけましたが内容は油彩と関係ありません。

脱毛って、かなしくない。

2014年10月31日 | TC療法副作用

がんとは無縁の時から、なんとなく抗がん剤イコール脱毛のイメージがあったから
(すべての抗がん剤が脱毛するわけではありません)
看護師さんがTC療法(パクリタキセル、カルボプラチン)の説明をしながら
「髪の毛は抜けちゃうからね。でも治療終わったら伸びてくるからね」
と本当に申し訳なさそうに言ったときも、べつに何とも思わなかった。

若くして乳がんになった、知人の言葉も大きかった。

「一度スキンヘッドにしたいと思ってたから、脱毛気にしてませんでした」
「せっかくだから、この機会にかつらライフを楽しんでくださいね」
「帽子のおしゃれ、楽しんでくださいね」
「髪の毛って、面白いもので、いっぺんに抜けないんですよ」
「襟足と前髪はけっこう残ってたりするものです。で、最終的に全身つるつるですよ」

そして、まさに脱毛は知人の言葉どおりだった。

2回目の2週目くらいから歩くとパラパラ、髪を洗うとごっそり抜け始めた。
3回目のときは襟足と前髪は残っていたので
帽子をかぶると後れ毛みたいで、脱毛してるのがわからなかった。
5回目あたりから眉毛も睫毛も抜け始め
6回目終わったら、いつのまにか全身つるつるになっていた。

入院中、手術でまだシャワー許可がおりないとき
同時期に手術した患者さん達が、「髪の毛だけでも洗いたい」と言っていた。

私はつくづく髪の毛がないことに感謝した。

スキンヘッドになって、初めて自分の頭に大きなほくろがあることを知った。
自分再発見!

わざわざかつら作ったけど、ほとんどかぶってない。
帽子のおしゃれに目覚めた。人生初ニット帽、こんなに似合うとは。

手術後、6回のTC療法のあと、6月から抗がん剤がドキシルに変更になった。
半年前まで眉毛もなかったけど、今ではふっさふさだ。
この前、化学療法室でしばらくぶりの看護師さんに
「髪、伸びました」って言ったら
「えっ、それ自毛ですか。かつらかと思いました」って言われた。

脱毛なんて、かなしくない。
いずれ生えてくるし、髪がなきゃないで、楽しい発見がある。



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