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複数の内定をもらっている人へ・・・

2016-07-02 | 仕事

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毎年この時期になると、学生の中で内定(内々定)をめぐって様々な思いが交差し始めます。

第一志望にみごと合格して内々定をもらっても引き続き就活をする人もいれば、とにかく一つでも内定が欲しいと焦っている人もいるのがこの時期です。

また、多くの大学では7月末から期末試験に入るので、7月中旬にはどこか一つでも内定を・・・と云う気持ちになるのはよく分かります。

しかし、内々定も内定も、安易に欲しがるものではないと、私は思っています。

それには幾つかの理由がありますが、まず早期離職者の中には実は複数の内定を得ていた人が意外に多いという事が挙げられます。

これは、今まで数百人の早期離職者の相談を受けて来た私の経験上ではありますが、あんなに考えて、悩んだ末に決めて入社したのに、1年も経たないうちに離職をしてしまうというケースが意外に多いのは事実です。(明確なデータはないと思いますが)

(念のため、だからと言って、複数の内定獲得が悪いとか、早期離職者を否定している訳ではありません。)

私が問題視しているのは、そんな経験をした人のほぼ全員が、次に下すべき決断を必要以上に躊躇する傾向になるという点です。

「次の一歩、今後の方向性、何がしたいのか・・・分からなくなりました。」と言う人が実に多いのが私の実感です。

分からなくなったのではく、決められなくなったのです。

また同じような失敗をするかも知れない・・・と潜在的に感じるのでしょうか、妙に慎重になり決断を延ばそうとする人が多い様に感じます。

そして、もう一つ複数の内定を得ている人に危惧することがあります。

それは、入社後に「あっちの会社に入っていれば良かった・・・」と思う日が必ず訪れるという現実です。

これも、今までの経験でしかありませんが、複数内定の獲得者は、入社後にちょっとしたミスで叱られた時や、少しでも上手く行かない時に、このような考えが頭をよぎるそうです。(私には実体験がないのですが・・・)

その反面、「やっぱりこの会社にして良かった」と思える時はあるのかと質問すると、意外にも「あまり思わなかった」という答えが多いのも面白いところです。

つまり、いつもどこかで比較している自分がいて、今の選択をした自分をジャッジしてしまっていると、私は思っています。

さらには、一旦承諾した内定を断る場合に、会社によっては言葉による精神的ダメージを与えてくるというケースも少なくありませんし、最近では「オワハラ」という言葉もあるように、承諾を強制するような会社があるのも事実です。

就活において、内定を得ることは一つのゴールかもしれません。しかし、その内定は自分にとって本当に必要ですか?と敢えて問いたいのです。どんなに多くの企業から内定を獲得しても、身体は一つしかありません。ましてや、内定は”取り置き”もできません。

しかし一方では、一つの内定が精神的な安定に繋がるという考え方もあるので、これまた真向否定するつもりはありませんが、その”安定剤”も使い方を間違えると劇薬になることも知っておく必要があると思います。

私はこれまで、複数の内定を得たがために死ぬほど悩んで苦痛を感じている学生に多く出逢って来ました。

その一方で、一つの内定を獲るために必死になって頑張っている学生にも多く出逢って来ました。

その中でいつも感じているのは、私たち支援者が内定を勲章のように思い違いをしてはいけないという事です。

内定獲得は、就活のゴールでもなければ、勲章でもありません。

あえて言うなら、決断を迫られる通知でしかないと私は思っています。

何度も言いますが、複数の内定を獲ること自体を否定している訳ではありませんが、それなりの覚悟も必要だと言いたいのです。

今の就活の仕組みの根底にある日本独特の新卒一斉採用方式を続ける限り、内定をめぐるトラブルも無くならないでしょう。

今年から特にそうですが、十数年ぶりの人手不足時代に入ります。団塊の世代が次々とリタイヤしてゆく中では尚更、若い労働力の確保が企業の至上命題になるでしょう。

だからこそ、内定の承諾には慎重を期してほしいと思います。確かに後で断ることもできますが、企業も必死になって人材を獲得したがっているので、一旦承諾するとそう簡単には断れないような作戦を取るのも当然です。

これまで以上に職種・企業研究の重要性が増すことを、多くの支援者が学生に発信すべきだと思います。

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