七夕の日、織り姫は何を思うのだろう。一年たち、やっと会えるよろこびか?天の川の世界では、天帝が絶対的なのだろうか?天帝の命令を守り、牽牛と会えないことを悲しむのみで、それを恨んだりはしないのだろうか?千年、万年、ただ一年一度の逢瀬で、それを運命と受け入れできるものなのだろうか。七夕の日、織り姫は美しく身を整えて出かけて行く。いつもの、機をいそしむ姿ではなく、心うれしく綺麗に着飾り、出かけるだろう。牽牛は、着飾り来る織り姫に何を思うだろう、一年一度の逢瀬に。心が変わらず、愛し合えるので、七夕はロマンチックなのだろう。でも、思う、それは天上だけの話ではないかと。人は一年たてば、ひとつ、歳をとる。こころは変わらない?しかし、身体は歳をとる。命がいつかはついえる。いつかはわからずとも、限りがある生ならば、一年一度を待たず、川を渡るだろう、共に川の中に消えたとしても。
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