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社会保険労務士としての日々の業務を行う中で、考えたこと、感じたこと、伝えたいことを綴る代表コラム。

70歳以上の在職老齢年金について

2016-04-10 22:16:51 | 年金

70歳以上で働いている場合の在職老齢年金の支給停止については、意外に知られていないかもしれません。

厚生年金保険の当然被保険者は70歳未満とされ、70歳に到達すると被保険者資格を喪失することになります。それでは70歳以上の場合は厚生年金保険の適用事業所に使用されていても何も影響がないかというとそういうわけではありません。

70歳以上になっても当然被保険者に該当する要件(所定労働時間等がその事業所の同様の業務に従事している一般労働者の概ね3/4以上であること等)を満たす場合「70歳以上被用者」とされ「70歳以上被用者該当届」を届け出ることになります。なぜこの届出を行うかというと、65歳以上の在職老齢年金が引き続き適用されるためです。従って、報酬額によっては70歳以上であっても在職老齢年金として年金が支給停止される場合があるということになります。なお保険料は70歳以上の場合徴収されることはありません。

※70歳以上で在職老齢年金の支給停止になる場合は、あくまでも働いている事業所が厚生年金保険の適用事業所であり、本人も70歳未満であれば当然被保険者に該当する時間数等で働いている場合であり、たとえば個人経営の事業主として働いている場合については在職老齢年金の支給停止になることはありません。

70歳以上で当然被保険者と同様の勤務時間で働いている場合というのは一般のサラリーマンであると少ないかもしれませんが、自分で会社をやっている社長などは70歳以上の方も多く、また報酬も高いため70歳以上であっても老齢基礎年金しか受給していないというケースは結構あるものです。

そもそも平成12年の改正までは、65歳以上は年金を全額支給することになっていました。しかし平成12年の改正により60歳代後半(65歳以上69歳)は、在職老齢年金の支給停止の仕組みを導入することになりました。この60歳代後半の在職老齢年金の支給停止の仕組み(高在老)は、60歳代前半の特別支給の老齢厚生年金の支給停止の仕組み(低在老)より緩やかなものです。また支給停止は2階部分の老齢厚生年金に対してのみ行われ、1階部分の老齢基礎年金は全額支給されることになっています。

この平成12年の改正による60歳代後半の在職老齢年金の支給停止は平成14年に施行されるのですが、平成16年にはさらに上記に書いた70歳以上に対しても同様に在職老齢年金の支給停止の仕組みを導入する改正がありました。

しかし平成16年の改正が決まったとき、施行日である平成19年4月1日において70歳以上である昭和12年4月1日以前に生まれた人については在職老齢年金の支給停止は行わないとされました。すでに年金を満額受給している70歳以上の年金に対しての既得権を守った形になりました。

ただ平成27年10月1日からは、この昭和12年4月1日以前の老齢厚生年金についても在職老齢年金の支給停止が適用されることになりました。これは被用者年金一元化法によるもので、共済年金には昭和12年4月1日以前生まれの特例はなかったことが原因です。

昭和12年4月1日以前生まれの人についての支給停止については60歳代後半の在職老齢年金の仕組みが適用されますが、平成27年9月30日以前より引き続き勤務している場合は激変緩和措置が適用され、報酬と年金の合計の10%が支給停止の上限になっています。

https://www.nenkin.go.jp/jigyonushi/index.files/1120.pdf#search='78%E6%AD%B3%E3%80%81%E6%98%AD%E5%92%8C12%E5%B9%B4%E4%BB%A5%E5%89%8D%E7%94%9F%E3%81%BE%E3%82%8C

北島康介選手が引退することになりましたね。今回も何とかリオに行って欲しいと思っていましたので残念な気持ちでいっぱいですが、やはりいつかはそういう時が来るということで仕方がないのだろうとも思います。

またオリンピックに挑戦すると聞いた時に、みじめなことにはなって欲しくないという思いと、北島ならやってくれるんではないかという思いがありました。柔道の野村忠弘選手が引退することになった全日本を観戦して負けたところを見ていた北島選手が、自分のことと重ね合わせているのだろうなというのはその表情からよくわかりました。そのあとの挑戦についてはここのところよく報道されていた通りです。

これまでの軌跡の中では特に北京の100メートルが一番会心の泳ぎだったようですが、私の中でも同様でした。ミスチルの「GIFT」とともにどれだけ励まされたかわかりません。何度も感動させてもらいましたが、今回も最後の最後まで挑戦し続けることで「やり切った」といえるところまで私も頑張ってみようと励まされました。

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