ずいぶん春めいてきました。桜並木は葉桜に、
その幹のすぐそばの小川の水面は花びらで
ピンク色にそめられています。
今年春から二男も就職が決まり、24年間住み慣れた家を
出てゆき、一人暮らしを始めました。
仕事は朝早くから夜遅くまで、たびたび帰宅は
日付も変わっていることがよくあるようです。
母親なら、元気にしているか、食事は三度きちんと
摂っているか、洗濯はしているのか、今度はいつ
帰れるのか。など小うるさく尋ねることも出来るでしょう。
父親でも同じことを尋ねてみたいものですが、そこは男の
いや、おやじの沽券にかかわります。
ぐっとこらえて、便りがないのは元気な証拠などと家内に
意地を張って言ったもののやはり気になる今日この頃です
我が小児科医院によく来る姉妹がいます。
お姉ちゃんは小春ちゃんと言い、4歳になったばっかりで、
平均より小柄でおしゃまな子。妹は1歳に少し足らない、
とてもおとなしい子で、名前は杏(あんず)ちゃん。
小春ちゃんも杏ちゃんも今日も鼻水を垂らしての来院です。
小春ちゃんは僕のピンク色のセーターを見て、開口一番、
「今日は立入さん女の子みたいに”可愛い”」といってくれまし
た。この子からみたら僕はおじいちゃんです。
その子から言われたのですからなにかしら、
こ恥ずかしいやらうれしいやら。おまけに髪の毛をさして
「短いし、よく似合う。」なんて
そうかそこまで言ってくれるんだったら小春ちゃんのために
頑張って診察させてもらいましょう
これからも、僕を頼って来てくれている子供たちを決して
裏切らないよう、誠実に診させてもらいますね