Youth worker Support【未来を創る若者たちへ】

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ものまね上手になろう

2016-02-05 | 仕事

昔の人はよく「仕事は盗むものだ!」なんて言っていました。

そうだったなぁ~と実感できる人は、古き良き昭和の時代に若手社員だった人でしょう。

私は昭和42年生で20歳で社会に出ましたが、やはり「仕事は盗むものだ!」などと言う先輩や上司が多かったと記憶してます。

今のように、OJTやOFF-JTなんて言葉も、未だメジャーではなかったし、私の最初の就職先ではほとんど初めての新卒採用だったこともあり、新人教育という概念すらありませんでした。

私が最初に就職したのは、畜産会社の養豚場でした。

分娩舎といわれる、親豚が子豚を出産する専用の建物が私の担当となり、一日の仕事は母豚にエサをやる事から始まり、フンの始末や豚舎の掃除、生れてきた子豚たちの体重測定や新たに分娩舎にやってくる母豚の移動、さらに分娩が始まったら次々と産まれ出て来る子豚たちの濡れた身体をおがくずで拭き取ったりと、様々な作業の連続でした。

そういう現場で、私の受けた社員教育と言えるものは、パートのおばちゃんのする動作を真似ることでした。

時の上司は、こと或るごとに「体で覚えて理屈を学べ」と言いながら、まずやってみろ!と詳細はすっ飛ばして現場に放り込むのです。

それが分娩舎という現場でした。

放り込まれた私は、とりあえずその現場を担当していたパートのおばちゃんのしていることを真似る以外に手はないのです。

仕事を人に教えながらするのは、手間がかかるし気も使うものです。なので、私の教育係となったそのおばちゃんは大変だったと思います。しかも、当時の私は「これってどういう意味があるんですか?」とか、やる前から「何をするんですか?」など質問ばかりしていたので、いつもの倍は疲れていたと思います。

でも、そのおばちゃんは、かれこれ20年近くも務めている超ベテランで、淡々とそして軽やかにあらゆる作業をこなして行きます。

私は後を付いて行くだけですが、一向に追い付きません。最初はどうすれば早くできるのかを聞いてばかりいましたが、ある日上司の言葉を思い出し、そのおばさんの動作をよく見て、道具の持ち方や立ち位置、そして歩幅までも、逐一真似をしてみたら、言葉であれこれ説明されるより、とてもよく分かった気がしました。

それ以来、質問責めにするのは止めて、ひたすら動作を真似ることに徹して、あらゆる作業を覚えて行くことになりました。

今では、その上司やおばちゃんは勿論、そういう時代背景だったことを心から感謝してます。

先に頭で覚えた仕事は現場では役に立たない。先に体に覚え込ませた仕事は、後でその理屈が分かった時に楽しさに変わる。だから、どんな仕事もまずやってみる。出来る人を見て真似る。それが、最初の職場で学んだことです。

この時の経験は、今でも私の仕事に活かされています。

尊敬できる人に遭遇するたびに、その人のやり方は勿論、口癖や趣味まで真似るようになりました。

という訳で、仕事を覚えて行く上では、「ものまね」は一つの良い手段だと私は思っています。

でも、今はそろそろ「まねられる存在」になりたいとも思っていますが・・・