大河ドラマ「八重の桜」感想 乙女通信
「「男性大河ファン」の直感的で素直な感想」
●市川染五郎さんも、小泉孝太郎さんも、「血の継承」には特別な思いがあった!江戸幕府は、崩れるべくして、崩れたのだ!しかし、孝太郎さん上手いよねー。つーか、本気で腹立ちますね!それくらいすごい!
というわけで、一週間遅れの大河ドラマ・レビューのアップです。まあ、このタイミングが一番書きやすいですねー。
とうとう会津を支えていた、大きな力が消えてしまいました。
「お互い血を継承していく仲として、同じものを感じていた・・・」
まあ、こんな感じのことを帝から言われた容保公・・・涙を流して背中を震わせていましたね。
やっぱり人間、わかってもらうって、ほんと、喜びを素直に感じられますよね。
しかも、それが帝ですから。御上ですから・・・いやあ、時の帝に信任された楠木正成公以上に孝明天皇に愛された容保公でしたねー。
あの御製と宸翰を肌身離さず身に着けていた話は高校生くらいの頃に聞いたんですかねー。
なんか、今回、その思いがわかったというか・・・やっぱり、映像化って大事なんですよねー。
っていうか、孝明天皇役の市川染五郎さん、そして、徳川慶喜役の小泉孝太郎さんは、リアルに代々血を継承していく立場の人たちなんですよね。
まあ、孝太郎さんは、政治家にはなりませんでしたけど、子供の頃には、その可能性はあったわけで、否応もなく、
「血の継承」
について、思いが至ったであろう人々なわけですよ。
市川染五郎さんは、子供の養育にも当たってらっしゃるわけだから、
「血の継承」
という言葉には深い共感があるわけで・・・孝明天皇のあのセリフには、その市川染五郎さんの思いが載っていたように思えましたね。
あの事故の後だけに・・・。
しかし、そういう意味では、孝太郎さんって、上手い役者ですよね・・・。
ほんと、この徳川慶喜役ってのは、二枚目にして、あんぽんたん・・・「俺偉い病」役をやらないといけないので、
役者としての力量がシビアに求められるんですよね。
こう、憎まれ役なんですけど、どこか憎めない二枚舌野郎・・・これを見事に演じています。小泉孝太郎さん・・・。
おもしろいなって思ったのは、徳川慶喜も、「血の継承」をテーマに生きる人間だったりするわけで、キャスティングの妙ですよね。
公家のトップと、武家のトップがそれぞれ、リアル「血の継承」者なんだから・・・おもしろいはずです。
そして、そこに絡んでくるのが、迫力男顔の佐川官兵衛・・・中村獅童さんなわけで、踊りのうまい歌舞伎役者さんだったりするわけです。はい。
このひと、本来、すごく優しい人なんですけど、今回の佐川官兵衛役はいいですねー。その男っぷり。惚れますね。男が男に惚れる、そんな男っぷり。
その佐川官兵衛が、徳川慶喜の帰りに合わせて、会津の苦衷を踊りで表現するわけで、思わず「萬屋!」と屋号を叫びたくなりましたねー。
やっぱ、踊りが出来るって、いいよなー・・・金と時間が出来たら、日本舞踊を習おうかなー。
まあ、中村獅童さんって、歌舞伎での女役でも、美しい女形を披露するので、歌舞伎役者ってすげえなって感じですよねー。
で、徳川慶喜も、また、このあんぽんたんな感じがいいんだよねー。
非常に徳川慶喜感がばっちりな感じで、孝太郎さんの演技力は本物だよね!って感じです。
つーか、僕が好きなのは、慶喜と容保のやり合いなんだよね。
こう、完全に容保は、慶喜を馬鹿にしているっていうか、二枚舌であることを理解しているわけですよ。
「それ、本心?ちゃうんちゃうの?」
的に聞いちゃったり、こう、見てて笑える感じがいいんだよなー。僕的には、もう、よく出来た漫才としか、感じられませんね。
綾野剛さんと小泉孝太郎さんの演技合戦がほんとおもしろくって、
「もっと、やれやれー!」
って、感じで、嬉しくなって見てますねー。
あと、僕の好きな村上弘明さん・・・このひとはかっこいいんですよね。
その春嶽公を怒らせちゃって・・・慶喜さんって、家康以来の傑物みたいによく言われるけど、僕からすれば、
「こいつにだけは、近寄っちゃ駄目」
っていう匂いプンプンですからね。
もう、馬鹿元首相が首相をやってる時、日本が機能不全に陥ったじゃないですか。多分、ああいう状況なんですよ。慶喜が将軍になった瞬間、ああなります。
誰も上に置きたくない人物を上に置いちゃうと、そのコミュニティは消え去りますからね。民主党のように。
つまり、ひとり慶喜が百歩譲って出来る人間だったとしても、誰も彼に手を貸さなければ、そのコミュニティは機能不全に陥るわけです。
僕らはそういう歴史のシーンを何年か前見たってことです。あの馬鹿首相の折に・・・。
さらに言えば、あの馬鹿首相は、
「そのうち辞めっから」
という言葉にただ逃げ込み・・・わっかりやすい「逃げ込み者」になって・・・ひとから相当嫌われて・・・まあ、近々消えちゃうでしょうね。
ああいう「俺偉い病」の人間って、タブーをやっても許されると勘違いしているから、タブーをやって、周囲に蛇蝎の如く嫌われて、
不幸になって消えていくんですね。
まあ、だから、慶喜さんが将軍になったら、そのコミュニティは消え去るわけです。
とにかく、歴史上の慶喜さんは、大奥に蛇蝎の如く嫌われていたそうですね。
まあ、その理由として、
「慶喜は豚肉を食べるから」
みたいなことが、歴史の本なんかに書いてありますけど、どうして学者って、女性の機微とか、わからないわけ?
「豚一」
と言われて、蔑まれていたそうですけど、女性は本人が嫌いだから、理由をつけて、アダ名をつけるんです。
原因と結果が逆になっているんですよ。こういう下らない女性の気持ちすら、全然わからない学者の説明って、ほんと、ゴミ。
女性の気持ちのわからない男性なんて、この世にいりませんからね。このあたり、完全に女性の意識で書いているなあ。
女性は「俺偉い病」で、周囲を舐め腐る男を、蛇蝎の如く嫌います。
だから、慶喜は嫌われたんですよ。
つーか、女性の気持ちすら、アゲアゲに出来ない人間が、さらに周囲の出来る男性から、嫌われたら、もうその人間は終わりです。
出来る男性は、皆離れていくでしょ?普通に。
まあ、今回それが、象徴的に、春嶽の関係断絶で、現されていた。あの時の春嶽公、かっこよかったよねー。
やっぱり、見せるよねー、大河ドラマは。井伊大老の時もかっこよかったけど、春嶽公もかっこよかったねー。
ま、いずれにしろ、慶喜の将軍就任が、最後の倒幕スイッチだったんだな。
幕府は潰れる・・・優秀な男性達は、幕府という船から一斉に逃げ出し始めたのが、慶喜の将軍就任時ということになるわけですからね。
つまり、コミュニティをうまくコントロール出来る人間でないと、ああいう状況では、挽回出来ないんですよ。
その指導者の条件は、①まず、敵対する相手の心情をしっかり見抜けること。②味方の人間に思い切り愛されていること。③敵地に乗り込んでいける勇気を持っていること。
この3点だけだ。
信長、秀吉、家康・・・3人とも、この三つをちゃんと持っていた。
しかるに、慶喜は、②がない。圧倒的にない。③なんか、これっぽちもない。
だって、敵地に乗り込みたくなかったから、征夷大将軍に就任しなかったのは、明白じゃないですか。
あの時点で、征夷大将軍をいやがったのは、たったひとつの理由しかありません。
征夷大将軍に任じられたら、諸侯を率いて、敵地に乗り込まなければならないからです。
でも、気の乗らない戦をさせられている幕府軍はもちろん連戦連敗。
「自分が出て行っても、負ける可能性が大だなあ・・・だったら、行けない理由を作ればいいんだ」
「・・・そうだ。宗家だけ継いで将軍は継がないようにすればいいんだ。なーんだ、簡単じゃん。俺って頭いい・・・」
こう慶喜が考えたのは、おもっそ明白!
考えが、ものすごく浅いの。だって、僕ですら、軽く読みきれちゃうんだもん。
だからさー、①だって、怪しいもんだよ。
はっきり言って、その場その場では、うまくやるんだけど、そもそも人生舐め腐って生きてきたから、構想力そのものがない。
人生はストーリーであるということにすら、気がついていなかったんですよ。このひとは。
将軍になれば、人はついてくると勝手に思ってるもんだから、将軍になっても、徳川家内の人心掌握すら、出来なかったでしょう。
だいたい、皆、こいつの為になんか、仕事をしたくないわけですからね。
なるほど、幕府歩兵が鳥羽伏見の戦いで、敗れ去ったのも、ようやく合点が行きました。
西郷と大久保が、なぜ、寡兵で持って、幕府歩兵をたやすく抜けると考えたかが、ようやくわかりました。
「戦は兵のやる気が最も大事!」・・・慶喜の為に命を捧げる人間なぞ、ほぼ皆無・・・それを知っていた西郷と大久保が、寡兵のまま、戦をしかけたんです。
そりゃあ、徳川軍は、一も二もなく負けるわなー。
つーか、このあたりって、学者は、
「錦旗が薩長軍に出たから、幕府軍は敗走した」
みたいなことを言うんだけど、
やっぱり、知識者って、こういう自分の知識からしか話を出来ないから、往々にしてミスリードになっちゃうんだよ。
「徳川軍の士気は低い・・・なにより、あの慶喜の為に命を捧げる馬鹿らしさを皆知ってる。だって、二枚舌の為にサムライが死ねるか?」
西郷と大久保はこの結論に至っていたと思いますね。協力者すべてを怒らせた、逃げられた慶喜には、もう、何の打つ手も最早なかったんですよ。
いくら、フランス式の調練を積んだ最新装備の兵でも、肝心の気持ちが挫けていたんでは、勝てる戦など、出来るはずがないんです。
「徳川の兵は、武士の魂が既に死んでいた」
そう見るべきですねー。
そこにダメ押しで錦旗が出たから、敗走したわけで、薩長の用意周到ぶりが伺えるエピソードなんですね。
だいたい、ただでさえ、人材が払底しているのに、さらに慶喜が将軍に座っちゃったら、そのコミュニティは、機能不全を起こすのは当たり前でしょー。
だって、組織とは、これすなわち、人間の気持ちで動くものなんですから。
「こいつにだけは命令されたくねーや」
って、みーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーんな思っているわけですから・・・だいたい、大奥に嫌われている時点で、男として、失格ですよ。
大奥すら、コントロール出来ないのに、徳川家という戦闘コミュニティをコントロール出来るわけがない・・・。
戦闘コミュニティは、信頼されるトップでなければ、コントロールは不可です。なぜなら、命のやりとりを義務化しているから。
「あんな奴の為に死ねるか!」
部下にそう思われてちゃ、終わりでしょう。
ま、今回、勝麟太郎さんが言ってましたが、
「幕府は自ら、潰れるんだ!」
慶喜がダメを押すんですね。
まあ、会津にとっては、いい迷惑です。なにしろ、将軍が糞虫程度の人間ですからねー。
容保公のかわいそう物語がさらに深刻の度を増すんでしょうねー。
●ライバル登場で、「八重の桜」も、少女マンガ展開か!メイサのあの目は、女豹か!ミネ騒動も一件落着で、ホッとしたよねー!
さて、歴史の話は、さておいて、今回、八重さん周辺は、なーんか、ライバル登場で、少女マンガのような展開でしたねー。
ま、ミネ騒動のあと、ちょっと抱き合っちゃったりして、ラブラブシーンは、お約束でしょうかー。
で、中野竹子さん・・・江戸育ちの出来るおんな・・・かっちょいい登場でしたが、この黒木メイサさんのめぢからバリバリの目を見ると、
あの女子柔道家の女豹、松本薫選手を思い出すんですが、僕だけでしょうかー。
まあ、それはさておいて、竹子さんは、一連の戦いで圧倒的力を見せつけ、最後に、
「銃はツールに過ぎぬわ。ボケ!」
と、やるあたり、全力ライバル宣言で、おもしろかったですねー。
僕は子供の頃、「ハイカラさんが通る」という女性向けアニメが大好きで、未だにああいうお嫁さんが欲しいなあと思っているわけで、
薙刀の試合とかも出てきていて・・・ちょっとその連想がありましたね。
大和和紀さんの原作本まで、持っているんですけど、1987年、古!・・・南野陽子さん主演の映画で、このはいからさんの恋人役少尉で俳優デビューしたのが、
「坂の上の雲」で秋山好古役を好演した阿部寛さんですからねー。同じ陸軍少尉の格好というのが、ちょっと面白いですけどね。
人は成長するもんです。はい。
で、そのはいからさん・・・細身で美しくて、超お転婆・・・なんか八重さんを彷彿とさせるんですけど、ライバル登場ってのは、
少女マンガでもお約束な盛り上げ方・・・なんか、楽しみになっちゃいますね。女豹メイサさんのナギナタさばきにも、ちょっと惚れぼれしましたしねー。
「わたす、あのひとにだけは、負けたくねー」
この八重さんのつぶやきですが・・・どっかで同じようなセリフを聞いたぞ・・・。
79年の作品、「機動戦士ガンダム」で、ありし日の主人公アムロは、敵将、ランバ・ラルに対して、こう、つぶやきます。
「僕は、あのひとにだけは、勝ちたい・・・」
同じじゃん・・・(笑)。お約束でしょうかねー。
いやあ、おもしろいですね。こんな冗談を散りばめながらも、僕は割りと真面目にエンターテイメントとは、こういうお約束が楽しいと言いたいわけです。はい。
女性は恋も仕事も・・・。
まあ、今回ミネにつらく当たる、うらの本音もわかったし・・・大変だよね。お母さんというお仕事も・・・。
ということで、その旦那、覚馬さんですが、勝麟太郎さんに、
「日本のことを考えろ!」
と言われて、いつものごとく、
「じゃあ、俺達はどうすればよかったんだ!」
と、あえぐ・・・。
なんか、会津藩的にも絶体絶命の時が近づいているし、覚馬的にも、その時が近づいていますねー。
Xデイ、近づく・・・そんな予見をしつつ、物語をさらに楽しんでいきたいものですね。
今週の喜び
えー、出産のシーンや、旦那様にすがりつく・・・というか、抱き合うシーンは、女性向け大河ドラマでは、お約束シーンでもあります。
まあ、トンデモ大河ドラマ「天地人」では、常盤貴子さん演じるお船が二回もやってたし、まあ、女性は共感を持ちますよね。
女性にとって、出産は戦・・・だろうなあって思いますねー。僕も早く子供が欲しいですよ。ああいうのを見ると、ね。
そして、女性は愛しい旦那さまに優しく抱きしめられたい・・・それも当然です。
人生かけて、探しだした大事な大事な旦那さまですから、恋の時間こそが、女性の最もしあわせな時間ですからねー。
というわけで、大河ドラマのゾクゾクする時間を楽しんでいるわけですが、まあ、こうやって、言葉にすると、いろいろなことが考えられておもしろいですねー。
慶喜のことを考えれば、指導者の資質や条件も見えてくるし、
八重ちゃんのエピソードでは、エンターテイメントとしての役割も見えてくる。
ライバル登場で、少女マンガ的な要素も楽しめるし、出産や恋を頑張っている女性たちの姿も垣間見ることが出来る。
やっぱり、大河ドラマって、人生に有益です。
いろいろなことを考えることが出来るし、その契機になりますからね。
いろいろなことがわかっている、素敵な大人になること・・・これが男性の人生をかけた目標ですから、その目標に資するのが大河ドラマですよねー。
要は使い方だと思います。大河ドラマをどう使うのか・・・ここに辿りつきますよね。
人生に有益になるように、存分に使い尽くす・・・それこそ、大河ドラマの使い方の本筋だと僕は思いますね。
だって、楽しいもん!
それでいいんです。それで!
しかし、剛力彩芽ちゃんが出てくると、ほんと癒されるよねー。うん、ほんと、にねー。
しかし、徳川幕府は潰れるべくして、潰れたんですねー。自分でレビューしながら、なーるほどーって、思っちゃいました。
いやあ、慶喜恐るべしですね。つーか、ほんと、バカ元首相のおかげで、潰れた民主党とほとんど同じ構図なんだから、おもしろくって笑っちゃうよねー。
歴史は繰り返す。だってDNAが同じなんだから、そういうことなのよねー。
というわけで、次回も存分に楽しみましょう!
ではでは。
今週のあれ、どうなん?
なんか、「ごきげんよう」で見慣れちゃっているせいか、小堺さんの関西弁姿が、どうも・・・なんか、おもしろいですよね。昨年の兎丸の関西弁に通じるものが・・・。
「「男性大河ファン」の直感的で素直な感想」
●市川染五郎さんも、小泉孝太郎さんも、「血の継承」には特別な思いがあった!江戸幕府は、崩れるべくして、崩れたのだ!しかし、孝太郎さん上手いよねー。つーか、本気で腹立ちますね!それくらいすごい!
というわけで、一週間遅れの大河ドラマ・レビューのアップです。まあ、このタイミングが一番書きやすいですねー。
とうとう会津を支えていた、大きな力が消えてしまいました。
「お互い血を継承していく仲として、同じものを感じていた・・・」
まあ、こんな感じのことを帝から言われた容保公・・・涙を流して背中を震わせていましたね。
やっぱり人間、わかってもらうって、ほんと、喜びを素直に感じられますよね。
しかも、それが帝ですから。御上ですから・・・いやあ、時の帝に信任された楠木正成公以上に孝明天皇に愛された容保公でしたねー。
あの御製と宸翰を肌身離さず身に着けていた話は高校生くらいの頃に聞いたんですかねー。
なんか、今回、その思いがわかったというか・・・やっぱり、映像化って大事なんですよねー。
っていうか、孝明天皇役の市川染五郎さん、そして、徳川慶喜役の小泉孝太郎さんは、リアルに代々血を継承していく立場の人たちなんですよね。
まあ、孝太郎さんは、政治家にはなりませんでしたけど、子供の頃には、その可能性はあったわけで、否応もなく、
「血の継承」
について、思いが至ったであろう人々なわけですよ。
市川染五郎さんは、子供の養育にも当たってらっしゃるわけだから、
「血の継承」
という言葉には深い共感があるわけで・・・孝明天皇のあのセリフには、その市川染五郎さんの思いが載っていたように思えましたね。
あの事故の後だけに・・・。
しかし、そういう意味では、孝太郎さんって、上手い役者ですよね・・・。
ほんと、この徳川慶喜役ってのは、二枚目にして、あんぽんたん・・・「俺偉い病」役をやらないといけないので、
役者としての力量がシビアに求められるんですよね。
こう、憎まれ役なんですけど、どこか憎めない二枚舌野郎・・・これを見事に演じています。小泉孝太郎さん・・・。
おもしろいなって思ったのは、徳川慶喜も、「血の継承」をテーマに生きる人間だったりするわけで、キャスティングの妙ですよね。
公家のトップと、武家のトップがそれぞれ、リアル「血の継承」者なんだから・・・おもしろいはずです。
そして、そこに絡んでくるのが、迫力男顔の佐川官兵衛・・・中村獅童さんなわけで、踊りのうまい歌舞伎役者さんだったりするわけです。はい。
このひと、本来、すごく優しい人なんですけど、今回の佐川官兵衛役はいいですねー。その男っぷり。惚れますね。男が男に惚れる、そんな男っぷり。
その佐川官兵衛が、徳川慶喜の帰りに合わせて、会津の苦衷を踊りで表現するわけで、思わず「萬屋!」と屋号を叫びたくなりましたねー。
やっぱ、踊りが出来るって、いいよなー・・・金と時間が出来たら、日本舞踊を習おうかなー。
まあ、中村獅童さんって、歌舞伎での女役でも、美しい女形を披露するので、歌舞伎役者ってすげえなって感じですよねー。
で、徳川慶喜も、また、このあんぽんたんな感じがいいんだよねー。
非常に徳川慶喜感がばっちりな感じで、孝太郎さんの演技力は本物だよね!って感じです。
つーか、僕が好きなのは、慶喜と容保のやり合いなんだよね。
こう、完全に容保は、慶喜を馬鹿にしているっていうか、二枚舌であることを理解しているわけですよ。
「それ、本心?ちゃうんちゃうの?」
的に聞いちゃったり、こう、見てて笑える感じがいいんだよなー。僕的には、もう、よく出来た漫才としか、感じられませんね。
綾野剛さんと小泉孝太郎さんの演技合戦がほんとおもしろくって、
「もっと、やれやれー!」
って、感じで、嬉しくなって見てますねー。
あと、僕の好きな村上弘明さん・・・このひとはかっこいいんですよね。
その春嶽公を怒らせちゃって・・・慶喜さんって、家康以来の傑物みたいによく言われるけど、僕からすれば、
「こいつにだけは、近寄っちゃ駄目」
っていう匂いプンプンですからね。
もう、馬鹿元首相が首相をやってる時、日本が機能不全に陥ったじゃないですか。多分、ああいう状況なんですよ。慶喜が将軍になった瞬間、ああなります。
誰も上に置きたくない人物を上に置いちゃうと、そのコミュニティは消え去りますからね。民主党のように。
つまり、ひとり慶喜が百歩譲って出来る人間だったとしても、誰も彼に手を貸さなければ、そのコミュニティは機能不全に陥るわけです。
僕らはそういう歴史のシーンを何年か前見たってことです。あの馬鹿首相の折に・・・。
さらに言えば、あの馬鹿首相は、
「そのうち辞めっから」
という言葉にただ逃げ込み・・・わっかりやすい「逃げ込み者」になって・・・ひとから相当嫌われて・・・まあ、近々消えちゃうでしょうね。
ああいう「俺偉い病」の人間って、タブーをやっても許されると勘違いしているから、タブーをやって、周囲に蛇蝎の如く嫌われて、
不幸になって消えていくんですね。
まあ、だから、慶喜さんが将軍になったら、そのコミュニティは消え去るわけです。
とにかく、歴史上の慶喜さんは、大奥に蛇蝎の如く嫌われていたそうですね。
まあ、その理由として、
「慶喜は豚肉を食べるから」
みたいなことが、歴史の本なんかに書いてありますけど、どうして学者って、女性の機微とか、わからないわけ?
「豚一」
と言われて、蔑まれていたそうですけど、女性は本人が嫌いだから、理由をつけて、アダ名をつけるんです。
原因と結果が逆になっているんですよ。こういう下らない女性の気持ちすら、全然わからない学者の説明って、ほんと、ゴミ。
女性の気持ちのわからない男性なんて、この世にいりませんからね。このあたり、完全に女性の意識で書いているなあ。
女性は「俺偉い病」で、周囲を舐め腐る男を、蛇蝎の如く嫌います。
だから、慶喜は嫌われたんですよ。
つーか、女性の気持ちすら、アゲアゲに出来ない人間が、さらに周囲の出来る男性から、嫌われたら、もうその人間は終わりです。
出来る男性は、皆離れていくでしょ?普通に。
まあ、今回それが、象徴的に、春嶽の関係断絶で、現されていた。あの時の春嶽公、かっこよかったよねー。
やっぱり、見せるよねー、大河ドラマは。井伊大老の時もかっこよかったけど、春嶽公もかっこよかったねー。
ま、いずれにしろ、慶喜の将軍就任が、最後の倒幕スイッチだったんだな。
幕府は潰れる・・・優秀な男性達は、幕府という船から一斉に逃げ出し始めたのが、慶喜の将軍就任時ということになるわけですからね。
つまり、コミュニティをうまくコントロール出来る人間でないと、ああいう状況では、挽回出来ないんですよ。
その指導者の条件は、①まず、敵対する相手の心情をしっかり見抜けること。②味方の人間に思い切り愛されていること。③敵地に乗り込んでいける勇気を持っていること。
この3点だけだ。
信長、秀吉、家康・・・3人とも、この三つをちゃんと持っていた。
しかるに、慶喜は、②がない。圧倒的にない。③なんか、これっぽちもない。
だって、敵地に乗り込みたくなかったから、征夷大将軍に就任しなかったのは、明白じゃないですか。
あの時点で、征夷大将軍をいやがったのは、たったひとつの理由しかありません。
征夷大将軍に任じられたら、諸侯を率いて、敵地に乗り込まなければならないからです。
でも、気の乗らない戦をさせられている幕府軍はもちろん連戦連敗。
「自分が出て行っても、負ける可能性が大だなあ・・・だったら、行けない理由を作ればいいんだ」
「・・・そうだ。宗家だけ継いで将軍は継がないようにすればいいんだ。なーんだ、簡単じゃん。俺って頭いい・・・」
こう慶喜が考えたのは、おもっそ明白!
考えが、ものすごく浅いの。だって、僕ですら、軽く読みきれちゃうんだもん。
だからさー、①だって、怪しいもんだよ。
はっきり言って、その場その場では、うまくやるんだけど、そもそも人生舐め腐って生きてきたから、構想力そのものがない。
人生はストーリーであるということにすら、気がついていなかったんですよ。このひとは。
将軍になれば、人はついてくると勝手に思ってるもんだから、将軍になっても、徳川家内の人心掌握すら、出来なかったでしょう。
だいたい、皆、こいつの為になんか、仕事をしたくないわけですからね。
なるほど、幕府歩兵が鳥羽伏見の戦いで、敗れ去ったのも、ようやく合点が行きました。
西郷と大久保が、なぜ、寡兵で持って、幕府歩兵をたやすく抜けると考えたかが、ようやくわかりました。
「戦は兵のやる気が最も大事!」・・・慶喜の為に命を捧げる人間なぞ、ほぼ皆無・・・それを知っていた西郷と大久保が、寡兵のまま、戦をしかけたんです。
そりゃあ、徳川軍は、一も二もなく負けるわなー。
つーか、このあたりって、学者は、
「錦旗が薩長軍に出たから、幕府軍は敗走した」
みたいなことを言うんだけど、
やっぱり、知識者って、こういう自分の知識からしか話を出来ないから、往々にしてミスリードになっちゃうんだよ。
「徳川軍の士気は低い・・・なにより、あの慶喜の為に命を捧げる馬鹿らしさを皆知ってる。だって、二枚舌の為にサムライが死ねるか?」
西郷と大久保はこの結論に至っていたと思いますね。協力者すべてを怒らせた、逃げられた慶喜には、もう、何の打つ手も最早なかったんですよ。
いくら、フランス式の調練を積んだ最新装備の兵でも、肝心の気持ちが挫けていたんでは、勝てる戦など、出来るはずがないんです。
「徳川の兵は、武士の魂が既に死んでいた」
そう見るべきですねー。
そこにダメ押しで錦旗が出たから、敗走したわけで、薩長の用意周到ぶりが伺えるエピソードなんですね。
だいたい、ただでさえ、人材が払底しているのに、さらに慶喜が将軍に座っちゃったら、そのコミュニティは、機能不全を起こすのは当たり前でしょー。
だって、組織とは、これすなわち、人間の気持ちで動くものなんですから。
「こいつにだけは命令されたくねーや」
って、みーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーんな思っているわけですから・・・だいたい、大奥に嫌われている時点で、男として、失格ですよ。
大奥すら、コントロール出来ないのに、徳川家という戦闘コミュニティをコントロール出来るわけがない・・・。
戦闘コミュニティは、信頼されるトップでなければ、コントロールは不可です。なぜなら、命のやりとりを義務化しているから。
「あんな奴の為に死ねるか!」
部下にそう思われてちゃ、終わりでしょう。
ま、今回、勝麟太郎さんが言ってましたが、
「幕府は自ら、潰れるんだ!」
慶喜がダメを押すんですね。
まあ、会津にとっては、いい迷惑です。なにしろ、将軍が糞虫程度の人間ですからねー。
容保公のかわいそう物語がさらに深刻の度を増すんでしょうねー。
●ライバル登場で、「八重の桜」も、少女マンガ展開か!メイサのあの目は、女豹か!ミネ騒動も一件落着で、ホッとしたよねー!
さて、歴史の話は、さておいて、今回、八重さん周辺は、なーんか、ライバル登場で、少女マンガのような展開でしたねー。
ま、ミネ騒動のあと、ちょっと抱き合っちゃったりして、ラブラブシーンは、お約束でしょうかー。
で、中野竹子さん・・・江戸育ちの出来るおんな・・・かっちょいい登場でしたが、この黒木メイサさんのめぢからバリバリの目を見ると、
あの女子柔道家の女豹、松本薫選手を思い出すんですが、僕だけでしょうかー。
まあ、それはさておいて、竹子さんは、一連の戦いで圧倒的力を見せつけ、最後に、
「銃はツールに過ぎぬわ。ボケ!」
と、やるあたり、全力ライバル宣言で、おもしろかったですねー。
僕は子供の頃、「ハイカラさんが通る」という女性向けアニメが大好きで、未だにああいうお嫁さんが欲しいなあと思っているわけで、
薙刀の試合とかも出てきていて・・・ちょっとその連想がありましたね。
大和和紀さんの原作本まで、持っているんですけど、1987年、古!・・・南野陽子さん主演の映画で、このはいからさんの恋人役少尉で俳優デビューしたのが、
「坂の上の雲」で秋山好古役を好演した阿部寛さんですからねー。同じ陸軍少尉の格好というのが、ちょっと面白いですけどね。
人は成長するもんです。はい。
で、そのはいからさん・・・細身で美しくて、超お転婆・・・なんか八重さんを彷彿とさせるんですけど、ライバル登場ってのは、
少女マンガでもお約束な盛り上げ方・・・なんか、楽しみになっちゃいますね。女豹メイサさんのナギナタさばきにも、ちょっと惚れぼれしましたしねー。
「わたす、あのひとにだけは、負けたくねー」
この八重さんのつぶやきですが・・・どっかで同じようなセリフを聞いたぞ・・・。
79年の作品、「機動戦士ガンダム」で、ありし日の主人公アムロは、敵将、ランバ・ラルに対して、こう、つぶやきます。
「僕は、あのひとにだけは、勝ちたい・・・」
同じじゃん・・・(笑)。お約束でしょうかねー。
いやあ、おもしろいですね。こんな冗談を散りばめながらも、僕は割りと真面目にエンターテイメントとは、こういうお約束が楽しいと言いたいわけです。はい。
女性は恋も仕事も・・・。
まあ、今回ミネにつらく当たる、うらの本音もわかったし・・・大変だよね。お母さんというお仕事も・・・。
ということで、その旦那、覚馬さんですが、勝麟太郎さんに、
「日本のことを考えろ!」
と言われて、いつものごとく、
「じゃあ、俺達はどうすればよかったんだ!」
と、あえぐ・・・。
なんか、会津藩的にも絶体絶命の時が近づいているし、覚馬的にも、その時が近づいていますねー。
Xデイ、近づく・・・そんな予見をしつつ、物語をさらに楽しんでいきたいものですね。
今週の喜び
えー、出産のシーンや、旦那様にすがりつく・・・というか、抱き合うシーンは、女性向け大河ドラマでは、お約束シーンでもあります。
まあ、トンデモ大河ドラマ「天地人」では、常盤貴子さん演じるお船が二回もやってたし、まあ、女性は共感を持ちますよね。
女性にとって、出産は戦・・・だろうなあって思いますねー。僕も早く子供が欲しいですよ。ああいうのを見ると、ね。
そして、女性は愛しい旦那さまに優しく抱きしめられたい・・・それも当然です。
人生かけて、探しだした大事な大事な旦那さまですから、恋の時間こそが、女性の最もしあわせな時間ですからねー。
というわけで、大河ドラマのゾクゾクする時間を楽しんでいるわけですが、まあ、こうやって、言葉にすると、いろいろなことが考えられておもしろいですねー。
慶喜のことを考えれば、指導者の資質や条件も見えてくるし、
八重ちゃんのエピソードでは、エンターテイメントとしての役割も見えてくる。
ライバル登場で、少女マンガ的な要素も楽しめるし、出産や恋を頑張っている女性たちの姿も垣間見ることが出来る。
やっぱり、大河ドラマって、人生に有益です。
いろいろなことを考えることが出来るし、その契機になりますからね。
いろいろなことがわかっている、素敵な大人になること・・・これが男性の人生をかけた目標ですから、その目標に資するのが大河ドラマですよねー。
要は使い方だと思います。大河ドラマをどう使うのか・・・ここに辿りつきますよね。
人生に有益になるように、存分に使い尽くす・・・それこそ、大河ドラマの使い方の本筋だと僕は思いますね。
だって、楽しいもん!
それでいいんです。それで!
しかし、剛力彩芽ちゃんが出てくると、ほんと癒されるよねー。うん、ほんと、にねー。
しかし、徳川幕府は潰れるべくして、潰れたんですねー。自分でレビューしながら、なーるほどーって、思っちゃいました。
いやあ、慶喜恐るべしですね。つーか、ほんと、バカ元首相のおかげで、潰れた民主党とほとんど同じ構図なんだから、おもしろくって笑っちゃうよねー。
歴史は繰り返す。だってDNAが同じなんだから、そういうことなのよねー。
というわけで、次回も存分に楽しみましょう!
ではでは。
今週のあれ、どうなん?
なんか、「ごきげんよう」で見慣れちゃっているせいか、小堺さんの関西弁姿が、どうも・・・なんか、おもしろいですよね。昨年の兎丸の関西弁に通じるものが・・・。
西日本では評判がよろしくないと聞きますが、貴方はそちら側のスタンスでしょうか?
女性が大河ドラマの主人公になることに批判的か?
という質問ですが、さすがに僕はそれ程小さい人間ではありません。
僕はこの「八重の桜」楽しんでますよ。
ただレビューをする場合に、
「おもしろい楽しい」
だけでは単なる個人的な感想文になってしまうので、
批判精神というのは必要だと思いますね。
その場所に立った上で、近い時代の政治などと比較してみる。
そういう作業をやっているつもりです。はい。
そういうスタンスです。はい。