美浦トレセンをあとにして、茨城から千葉へ移動しました。 場所は、乗馬倶楽部イグレットというところです。
ここで、FPの会について少しお話したいと思います。
FPとは、フォスターペアレントの略、つまり馬の里親のことです。
引退競走馬が生き残るためには、実績を残して繁殖に上がるごく一部の馬を除き、乗馬などへの用途変更をされます。
転用後も安泰ではなく、繁殖で実績の上がらない馬、乗用に再調教できる見込みのない馬、怪我や高齢で使えなくなった馬は「仕方がない」という思いで処分されていくのは競走馬の世界と同じです。
それでも一頭でも多くの馬を、生かしてやりたいとの思いで、1997年に設立されたのが 「イグレット軽種馬フォスターペアレントの会」です。
会では里子である引退競走馬を「フォスターホース」と呼び、会員で支え合って「生きる権利」を保証し、充実した余生を送らせることを目的としています。
馬はただ「かわいい」というだけの愛玩動物ではありません。馬は人間のためにいろいろなことをしてくれ関わり続けています。
馬は人間の期待に応えようとする動物です。人がいて馬がいる、馬がいて人がいる、そういうパートナーの関係なのです。
フォスターホースは会員によって生活が支えられるため、馬がお金を見い出すための、いわゆる「経済動物」である必要はありません。
行き場のなくなった引退種牡馬など乗馬としての転用が難しい馬も、その馬の存在そのものが喜びです。
馬の適性に合わせて、馬と人との関係を深め、時間をかけて才能を引き出しています。
どんな馬もたっぷりの愛情をかけて接していれば、その馬にしかない素晴らしい個性を開花させてくれます。
その馬に関わることによって、いつの間にか幸せな気持ちにさせてもらっていることを実感しています。
私達も競馬から馬の世界に入りましたが、元来が動物好きなこともあり馬とのふれあいを楽しみたくて、ここの会員になっています。
現在のフォスターホースは7頭で、千葉に4頭と北海道に3頭が元気に暮らしています。
ふれあいの日では、フォスターホ-スや他の馬たちに実際に触れ、ニンジンをあげたり、引き馬で騎乗することができます。
そんなフォスターホ-スたちを紹介していきたいと思います。
まずは、フォスターホ-スの第1号で、会の広報部長とも呼ばれている「グラールストーン」です。
1989年生まれの今年21歳になります。同じフォスターホースであるナイスネイチャのすぐ下の弟になります。
現役のときは、あのライスシャワーやミホノブルボンと菊花賞に出走しました。
乗馬の初心者からベテランまで安心して騎乗できるのが大きなセールスポイントです。
騎乗が終わったあとは皆でお手入れをします。お湯で体を洗い、ブラッシングをします。そして蹄の裏の泥を落とし、最後に蹄油を塗って終了です。
お天気も良くお手入れをしてもらっているグラールの顔がきもちよさそうです。
続いての紹介は、フォスターホース第2号の「ハリマブライト」です。
1995年生まれ、今年15歳になる牝馬です。
現役時は笠松競馬に所属し、400kg前後の小柄な体で頑張りました。
今日はスタッフの指導のもとフリーラン調教を行っていました。
「ハリマ、はや足!」と声を掛けると駆け足を始めます。「なみ足!」と声を掛けるとスピードダウンして歩き始めます。
その反応のよさに驚きです。
続いての紹介は、フォスターホース第3号の「トウショウフェノマ」です。
1992年生まれ、今年18歳になります。 お父さんはあのトウショウボーイです。
現役のときには 「新潟2歳ステークス」 を勝った重賞ウイナーです。
牡馬なのにとてもスッキリした顔立ちをした、いわゆるイケメンになるのでしょうか?
額のハートマークがトレードマークでもあります。
続いての紹介は、フォスターホース第8号の「サマニターフ」です。
2001年生まれ、今年9歳になります。 通称:食いしん坊の たった です。
昨年まで、兵庫競馬で活躍をしていました。
私も今回騎乗させてもらいましたが、指示に対する反応もはやく、とてもおりこうさんに仕事をこなしてくれました。
これから乗馬としての活躍が期待されます。
お手入れも終わり、厩舎でくつろいでいるところですが、実は・・・
視線の先にあるニンジンが気になってしかたがないところです。
最後は、フォスターホースではありませんが、乗馬倶楽部の長老「オセロ」です。今年29歳になるおじいちゃんです。
高齢のため人を乗せてのレッスンはできませんが、食欲もありとても元気に暮らしています。
上の写真を見て不思議なことに気付きますでしょうか?
そうです。無口もつけずにクラブの敷地で自由に過ごしています。みんなは自由人と呼んでいます。
もちろん馬も利口で、逃げたり、遠くへ行ったりしないので許される特権なんですけどね。
ここにくると、本当に馬に癒されます。引退馬だからこそできるふれあいもあります。