シャッと勢い良くカーテンを開く。差し込む陽光の眩しさに目をしかめる。
窓の外は抜けるような青空。見とれてしまうほどの美しい色だった。
「ねぇ、ルルーシュ。今日はすごくいい天気だよ。昨日までの雨が嘘みたいだ」
ブリタニアに梅雨はないが、この一週間はぐずついた天候だった。
今日は打って変わって絶好の行楽日和。
「こんないい天気の日に、何時までも寝てるなんてもったいないよ?」
奥のベッドの中のルルーシュに聞こえるよう、少し大きな声で呼びかける。
でも、ルルーシュは答えてくれない。
「ねぇ、久しぶりに遠乗りに出かけようか?そうだ!お弁当持ってピクニックに行こうよ。
僕、久しぶりにルルーシュの作るおにぎりが食べたいな」
わざとはしゃいだ口調で呼びかけてみた。それでも、ルルーシュからは何の返事もない。
「・・・・ルルーシュ」
そっとベッドに近づき、覗き込む。
見飽きることのない、その度に心を奪われる美しい顔だ。透ける様な白い肌、閉じた瞼を縁取る睫毛は頬に影を落とすほど長い。
彼の象徴と言うべき紫暗の瞳は、その奥に隠されたまま。
もう、ずっと見ていない。
「・・・・っ」
ぎゅうっと心臓をわしづかまれたように心が痛む。
「ねぇ、ルルーシュ」
そっと柔らかな頬に手を寄せる。手のひらを通して伝わってくる体温はいつもより低くて、余計哀しくなった。
「ルルーシュ、もういい加減におきなよ・・・」
何度、呼びかけたろうか。
ルルーシュは、ずっと目を覚まさないままだ。
<続く>
現実世界のスザクの話を、ちょっと書いてみたかったので。
窓の外は抜けるような青空。見とれてしまうほどの美しい色だった。
「ねぇ、ルルーシュ。今日はすごくいい天気だよ。昨日までの雨が嘘みたいだ」
ブリタニアに梅雨はないが、この一週間はぐずついた天候だった。
今日は打って変わって絶好の行楽日和。
「こんないい天気の日に、何時までも寝てるなんてもったいないよ?」
奥のベッドの中のルルーシュに聞こえるよう、少し大きな声で呼びかける。
でも、ルルーシュは答えてくれない。
「ねぇ、久しぶりに遠乗りに出かけようか?そうだ!お弁当持ってピクニックに行こうよ。
僕、久しぶりにルルーシュの作るおにぎりが食べたいな」
わざとはしゃいだ口調で呼びかけてみた。それでも、ルルーシュからは何の返事もない。
「・・・・ルルーシュ」
そっとベッドに近づき、覗き込む。
見飽きることのない、その度に心を奪われる美しい顔だ。透ける様な白い肌、閉じた瞼を縁取る睫毛は頬に影を落とすほど長い。
彼の象徴と言うべき紫暗の瞳は、その奥に隠されたまま。
もう、ずっと見ていない。
「・・・・っ」
ぎゅうっと心臓をわしづかまれたように心が痛む。
「ねぇ、ルルーシュ」
そっと柔らかな頬に手を寄せる。手のひらを通して伝わってくる体温はいつもより低くて、余計哀しくなった。
「ルルーシュ、もういい加減におきなよ・・・」
何度、呼びかけたろうか。
ルルーシュは、ずっと目を覚まさないままだ。
<続く>
現実世界のスザクの話を、ちょっと書いてみたかったので。