OURSブログ

社会保険労務士としての日々の業務を行う中で、考えたこと、感じたこと、伝えたいことを綴る代表コラム。

ILOの国際労働基準について

2017-06-25 22:33:21 | 労働法

1年半前から連合会の国際化推進特別委員会の委員を務めさせて頂いており、その関係でILOの代表や事務局の担当者の方にお会いする機会が比較的頻繁にあります。何かの折に「国際労働基準 ILO条約・勧告の手引き」を頂いたのですが、最近少しゆとりができてゆっくり読んでみました。

これまで労働基準法をはじめとして国内の労働法についてはほとんど国内の事情で成立したり改正になったりしている頭しかなかったのですが、国際労働基準としてのILOの条約と勧告があり、この条約の批准がベースになっているということをもっと知っておくべきだと、読んでみて痛感しました。

ILOの条約と勧告は、狭義の国際労働基準を構成しています。

条約は国際的な最低の労働基準を定め、加盟国の批准という手続きによって効果が生じます。条約の発行には、通常2か国の批准が必要とされます。批准国は、条約を実施するために必要な措置を執るという国際的義務を負うことになり、廃棄の手続をとらない限り、たとえILOを脱退しても一定期間はその条約に拘束されることになります。

勧告は、批准を前提とせず拘束力はありません。勧告は、加盟国の事情が相当に異なることを配慮し、各国に適した方法で適用できる国際基準で、各国の法律や労働協約の作成にとって一つの有効な指針として役立つものになります。

条約を批准した場合の義務としては、「その条約の諸規定を自国の法令の中に取り入れるため必要なあらゆる措置をとらなければならないとされています。したがって、もし現行の国内法又は行政措置が条約の規定に抵触する場合は、これを廃止または改正しなければならず、必要に応じて新たに法令を制定したり行政措置を講じなければならないとされています。

ILOの駐日事務所のHPを見ると条約の批准状況がわかります。

 http://www.ilo.org/tokyo/standards/list-of-conventions/lang--ja/index.htm

例えば「2000年の母性保護条約(第183号)」は日本は未批准です。内容を見てみるとおおむね法律でカバーされていると思われますが、「第8条2 女性は、母性休暇の終了時に、原職又は当該休暇の直前と同一の額が支払われる同等の職に復帰する権利を保証される。」とあり、これについては法定化はされていません。しかしこの条約全体を見てみると、労働基準法の定めのどの部分であるかを確認してみたり、これまでの改正を思い出したりと、根拠を確認できて非常に面白いです。

http://www.ilo.org/tokyo/standards/list-of-conventions/WCMS_239185/lang--ja/index.htm

 ちなみに日本の条約批准数は49、一加盟国当たりの平均批准条約数は約43だということです。

週末までに日常的な相談業務や規程の改定の作業を行いながら、10月の育児休業の改正の原稿を順調に仕上げることができましたので、今週末はBBクラブのレジュメに取り掛かりました。ここ数年、原稿やレジュメ作りもだんだん慣れてきたのか、作り上げるのにかなりスピードが出てきたような気がします。人間やはり時間をかけて繰り返していけば習熟してくるということですね。

連合会の委員会では今インドネシアに社労士制度を普及させる活動を熱心にやっていて、私もその末席でジタバタしているのですが、いかんせん英語が話せないのが歯がゆい限りです。それでも懇親会の際などは、通訳・翻訳アプリをスマホ入れて持ち歩き、画面のマイクに日本語で語り掛けると、指定の言語で翻訳して音声を発してくれ、文章も小さく出てくるものを活用しながら少しでも話をすることにしています。なかなか便利です。

昨日実家に久しぶりに行って庭に降りてみたところ色々な木々や花が咲いていて、それほど広い庭ではないのですがそこここの植物を見ているととても癒されるような気がしました。最近自宅もベランダに鉢植えが増えてきて、季節も良いことから朝起きるとすぐにベランダに出てみるのが楽しみになっています。


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役員専属自動車運転手の断続的労働について

2017-06-18 23:59:19 | 労働時間

役員専属運転手さんの労働時間は役員が朝出社してから夜のお付き合いが終わり帰宅するまでとかなり長くなることが多いのかと思います。以前はいわゆる「お抱え運転手さん」というのは比較的大きな企業では一般的だったかと思いますが、昨今ハイヤー会社と契約をしていることが多いかと思います。

そもそもお抱え運転手さんというのは手待ち時間が長く実質運転している時間は短いのではないかと想像できるので、労働基準法第41条で定める労働時間・休憩・休日の適用除外の一つである監視断続労働に当たるのではなかったかと調べたところ、通達が出ていました。

まず、労働基準法第41条の労働時間等の適用除外については以下の人たちが該当します。

(労働時間等に関する規定の適用除外)
第41条 この章、第六章及び第六章の二で定める労働時間、休憩及び休日に関する規定は、次の各号の一に該当する労働者については適用しない。
一 別表第一第六号(農業。林業を除く)又は第七号(水産業)に掲げる事業に従事する者
二 事業の種類にかかわらず監督若しくは管理の地位にある者又は機密の事務を取り扱う者(いわゆる管理監督者)三 監視又は断続的労働に従事する者で、使用者が行政官庁の許可を受けたもの

上記にある通り、監視又は断続的労働が適用除外される場合は労働基準監督署長の許可が必要になります。それではその許可はどのような場合に行われるかということになりますが、許可基準も通達で示されています。

労働基準法第条の「断続的労働に従事する者」の許可基準(昭和22年9月13日発基17号、昭和23年4月5日基発535号、昭和63年3月14日基発150号、婦発47号)

 断続的労働に従事する者とは、休憩時間は少ないが手待時間が多い者の意であり、その許可は概ね次の基準によって取り扱うこと。

(一) 修繕係等通常は業務閑散であるが、事故発生に備えて待機するものは許可すること。

(二) 寄宿舎の賄人等については、その者の勤務時間を基礎として作業時間と手待時間折半の程度まで許可すること。ただし、実労働時間の合計が8時間を超えるときは許可すべき限りではない。

(三) 鉄道踏切番等については、1日交通量10往復程度まで許可すること。

(四) その他特に危険な業務に従事する者については許可しないこと。

 上記基準に加えて役員専属自動車運転手についても昭和23年7月20日基収2483号で以下の通り示されています。
(問)
 事業場等の高級職員専用自動車の運転手は勤務時間としては長時間に及ぶこともあるが、その半分以上は詰所において用務の生ずる迄全然仕事がなく待っている場合、これを断続的労働として取扱えないか。
(答)
 設例の如き場合には断続的労働として取扱って差支えない。

役員専属自動車運転手の断続的労働が認められるのは「半分以上は詰所において仕事がなく待っている場合」ということになるでしょうか。

今週は無期転換の準備のため契約社員就業規則を加筆修正したり、7月のセミナーのレジュメの準備をしたり、10月の育児介護休業法の改正の原稿を書くための準備をしたりしていました。無期転換については労働条件を「従前と同一」とした場合であっても、契約社員就業規則など加筆修正する箇所が結構あり、頭を使う必要がありました。また10月の育児休業の改正原稿については、いつも通りまだ政省令や指針が要綱までしか出ていない段階でのとりかかりであるため、労働政策審議会雇用均等分科会の資料等を読み込む必要があり、なかなか掘り起こしが楽しいです。

時間ができそうなので労働政策審議会の傍聴にも行きたいと考えているのですが、これがなかなかあれこれ予定が入ってしまい忙しくもう少し先の計画になりそうです。 


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雇用保険の基本手当 受給期間の延長について

2017-06-11 17:50:10 | 労働保険

失業した際に受給できる雇用保険の基本手当の受給期間の延長申請の期限が、平成29年4月1日から変わりました。もともと基本手当の受給期間は、原則として、離職した日の翌日から1年間ですが、その間に病気、けが、妊娠、出産、育児等の理由により引き続き30日以上働くことができなくなったときは、その働くことのできなくなった日数だけ、受給期間を延長することができます。延長できる期間は最長で3年間(本来の受給期間と合計すると受給期間は4年間)となっています。

これまで、この場合手続きとしては、引き続き30日以上職業に就くことができなくなった日の翌日から起算して「1カ月以内」にしなければならないことになっていました。

その手続きが今年の4月1日以降、「延長後の受給期間の最後の日までの間」であれば、申請は可能とされました。なお、住所の管轄するハローワークに申請しますが、代理人又は郵送の申請も認められます。また、延長後の受給期間の最後の日前までに延長申請をしたとしても、以下のリーフレットにある通り延長される受給期間の中でしか基本手当は受給できないので、申請した時点で延長される受給期間が基本手当の日数分より短い場合はその日数分しか受給することはできませんので注意が必要です。

うっかり受給期間の延長申請をし忘れて失業給付をもらうことができなかった方でも、この改正により受給できるようになるかもしれないので確認してみるとよいと思います。

http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11600000-Shokugyouanteikyoku/0000163256.pdf

ところで受給期間の延長はどのような場合認められるかということになりますが、以下の理由が認められます。
イ 妊娠  産前6 週間以内に限らず、本人が、妊娠のために職業に就き得ない旨を申し出た場合。

ロ 出産  出産は妊娠4 か月以上(1 か月は28 日として計算する。4 か月以上というのは85日以上のこと。)の分娩とし、生産、死産、早産を問わない。また、出産は本人の出産に限られます。

ハ 育児  育児とは、3 歳未満の乳幼児の育児とし、社会通念上やむを得ないと認められる理由により親族が3 歳未満の乳幼児を預かり、育児を行う場合にも、受給
期間の延長を認められます。

ニ 疾病又は負傷 なお、傷病手当の支給を受ける期間については受給期間の延長の措置の対象とはなりません。

ホ イからニまでの理由に準ずる理由で管轄安定所長がやむを得ないと認めるもの
(イ) 次の場合はこれに該当します。
a 常時本人の介護を必要とする場合の親族の疾病、負傷若しくは老衰又は障害者の看護内縁の配偶者及びその親若しくは子はここにいう「親族」に該当すると解し、親族の配偶者についてはこれに準じるものと取り扱うことになります。
b 小学校就学の始期に達するまでの子を養育する場合の負傷し、又は病気にかかったその子の看護(aに該当するものを除く。)
c 知的障害者更生施設又は機能回復訓練施設への入所
d 配偶者の海外勤務に本人が同行する場合
e 青年海外協力隊その他公的機関が行う海外技術指導等に応募し、海外へ派遣される場合(派遺前の訓練(研修)を含む。)
ただし、青年海外協力隊以外の公的機関が行う海外技術指導等の中には、ボランティア(自発的に専門的技術や時間、労力を提供する行為)ではなく就職とされるため該当しません。
f eに準ずる公的機関が募集し、実費相当額を超える報酬を得ないで社会に貢献する次に掲げる活動(被災地の支援活動や身体障害者療護施設などでの支援活動等をいい、専ら親族に対する支援となる活動を除く。)を行う場合。
また、逮捕、勾留及び刑の執行や上記dのケースを除いた海外旅行は該当するとは認められません。

雇用保険事務取扱要領に詳しく書かれています。50271(1)受給期間の延長が認められる理由
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11600000-Shokugyouanteikyoku/0000160152.pdf

最近塩分控えめの料理を研究しています。色々とみると食塩が入っているものは多いですし、なかなか大変なのですがちょっとチャレンジ精神を刺激されて減塩のしょうゆをはじめ減塩の調味料を使い、お味噌汁の味噌もぐっと控えてみたりしています。味は、ちょっと物足りない時もありますが意外においしいと思う時もあります。

この頃朝も以前より早く目が覚めるようになりいよいよそういうお年頃かなと思うのですが、まだまだ仕事や勉強がしたいので健康には気を付けようと思っています。


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研究することについて

2017-06-05 00:13:45 | 雑感

社労士に限らず日常的な仕事をしていると、一つ気になることがあり調べてみたいと考えたとしても、なかなかそこで立ち止まり時間をかけて調べたり感じたりはできないものだと思います。週末「研究」についてのガイダンスを聞く機会がありなるほどと感じたのですが、確かに日常の相談業務に追われているとなかなか一つのことに対して徹底的に調べることができないもどかしさがあります。ガイダンスでは、裁判官が一つの判決を出すには期限があり、気になることがあったときに研究者のように時間をとることができないという点で研究者は満たされるものがあるということでした。それは社労士の相談業務をやっていても同じようなことが言えるように思いました。

TACの教材を担当していた時は、著者の島中先生が毎年新標準テキスト全11巻それぞれについて膨大な原稿を追加をするため、そのチェックをする中であちこちひっくり返しながら確認する作業を担当させてもらったおかげで非常に力がついたと思います。あの頃は、一つの文章の根拠はどこにあるのか書籍やネットを探し回って2時間くらいあっという間に時間が過ぎていたなどということもしばしばだったのですが、研究というのはそういう一見無為とも見える時間を積み重ねた結果一つの結論ともいえるものに行きつくのかもしれません。

研究というのは、発明といえるものは少し別物なのかもしれませんが、既存の研究水準の確認としての勉強を多く積み上げてその上に少しだけでも良いので独自の視点・知見を付け加えられるのが最終目的ではないかという話を聞いてなるほどと思いました。

社労士としての年月も25年となり、少し本腰を入れて自分の専門になりうるテーマを見つけて研究していきたいと思いました。

先週金曜日は東京都社労士会の総会がありました。2年間副会長として地元の統括支部長と兼務したこともあり非常に忙しかったのですが、とても貴重な経験もさせて頂くことができたと思います。この2年間はこれまで支部で親しくしていた仲間だけでなく東京会の中で接したことがなかった方たちとも委員会活動を通じて親しくなることができたのは本当に財産になりました。今回副会長を退任することになりましたが、これまでお話したことがなかった重鎮の先生がわざわざ声をかけに来て頂いたり励まして頂いたり、支部の後輩たちや一緒にこの2年間苦楽を共にした周りの方たちにまだまだやることはあるから頑張るようにという言葉をかけて頂きましたので、これから自分が経験させてもらったことベースにできることは何なのかを考えていこうと思います。


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治療と就労の両立支援マニュアル(脳卒中)

2017-05-29 00:35:57 | 労務管理

労働者健康安全機構から「脳卒中に罹患した労働者に対する治療と就労の両立支援マニュアル」が出ています。「脳卒中」だけではなく「がん、糖尿病、脳卒中、メンタルヘルス」の疾病4分野について作成されており、その中身も非常に社労士や人事担当者が見て役立つ内容だと思いました。

https://www.johas.go.jp/Portals/0/data0/kinrosyashien/pdf/bwt-manual_stroke.pdf

(抜粋・1部略)一般の方々は、「一旦脳卒中になってしまったら障害が残り、元の生活は望めない」といった悪いイメージをもつことが多いようです。しかし、労働者年齢の脳卒中は意外と予後が良く、データを分析すると、発症前に自立していた就労年齢890例の脳卒中患者(くも膜下出血を除く)においては、発症3ヵ月後の時点で既に約75%が自立した家庭生活を送っていました
一方で復職状況については決して良好とはいえないようです。脳卒中後の復職に関する医学論文を概観した結果、発症前有職の8,810人の復職率は平均44%であったと報告しています。また、勤労年齢脳卒中患者の復職を成功させる要因として、①復職的な方向性を持ったリハビリの提供、②雇用主の柔軟性、③社会保障、④家族や介護者からのサポートを挙げている一方で、提供すべきリハビリサービスの内容もほとんど知られていないという医療分野における復職支援の希薄さも指摘しています。

これまで厚生労働省から「事業場における治療と職業生活の両立支援のためのガイドライン」が出ていましたが、「脳卒中」の予後の復職等に対して作られたものは初めてなのではないかと思います。

顧問先からもこういった病気の社員の方への配慮や雇用上の留意についてのご相談を受けることが増えてきましたので、これからはますます職場では大きなテーマになってくるのではないかと考えます。自分もスタッフを雇う身としてはこういうガイドラインがあったらよかったのにと思います。対応については、周りのご家族や産業医や主治医の意見を聞きながら復職してもらうことが大切なのだなと思いました。

毎日とても気持ちが良い季節になりました。5月もあっという間に終わりそうです。今週末は事務所の3年間の試算をしてみたのですが予測はなかなか難しいです。しかしこれまでに比べて試算項目について合理的な説明ができるようになったので、今後は毎年どのくらい売り上げを上げるかという目標も明確に立てていこうと考えています。


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女性活躍推進法に係る一般事業主行動計画について

2017-05-21 23:48:54 | 労働法

平成28年4月から、300人超の労働者を雇用する事業主は「一般事業主行動計画」の策定等を行うことになっています。先日東京労働局と東京都社会保険労務士会との意見交換会で、この一般事業主行動計画の届け出状況が100%達成と説明があり、それほどまでに企業は熱心にこの取り組みを行っていたのかと少し驚きました。確かに厚生労働省の調査結果を見るとほぼ各都道府県とも100%になっています。とにかく昨年は、働き方改革・同一労働同一賃金・長時間労働のことや、育児介護休業法改正、来年4月から始まる労働契約法の無期転換の申し込みに追われており、すっかり手がついていない状況でした(言い訳です)。

ここにきて、関係している女性活躍に関する委員会の委員になることを依頼されたのでその資料を確認していたところ、近いうちに私がこのテーマで話をするという予定が書かれており、焦りを覚え週末少し厚労省のサイトを確認してみたところです。

女性活躍推進法成立については、改正時に一度セミナーを受けたことがあります。一般事業主行動計画の作成はなかなか難しそうな気がしていましたので、ポイントをつかむためにも自分でも経験してみるために、近いうちに顧問先にお声がけをして取り組んでみようと思います。

女性活躍推進法成立のチラシが簡潔で分かりやすいと思うのですが、手順としては以下の通りと書かれています。

①自社の女性活躍状況を把握し、課題分析を行う(基礎項目として採用者に占める女性比率・勤続年数の男女差・労働時間の状況・管理職に占める女性比率の4項目を把握し、課題分析を行う)

②行動計画の策定、社内周知、公表、届出を行う(行動計画については、計画期間・数値目標・取組内容・取組の実施時期の4項目を盛り込む)

③自社の女性の活躍に関する情報公開を行う(女性の活躍推進企業データベースが利用できる)

女性活躍推進法成立のチラシ
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11900000-Koyoukintoujidoukateikyoku/0000123791.pdf

そもそもの考え方はどこから来ているのか、ということですが平成28年2月に経済産業省経済産業政策局が出している「成長戦略としての女性活躍の推進」のかなり情報量のあるパワーポイント資料がありました。その中では、「勤続年数の男女格差が小さい企業、再雇用制度がある企業、女性管理職比率が高い企業の方が、利益率が高い傾向が見られる。」などの記載もあり、女性活躍を政府が中心になってかなり力入れている状況もよくわかります。

企業の「成長戦略」のための 女性活躍推進(経済産業省経済産業政策局)http://www.meti.go.jp/policy/economy/jinzai/diversity/downloadfiles/160205joseikatsuyaku.pdf

確かに女性活躍については、外からの環境を整えて引き上げていくということは大切であると思います。それがなければ進まないとは思います。女性が役職につかず定型業務を中心に仕事をしている状況から脱して、役職の経験を重ねていくことがなければ、いきなり引き上げられても上手くいかないと考えるからです。しかし環境と目標設定による引き上げよりも、できれば自分からやってみたいと手を挙げる人が増えていけばよいなあと思います。男性も自分の意思で得ていくものであれば、女性もその過程を踏んでいかなければ結局説得力がないと思うからです。

先日読んだ本の中に、小池都知事が2013年に自民党には女性議員の少なさについて語っている内容として「(略)それもしっかりした保守の女性が必要です。フェミニズムや男女同権とか言ったアプローチではなく。権利の主張を声高に訴えるのは好きではない。取りに行け、と思っているんですよ」(阿修羅の戦い菩薩の心・徳間書店)とありました。まさに同感といったところです。議員だけでなく、企業でも様々な業界でも本格的に役職を担っていける女性たちが自分たちの意思で出てくるのが理想です。そこには男性と異なる価値観があると思いますので、きっと新たな変化が生まれてくると考えます。


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兼業・副業の場合の労災給付拡充予定

2017-05-14 23:09:09 | 労働保険

5月2日付の日経新聞に、兼業している場合の労災についての保護が検討されているという記事が載りました。以下記事の抜粋です。

「厚生労働省は労働者が仕事中のケガで働けなくなった場合に生活を支援する労災保険の給付を拡充する。今の仕組みでは複数の企業で働いていても、負傷した際に働いていた1つの企業の賃金分しか補償されない。複数の企業で得ている賃金に基づいて給付できるように制度を改める。副業や兼業といった働き方の多様化にセーフティーネットを合わせる狙いだ。

厚労省は複数の企業で働いている人が労災認定された場合に、複数職場の賃金の合計額に基づいて給付額を計算する方式に改める。労働政策審議会での議論を経て関係法令を改正。早ければ来年度にも新しい仕組みを始める。」

確かに、2つの会社に勤務している場合、2か所から給与を受けているわけで、その合計がその人の月の生計費になっているのだと思いますが、今の法律では労災の適用事業としてそれぞれが労働者に支払った賃金から算定した保険料を納付しているため、本人が給付を受ける際も労災事故が発生した会社が支払っている賃金を基礎とした給付を受給することになります。

例えばA社で15万円、B社で10万円の計25万円がその人の月の生計費であるにもかかわらず、B社で労災事故にあって休業する場合は10万円を基礎とした休業補償給付等が支給されるわけです。(働けないのはB社だけではなくA社でも働けない状況になることがほとんどだと思いますので、その場合10万円ではなく25万円の給与の月額合計の逸失利益に対する補償がなされる必要があるわけです)

とはいえクリアしなければならない問題点としては、給付する際の一方の会社から支払われている賃金額の把握をどのように行うか、また事故率によりメリット制の適用があり企業が負担する保険料が変動するわけですがそのあたりの扱いも複雑そうです。

政府が副業を推進しているため、今後このような細かな点での問題点の解消が行われていく必要があり、現場にいる社労士としても気が付いた点については運用面も含めてどんどん発信していくのが重要だと思います。

5月は本当に気持ちが良い日が多いですね。夜型人間の私も最近年齢のせいか夜がめっきり弱くなり、朝も少し早く目が覚めるようになりました。頭を使う仕事は極力午前中か午後の早めに持ってこないと精度が落ちるような気がします。TACの講師時代は、毎日仕事を終え家に戻り食事を作りその後講義の予習や教材作成をしていましたので、若干情けない気持ちになりますが、朝早めに目が覚めるのは嬉しいような気もします。


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リカレント教育

2017-05-07 22:58:01 | 雑感

5月の連休後半はゆっくり過ごす中でこれまで読めなかった資料や本を読む時間が取れました。3月に発表された「働き方改革実行計画」もゆっくり読んでみましたが、いま、本当にたくさんの課題があると実感しました。

その中で気になったのが女性のリカレント教育についての記述でした。「6.女性・若者の人材育成など活躍しやすい環境整備」で取り上げられています。

(1)女性のリカレント教育など個人の学び直しへの支援などの充実 我が国では正社員だった女性が育児で一旦離職すると、復職や再就職を目 指す際に、過去の経験、職業能力を活かせない職業に就かざるを得ないこと が、労働生産性の向上の点でも問題を生じさせている。大学等における職務 遂行能力向上に資するリカレント教育を受け、その後再就職支援を受けることで、一人ひとりのライフステージに合った仕事を選択しやすくする。

このため、雇用保険法を改正して受給できる期間の延長や額の増額など教育訓練給付を拡充するとともに給付を受けられる期間は、子育てによる離職後4年までだっ たものを10 年までに延長する。これまで離職後1か月以内に必要とされていた受給期間の延長手続きをしなければならない制度を、直ちに廃止する、とされています。

リカレント教育というのは実際どのようなものなのかネットで調べてみたところ、「 日本女子大学 リカレント教育課程~女性のための再就職支援プログラム~」がすぐに出てきました。

日本女子大学リカレント教育課程は、「大学卒業後に就職しても育児や進路変更などで離職した女性に1年間(2学期)のキャリア教育を通して、高い技能・知識と働く自信・責任感を養い、再就職を支援するプログラムです。」ということで、2017年度カリキュラムを見てみると、必修科目としては「キャリアマネジメント・Challenging Course for the TOEIC835・ビジネス英語 Basic・ITリテラシー(PC基礎知識 Word・Excel入門・表計算と情報倫理)・日本語コミュニケーション論 」があります。

さらに選択科目には、「企業会計入門や、初級簿記、貿易実務、消費生活アドバイザー(消費生活相談員)資格準備講座 のほか労働法と人事労務管理・労働保険法・健康保険法と国民年金法・厚生年金保険法と社会保険一般常識(社会保険労務士準備講座)」もありました。

そのほか、「女性のライフスタイルと、起業という働き方、NPOとNGO、現代ビジネスと起業、国際協力・ボランティア論、ライフステージと法」など見ていると興味がわくものや面白そうな講座もあります。目指せるスキル一覧は以下の通りとなっています。

TOEIC730~850点・ 貿易実務検定C級・記録情報管理者・ Microsoft Office Specialist Excel
消費生活アドバイザー・公認内部監査人・日商簿記3級以上 ・社会保険労務士

カリキュラムを見てみると「リカレント教育」がイメージできるような気がします。私もそうでしたが、大学を卒業して働いた経験があっても、一回専業主婦となり家庭に入って時間がたつといきなり社会に出るには自信が持てずためらいが出るのが当たり前だと思います。社労士資格を取得するのは簡単ではないと思いますが、1年間このプログラムで勉強することで社会復帰の足掛かりになると思います。

連休中は毎日お天気も良く気持ちの良い日が続きましたね。これまでTACの講師時代は横断セミナーや通常の講義がありましたし、講師を辞めてからもほとんど毎年連休中にたまった仕事を片付けていたような気がしますが、今年は比較的連休明けも余裕がありそうなので思い切って仕事はしないで過ごしてみました。その代わりにツンドク主義に陥っていた本や資料を沢山読むことができましたのでかなり机の上も気持ちもすっきりしました。明日からまた色々な意味で新たな戦略を立てながら進んでいけそうな気がしています。


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転勤について

2017-04-30 23:50:22 | 労務管理

2017年1月11日の日経新聞に、 正社員でも転勤に配慮をということで「厚労省が研究会、3月末までに対策 」という記事が載りました。「研究会の対策には転勤の際に、育児や介護といった家庭環境に配慮するよう企業に求めるねらいがある。」ということで計3回の研究会が開催されているようです。

以下、「転勤に関する雇用管理のポイント(仮称)」策定に向けた研究会が取りまとめた報告書を、厚生労働省のサイトで見ることができます。

「転勤に関する雇用管理のポイント(仮称)」策定に向けた研究会報告書を取りまとめました
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000160196.html

 報告書の中で、転勤の実態を調査している部分がありますが、全国転勤型の正社員(総合職)のうち実際の転勤経験者の割合は、男性については「1割程」度が21.0%で最も割合が高く、次いで「2割程度」が17.2%など、女性については「転勤経験がほとんどない」が51.7%で最も割合が高く、次いで「1割程度」が19.2%などとなっているとあります。

転勤があることにより、困難に感じることはあるかについて、各項目で「そう思 う」又は「ややそう思う」とする者の合計は、 「介護がしづらい」が 75.1%、 「持ち 家を所有しづらい」が 68.1%、 「進学期の子供の教育が難しい」が 65.8%、 「育児が しづらい」が 53.2%、 「子供を持ちづらい」が 32.4%、 「結婚しづらい」29.3%となっ ているともあります。

正社員男性の転勤経験者が1、2割約40%とは少ない感じがしました。私自身は父親が銀行員であったため、まさに転勤族で、また父は地方出身でしたから私が高校3年生までは社宅住まいで、少し昇進すると社宅も移動しなければならず、また東京→大阪→高松とちょうど小学校高学年から高校2年生までの3回の転勤があり、結局入学した学校を卒業できたのは大学のみという状況でした。

とにかく2,3年後には転勤があると親から言われると何となく落ち着かない気分になっていたことは確かですし、転校生はやはりいじめられやすく馴染むまでは苦労もしました。親が転勤している期間2年間は行く学校がなくなるといけないということで2年間学校の寮に入っていたこともありました。

しかし転勤が良くないかといえば、今となっては良かったと思っています。父親の高松支店長次代の部下の方が私にとっては唯一といってよいほど楽しい記憶に残る方たちであったということは、それだけ地方支店時代の人間関係が家族も含め身近であったということだったと思うのです。家族としては、やはり転校したり中学生の頃から親と離れて暮らしたりということが、自分にとっては貴重な経験になっていると思います。転校の経験により、今でも事務所でも支部でも新たに入ってきた人が寂しくないか気になりますし、新たな人間関係に入ることは苦になりません。寮生活は、当初こそ寂しかったですが慣れればこれも楽しく、よく友達と休みの日にはギターを弾いたり、チキンラーメンを部屋のストーブで作って食べたり、学校もすぐ隣でしたから毎日テニスのボード打ちの朝練に1人で通って身体も丈夫になりました。

家族を持つ女性や介護期間中の場合、転勤するのはなかなか厳しいと推察します。こういう研究会ができて配慮がされるのも必要だと思いますが、やはり機会があるのであれば転勤も経験した方がよいと思っています。

少し時間ができそうなのでいろいろな人を招待できる準備をしようと、週末は小淵沢の家に行って花壇にあれこれ植えてきました。咲いてくれるとよいのですが。まだ小淵沢は少し寒く、近くには桜も咲いていました。今年は近くの低山を歩き回ろうと計画しています。

  遠くの八ヶ岳

 


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労災保険と健康保険の調整について

2017-04-23 23:42:51 | 労働保険

平成29年2月1日に、次の内容の平成29.2.1基補発0201第1号「労災認定された傷病等に対して労災保険以外から給付等を受けていた場合における保険者等の調整について」が発出されました。

これまで、労災認定された傷病等に対して過去に健康保険等医療保険から給付を受けていた被保険者等については、医療保険からの給付額を保険者に返還した上で、改めて労災保険給付の請求を行うことを原則としていました。

上記通達によると、被保険者等が医療保険の保険者に返還する必要のある金額に相当する分の労災保険給付の受領について、医療保険の保険者に委任する旨を労働基準監督署に申し出た場合には、返還額相当分の労災保険給付を医療保険の保険者に支払うことにより調整を行うことができることとする、とされました。

要するに、労災給付として受けるべき給付に相当するものを健康保険等で誤って受給していた場合に、その給付分を労災で受給しなおすなどのケースが発生したら、まず健康保険等に一部負担金以外の費用も含め全額支払った上で労災に申請して労災給付を受けていたものを、申し出により労災と健康保険等の保険者間でやり取りをしてくれるので、いったん全額負担する必要がないということなのです。

労災で受けるべき給付を健康保険証を使ってしまったというケースは実務では多く発生しますので、これはとても楽になると思ったのですが、先日事務所のスタッフから「あくまで一度労災認定がされていないとこのケースは該当しないそうです」という報告がありました。確かに冒頭の通達を読んでみたところ「労災認定された傷病等に対して」という文言があります。一度確認してみようと思っていましたところ、金曜日に統括支部の定期会議があり監督署の労災担当の副署長も来賓で来られていましたので聞いてみました。

確かに一度「労災認定」されていないとこの扱いはないということで、でもそれはどういうケースなのかというと、治療については健康保険証を使って健康保険で受けており、労災の療養補償給付を受けず休業補償給付だけを受けていたようなケースがあるそうです。その場合は一度は休業補償給付において労災認定がされていたわけですから、その後治療部分のみ健康保険等から労災保険の療養補償給付に切り替えなおすということになり、そういった場合は全額精算をするのではなく労災保険と健康保険等保険者間で調整してくれるということでした。

なかなかこれは通達でそこまで理解するのは難しく、問い合わせが多いためか通達もネットでは検索できなくなっているようです。

金曜日に山手統括支部の定期会議があり、2年間の統括支部長のお役目を終えました。渋谷支部の支部長時代から数えてまる6年間支部長職についていたことになり、よく考えてみるとずいぶん長い間支部長を務めさせて頂いたものだと思います。やはり流石に寂しいものがありますが、肩の荷が下りた感じもあります。

今日はスマホと携帯の一本化をすることにして、ドコモショップで3時間と家に帰って種々の設定で一日が過ぎました。何とかだいたいの作業を終えることができましたが、長年使ってきた携帯メールがスマホメールに代わるのが心配です。

 2017.4.21山手統括支部定期会議


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無期転換時の労働契約の成立について

2017-04-16 22:09:55 | 労働法

今週は月末に渋谷労働基準協会で行う無期転換の実務対応セミナーの準備を開始しました。これまでも何度かこのテーマでセミナーをさせて頂いているのですが、平成25年の法改正後5年を経過する来年の4月以降無期転換権の行使がいよいよ開始されるためレジュメを再編しています。

法改正後の4年間の中で、定年後の有期雇用についての特例ができたり若干の変更事項があったためもう一度体系だてて無期転換を考えてみようと思うのと、同一労働同一賃金ガイドライン案も視野に入れた無期転換社員用就業規則モデルを作ってみようと思っています。

その中で労契法の条文を再度確認してみたのですが、無期転換が「新たな労働契約の成立」なのか、「労働条件の変更」なのかどうかは議論があるところのようです。新たな労働契約であると考えれば以下の労働契約法第7条が適用されることになります。

第7条   労働者及び使用者が労働契約を締結する場合において、使用者が合理的な労働条件が定められている就業規則を労働者に周知させていた場合には、労働契約の内容は、その就業規則で定める労働条件によるものとする。(略)

厚生労働省が出している「無期転換のあらまし」にも、「無期転換した場合の労働条件については、労働者と使用者の間で認識に齟齬がないように、あらかじめよく確認し合うとともに、無期転換前と異なる労働条件を適用する必要がある場合には、労働協約、修行規則、個々の労働契約で定めておくことが必要です。」とありますから、新たな労働契約の成立と考えてよいように思います。

どちらにしても、労働者と使用者の合意があって無期転換契約は成立するので、無期転換後の労働条件の変更について、転勤があるなど不利益といえる部分が別段の定めとされていても不利益変更とは言えないのではないかと考えています。

先週は関東甲信越の社労士会の正副会長が集まる会議がありました。先輩の女性社労士の先生と5人部屋で色々なお話を伺ったり、なかなかゆっくりお話しできない他県会の先生とのお話を聞いたりして、やはり情報が集まるという点で東京会がもっといろいろな発信をしてリードすべきなのだろうなと思いました。

今日は急に夏になりましたが、東京会のBBQに参加しました。参加してくれた子供たちや孫たちがとても可愛かったのと春のお花がきれいでした。今年の連休は長いですね。読みたい本が沢山あるので連休中に読破するつもりです。 


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偽装請負とは

2017-04-09 20:59:50 | 労働法

偽装請負とは、「請負ないし業務委託契約の形式をとりながら、注文者ないし業務委託者が、請負人ないし業務委託者の労働者に直接指揮をしている関係をいいます。(「労務インデックス」より:税務研究会出版局)

どのようなケースであると偽装請負とされているかについては、「労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準」 (昭和61年労働省告示第37号)と疑義応答集が第1集と第2集が出ているので、疑問になった際はこの疑義応答集を確認してみる必要があります。例えば疑義応答集第1集には「5.発注者の労働者と請負労働者の混在」の回答は以下のように書かれています。判断のポイントは「発注者等の直接の指示」があるかどうかということになります。

http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyou/gigi_outou01.html

A 適正な請負と判断されるためには、請負事業主が、自己の労働者に対する業務の遂行に関する指示その他の管理を自ら行っていること、請け負った業務を自己の業務として契約の相手方から独立して処理することなどが必要です。
 これらの要件が満たされているのであれば、仮に両事業主の作業スペースがパーテーション等により物理的に区分されていることがなくても、それだけをもって偽装請負と判断されるものではありません。
 また、同様に、上記の要件が満たされているのであれば、パーテーション等の区分がないだけでなく、発注者の労働者と請負労働者が混在していたとしても、それだけをもって偽装請負と判断されるものではありません。
 ただし、例えば、発注者と請負事業主の作業内容に連続性がある場合であって、それぞれの作業スペースが物理的に区分されてないことや、それぞれの労働者が混在していることが原因で、発注者が請負労働者に対し、業務の遂行方法に必然的に直接指示を行ってしまう場合は、偽装請負と判断されることになります。

なお、派遣法第40条の6は、労働契約申込みみなし制度を定めており、いわゆる偽装請負等の場合については、当該行為を行った時点において、労働者派遣の役務の提供を受ける者が派遣労働者に対して、善意無過失の場合を除き、「労働契約の申込みをしたものとみなす」とされています。

今週はどこもお花見で賑わっていました。顧問先にお伺いした日も皆さんでお花見に行かれるとのこと。前日から場所取りをされているということでそのお役目の方はたいへんですがその分盛り上がるのだろうなと思いました。やはり桜の時期は何となく楽しいですね。今週からいよいよダウンコートともお別れし新たな年度が開始しました。

昨日は同じ支部の大野先生が藍綬褒章を受章されたお祝い会があり、全国の社労士が集まられ盛会でした。特にお役目がない会というのも久しぶりで、この2年間連合会の理事を務めさせて頂いてお世話になった先生方に御礼をすることができる良い機会となりました。めったに会うことができない社労士の先輩とも久しぶりにお話しできてジ~ンとする言葉をかけていただいたり、受講生OBにも何人か会うことができて、「何とかやっています」と言いながら活躍している様子。受講生時代が思い出され本当に嬉しかったです。

また私も今年度新たな気持ちでいろいろなことに取り組んでいきたいとワクワクしています。


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育児休業2歳まで延長可能に

2017-04-02 22:40:28 | 法改正

改正雇用保険法と関連法が3月31日に可決成立しました。雇用保険料の引き下げ、育児休業期間が条件に該当すれば2歳まで取得できる等の改正ですが、主な内容については以下の概要がわかりやすく取りまとめられていますのでご確認ください。

http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/soumu/houritu/193.html

1月施行の改正に引き続く育児介護休業法の改正ですが、今回はそれほど盛沢山の改正内容というわけではありません。ただ付帯決議がついたという点は特徴があると思います。

今回の育児介護休業法の改正の目玉は、これまでも保育所に入所できない場合は原則1年の育児休業を1年半まで延長できることになっています。ただ認可保育所が充足しているわけではないということから、10月から、保育所に入れない場合等に限りさらに6か月の再延長が可能になり最長2年まで育休がとれるようになりました。

また、男性の育休取得率を上げるため、「パパ・ママ育休プラス」の活用促進と、父親に一定期間の育休を割り当てる「パパ・クオータ制」の導入を検討するよう政府に求める付帯決議がつきました。

付帯決議は「待機児童問題の解消と保育サービスの量的質的拡充を最優先に取り組むこと」、また「保育士の処遇が他産業に比して遜色ない水準が実現されるよう具体的な対策を講ずること」とされたほか、以下の通りパパ・クオータ制の導入に向けて検討することとされています。

2 本法の施行後二年を目途として、育児休業制度の対象となる労働者等への事業主からの個別周知の有無を調査すること。また、本法附則の規定に基づく検討においては、男性の育児休業取得率が依然として低いことに鑑み、利用率の低いパパ・ママ育休プラス制度の活用促進に向けた改善措置を講ずるとともに、父親に一定期間の育児休業を割り当てるパパ・クオータ制の導入に向けて検討すること。

パパ・クオータ制とは?(公益財団法人日本女性学習財団HPより)

父親に一定の育児休暇を取得するよう割り当てる制度(Papa Quotaのクオータとは割り当てを意味する)。子どもを養育するための育児休業制度は、男女両方に保障されているが、実際には男性の取得は非常に少ない。このような状況を解消するために考え出されたのが「パパクオータ制」である。1993年、世界に先駆けてこの制度を導入したノルウェーでは、所得補償率100%で42週間の育児休暇が保障されており、その間、男性は最低4週間の休暇を取ることが義務付けられている。もし男性が休暇を取らない場合、その分の休暇は差し引かれる。また男性が女性より多く休暇を取ることも可能である。導入前の男性の取得率は5%程度であったが、現在では80%以上が取得していると報告されている。

今週はいろいろな仕事が一段落したのでとてもほっとしたのかなんとなくふわっと過ごしてしまいました。週末は購入していたPCのセッティングをしたり、BBクラブの幹事会で夏の勉強会の打ち合わせをしたり、大学のOBのための桜祭りと同時に開かれる体育会テニス部の総会に行って帰りに吉祥寺で雑貨を見たりして珍しく仕事はせず過ごしました。これが普通なんだと思いますが新鮮な感じでした。


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36協定 一定期間を3カ月に設定する場合

2017-03-26 23:12:07 | 労働時間

36協定の締結は4月1日を初日として締結することが多いかと思いますが、36協定の免罰効果は届出をして初めて発生するため4月1日以前に届け出ておかないと4月以降時間外労働や休日労働をした場合に違法になってしまうことに注意が必要です。特に今年は4月1日が土曜日ですので、3月31日までに届け出を済ませておく必要があります。

ところでこのところ当然に36協定の内容の確認依頼が多いのですが、特別条項について3カ月の延長時間を定めてみたいという会社が今年はやや多めに感じています。

そもそも36協定の延長時間は、「1日についての延長時間及び1日を超える一定期間」についての延長時間を協定しなければならないこととされており、一定期間については、「1日を超え3箇月以内の期間及び1年間」とされています。ということは、1日・1カ月超3カ月以内・1年の延長時間を定める必要があるということです。この1カ月超3カ月以内の期間は、圧倒的に「1カ月45時間」と定めることが多いのです。

ところでさらにここで定めた時間数をさらに延長できるとされた特別条項を締結する会社がほとんどであるのですが、特別条項を3カ月(例えば)240時間などと定めようとするのであれば、いわゆる限度基準に基づく延長時間も3カ月120時間以内に定める必要があります。要するに限度基準に基づく延長時間の期間単位と特別条項として定める延長時間の期間の単位は揃えなければならないということです。1カ月45時間で特別条項3カ月240時間と定めることはできず3カ月120時間で特別条項240時間などと定めることになるということです。

これはどこかに通達があったと思い探したのですが、確か以下の通達の「一定期間として協定されている期間ごとに」、という部分が根拠であったと思います。

「時間外労働の限度基準」の解釈(労働基準法第36条関係)(平成11年1月29日基発45号・平成15年10月22日基発1022003号)

 (3) 一定期間についての延長時間の限度
 イ 労使当事者は、時間外労働協定において一定期間についての延長時間を定めるに当たっては、当該一定期間についての延長時間は、限度基準別表に掲げる限度時間を超えないものとしなければならないこととしたものであること。
 ハ 一定期間についての延長時間は限度時間以内の時間とすることが原則であるが、弾力措置として、限度時間以内の時間を一定期間についての延長時間の原則(以下「原則となる延長時間」という。)として定めた上で、限度時間を超えて労働時間を延長しなければならない特別の事情が生じたときに限り、一定期間として協定されている期間ごとに、労使当事者間において定める手続を経て、限度時間を超える一定の時間(以下「特別延長時間」という。)まで労働時間を延長することができる旨を協定すれば(この場合における協定を「特別条項付き協定」という。以下同じ。)、当該一定期間についての延長時間は限度時間を超える時間とすることができることとしたものであること。

 年度末で今週は皆さん忙しいのだろうと思います。私の方は今週でやっと8週連続セミナー講師の仕事が終わりますので少しホッとしています。我が家のベランダでは受講生OBのMさんから頂いたシクラメンがとてもきれいに咲いています。一鉢は4年前、もう一鉢は2年前に頂いたもので、残念ながら3年前に頂いたものだけは翌年を迎えられなかったのですが、2鉢は元気で毎年楽しんでいます。

それでは、来週から新たな年度に入りますので気分一新して頑張っていきましょう。


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時間外労働の上限規制等に関する労使合意について

2017-03-20 23:28:41 | 労働法

経団連のホームページに「時間外労働の上限規制等に関する労使合意文書」が掲載されています。http://www.keidanren.or.jp/policy/2017/018.html

3月17日に働き方改革実現会議において、政府と経団連、連合は、「時間外労働の上限規制」に関して共同提案をしました。企業にとっては非常に気になる繁忙期の特例は安倍首相が示した月100時間未満で決着がつきました。

 労働基準法に指針を定める規定を設け、労働基準監督署は指針に基づき、企業等に必要な助言や指導を行うことになります。「インターバル制度=退社から翌日の出社までに一定時間の休息を設ける制度」については、法改正して努力規程になる予定です。

上限規制の内容としては以下の通りです。(「時間外労働の上限規制等に関する労使合意文書」より抜粋)

1.上限規制

時間外労働の上限規制は、月45時間、年360時間とする。ただし、一時的な業務量の増加がやむを得ない特定の場合の上限については、

  1. 年間の時間外労働は月平均60時間(年720時間)以内とする
  2. 休日労働を含んで、2ヵ月ないし6ヵ月平均は80時間(*)以内とする
  3. 休日労働を含んで、単月は100時間を基準値とする
  4. 月45時間を超える時間外労働は年半分を超えないこととする

以上を労働基準法に明記する。これらの上限規制は、罰則付きで実効性を担保する。

さらに、現行省令で定める36協定の必須記載事項として、月45時間を超えて時間外労働した者に対する健康・福祉確保措置内容を追加するとともに、特別条項付36協定を締結する際の様式等を定める指針に時間外労働の削減に向けた労使の自主的な努力規定を盛り込む。

(*)2ヵ月ないし6ヵ月平均80時間以内とは、2ヵ月、3ヵ月、4ヵ月、5ヵ月、6ヵ月のいずれにおいても月平均80時間を超えないことを意味する。

上記からすると、休日労働を含み単月で90時間の時間外労働をした場合、翌月は70時間に抑えなければならないということになり、細かくブレーキを効かせる感じでしょうか。

2ヵ月ないし6ヵ月平均の80時間と単月100時間には「休日労働時間数も含む」というところがこれまでと比較して非常に厳しく、また月45時間を超える時間外労働は年半分を超えないという点ではこれまでの特別条項の「臨時」と同じ考え方になっています。

勤務インターバル制度は職種によっては導入することが難しいという点もあり、努力規定になりましたが、上記の基準を長時間労働がある企業が守るためには、本腰を入れないといけないと感じます。

いよいよ桜ももうすぐという春めいた空気の3連休で気持ちがウキウキしてきますね。3連休はなんとか無事に最後のセミナーレジュメを仕上げ、駅ビルに入ったニトリを見に行って帰りにお花を買ってベランダに並べたり、「電通の深層」という本を買って読んだりして比較的家の近辺で過ごしました。

国際化推進特別委員会の委員になっているで少しは英語が話せたら(せめてもう少し聞き取れたら)と思っているのですがラジオは挫折したので、4月からテレビの英会話を聞くことにしたのでテレビの予約機能がついたPCを購入したり、乾燥機能が不安定な洗濯機の原因を解消したり、春に向けてかなり準備万端になってきました。

今年は桜を堪能したいですね。


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