魚鳥木、申すか?申さぬか?

ぎょ・ちょう・もく、申すか?申さぬか?
申す!申す! 魚⇒ニシキゴイ。鳥⇒ニホンキジ。木⇒制定無し、花は桜と菊

百人一首の和歌の原文・現代訳・英訳を紹介します。「22」

2017年12月13日 | 百人一首
百人一首の和歌の原文・現代訳・英訳を紹介します。「22」

※英訳については、1909年にWilliam N. Porterが書いた百人一首の本
『A HUNDRED VERSES FROM OLD JAPAN』を参照しています。

和歌番号022 
作者:文屋康秀
author of waka:YASUHIDE BUNYA(BUNYA NO YASUHIDE)

原文
吹くからに 秋の草木の しをるれば むべ山風を あらしといふらむ
(ふくからに あきのくさきの しをるれば むべやまかぜを あらしといふらむ)

現代訳
山風が吹きおろしてくると、たちまち秋の草や木が萎れてしまうので、きっと山風のことを「嵐(荒らし)」いうのだろう。

英訳
THE mountain wind in autumn time
 Is well called 'hurricane';
It hurries canes and twigs along,
 And whirls them o'er the plain
 To scatter them again.

This well-known writer lived in the ninth century, and was the father of Asayasu, who composed verse No. 37; he was also Vice-Director of the Imperial Bureau of Fabrics.

The point of this verse lies in the ideographic characters of the original; yama kaze (mountain wind) being written with two characters, which, when combined, form arashi (hurricane), and this, of course, it is quite impossible to reproduce correctly in the translation. The picture shows the wind blowing down from the mountain behind the poet and waving his sleeves about.

解説
 文屋康秀(ぶんやのやすひで/生没年不明)は平安時代初期の人で、貞観二年(860年)刑部中判事、陽成天皇の時の元慶元年(877年)山城大掾、同三年、縫殿の肋に任ぜられた事などが伝えられていますが、詳しいことは分かっていません。
 しかし、文屋康秀は歌人としては有名で、在原業平や小野小町たちとともに紀貫之が選んだ六歌仙のひとつりに数えられています。

 平安時代には、漢字を分ける言葉遊びの和歌が流行りましたが、この和歌はそういう面白さを詠ったもので、「あらし(嵐)」を「山」と「風」に別けて、詠み込んでいます。
 また、「あらし」に「(風)が荒らし」をかけていて、自然の風情を巧みに表しています。




★おススメ本★  

A Hundred Verses from Old Japan: Being a Translation of the Hyaku-Nin-Isshiu
Tuttle Pub


図説 百人一首 (ふくろうの本/日本の文化)
河出書房新社


百人一首の歌人列伝(業平、定家に西行…人気二十歌人の面白エピソードと代表歌を知ろう! )
歌林苑


本書は「平成和歌所」のウェブコンテンツ「一人十首の歌人列伝」を再編集したものです。
http://wakadokoro.com/

厳選した百人一首歌人の「おもしろエピソード」と「十首の秀歌」を分かりやすく解説した読み物は、幅広い層の和歌ファンに人気を博しました。
これを読めば「はるか昔にいた正体不明のオジサン」だった歌人たちが、グッと身近に感じられることでしょう。

そして本書を読み終わった後、あらためて百人一首を一番から眺めてみてください。
王朝の歴史絵巻が紐解かれ、つまらなかったあの百首歌たちが息吹を宿し、断然おもしろく感じられるはずです。

※読みやすい文字サイズ&文章で、約200ページがあっという間に読み終わります!

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