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新・初めての転職 ①

2021-10-25 | 仕事

これから述べることは、新卒採用で入社したものの、今の仕事を変えたい、今の会社を辞めたいと考えている退職初心者と、もう既に辞めているが、次に何をしたらいいのか分からい、などと立ち止まっている転職初心者に向けて、これから何を考え、何をなすべきかをまとめたものです。
 
 新卒採用された人にとって、初めて退職したり転職したりする場合は、その会社に入社しようと決めた時よりも、大きな決断を要します。
 今まさに辞めよう!と思っている人は、後で振り返った時に無益な行為だったと後悔しないように、また既に退職して次のステージを思案している人には、今までとは違う新たな観点で考えられるように、そして方向を見失い途方に暮れている人には、一歩踏み出すためのヒントとなるように。
考えるべき時にしっかり深く考え、他者の経験も参考にしながら、最終的には自身が納得できる最良の決断を導いて欲しいとの思います。
 
 私は、会社を辞める事も、転職する事も、決して悪いことではないと思っています。
むしろ転職はキャリアの幅を広げ、長い人生で遭遇する様々な困難に立ち向かうための底力を養う良い機会になることもあるからです。

 勿論、同じ会社で様々な仕事を経験したり、長い時間をかけて技術を取得したりすることも素晴らしいことであり、成長になると思いますが、一方では退職や転職を繰り返して来た中で新しい出会いや発見があり、人生が豊かになったと実感している人も多いと思います。

 しかし、人生初の退職を経験する場合、「自分は逃げているのではないか?」などと自分を責めたり、「本当にこれでいいのか?」などと迷ったり、何かと不安になるものです。
 ましてや、初めての転職ともなれば、「次は失敗したくない。」という気負いが生じたり、「辞めたことを責められるのではないか。」などと自分を追込んだり、これまた不安要因は尽きないものです。

 私は、一度入った会社に一生を捧げて務め上げることを美徳とするような時代は既に終わったと思っています。もう既に、自分のキャリア形成を会社のためではなく、自分自身の幸福に向けて積み上げて行く時代に変貌して久しいと考えています。
もちろん、同じ会社に一生務めることを否定するつもりはありません。そこに自分の理想とする幸福があるのなら、突き進めばいいと思います。

 今思うと、私が就職をした1988年(昭和63年)は、いわゆるバブル時代の末期でした。既に景気が傾きはじめた時期で、その後訪れる平成不況へと移り変わる過渡期でした。

 しかし当時はまだ、空前の高景気が永遠に続くと信じて止まない人たちが大半を占め、銀行や証券会社が倒産するなど、誰一人として夢にも思っていない時代でした。
 そうした時代背景では、新卒の就職活動は人生を決める最初の登竜門となり、いかにして一流の企業に入るのかという、イス取りゲームのような就活が主流でした。
 なぜなら、一旦一流の会社に就職してしまえば、後は棺桶まで面倒を見てくれるという、異常なまでの安心感や執着心が、学生だけでなく親世代にもあったからです。
 不思議なことに、この異常な感覚は今でも一部の人達に引き継がれており、現在の大手安定志向の根源になっています。
 
 一方では、既にこの頃から、個人のキャリア形成の必要性も問われ始めており、一部の先見性を持った経営者たちは、いわゆる護送船団方式や他力本願的発想から脱却し、自ら大きなリスクを背負いつつ、己の発想力と可能性を信じて、新たな価値の創造と新しいサービスの提供に努めて来たのです。

 そしてもう一つ、個人キャリア形成に拍車をかける背景として、携帯電話に代表される通信機器の発達とインターネットの爆発的な普及、さらにSNSなど、人の発想や価値観を一変するような画期的な通信機器の発展が挙げられます。
 つまり私達は現在、特定の企業に依存し頼らなくても、生きて行くためのあらゆる情報や財を、個人レベルで世界中から獲得できる時代に生きているのです。
 かつては、組織の歯車としてキャリアを積んでいく見返りに、企業に依存する「就社」という形で就職し、企業戦士として生き抜くことがスタンダードと言われていましたが、今や、個々の人生を、自分自身で豊かで有意義なものにして行くためのキャリア形成の時代へと変貌したのです。
 このような理由から、退職や転職は、ある意味では自分の人生を切り拓くための手段となりました。
 
 しかし、だからと言って、むやみやたらに退職や転職を推奨している訳ではありません。
 転職して会社や仕事を変えるには、まずその前に深く考えるべき事柄や、超えるべき壁があります。さらに転職活動には新卒での活動以上にエネルギーを要することや、思いがけないほどの費用も必要となる場合もあります。そのことを十分理解した上で決断することこそ、人生を切り拓くための一歩となるのです。