OURSブログ

社会保険労務士としての日々の業務を行う中で、考えたこと、感じたこと、伝えたいことを綴る代表コラム。

2016高年齢者雇用状況

2016-12-05 00:22:29 | 労務管理

最近気になるのが定年年齢65歳の時代が来るのかという点です。平成10年に60歳定年義務化が施行されてから大分時間が経っていますし、高年齢雇用確保措置で雇用が義務付けられている65歳を超えている方たちも元気で働けそうな方は多く、65歳定年と70歳雇用確保措置でも違和感がなくなってきているのではないかと考える人は増えていると思います。

しかし65歳定年となると延長された5年間に支払う賃金の負担は企業にとっては重くなるため、その場合は若い世代の賃金を下げることにより調整せざるを得ない可能性もあり、そう簡単に法改正はできない問題だと思います。

少し調べてみましたが、特に65歳定年義務化まで審議されているということは今のところ見たらなかったのですが、公務員については2011年に人事院から意見提出があったようです。

平成28 年「高年齢者の雇用状況」集計結果(厚生労働省)を見ると
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11703000-Shokugyouanteikyokukoureishougaikoyoutaisakubu-Koureishakoyoutaisakuka/0000141160.pdf
1 定年制の廃止および65歳以上定年企業の状況
定年制の廃止および65歳以上定年企業は計28,541社(対前年差1,472社増加)、割合は18.7%(同0.5ポイント増加)
このうち、(1)定年制の廃止企業は4,064社(同154社増加)、割合は2.7%(同0.1ポイント増加)、(2)65歳以上定年企業は   2,477社(同1,318社増加)、割合は16.0%(同0.5ポイント増加)

 【65歳以上定年企業】
 企業規模別に見ると
 中小企業では23,187社(同1,192社増加)、16.9%(同0.4ポイント増加)
 大企業では1,290社(同126社増加)、8.2%(同0.7ポイント増加)
また、定年年齢別に見ると
 65歳定年企業は22,764社(同1,181社増加)、14.9%(0.4ポイント増加)
 66歳以上定年企業は1,713社(同137社増加)、1.1%(同変動なし)

3 70歳以上まで働ける企業の状況 

70歳以上まで働ける企業は32,478社(同2,527社増加)、割合は21.2%(同1.1ポイント増加)
中小企業では30,275社(同2,281社増加)、22.1%(同1.1ポイント増加)
大企業では2,203社(同246社増加)、13.9%(同1.2ポイント増加)

東京労働局職業安定部職業対策課の平成28 年「高年齢者の雇用状況」(都内26,818 社)を取りまとめた結果もだいたい似たような数字になっています。
65 歳以上定年企業は、 4,015 社(同 219 社増加 )、報告した全ての企業に占める割合は 、 15.0 %(同 0.4 ポイント増加 )

企業規模別に見ると、
ア 中小企業では 3,555社(同 178 社増加 )、16.3 %(同 0.3 ポイント増加 )、
イ 大企業では 460社(同 41 社増加 )、9.2 %(同 0.6 ポイント増加 )

また、 定年齢別に見ると
ア 65 歳定年の企業は 、3,837 社(同 200 社増加)、 14. 3%(同 0. 3ポイント増加)
イ 66 ~69 歳定年の企業は、 20 社(同 3社増加)、0.1%(同変動なし)、
ウ 70 歳以上定年の企業は、 158 社(同 16 社増加)、 0.6 %(同 0.1 ポイント増加 )
 
(4) 70 歳以上まで働ける企業の状況
企業規模別に見ると、
①中小企業では 3, 743 社(同 272 社増加 )、 17.2 %(同 0. 8ポイント増加 )、
②大企業では 535 社(同 55 社増加) 10.7 %(同 0. 8ポイント増加)
http://tokyo-roudoukyoku.jsite.mhlw.go.jp/var/rev0/0143/6373/20161028124155.pdf

やっと時間を見つけて小淵沢の家に行って冬じまいをしてきました。この頃かなり太陽光パネルが家近辺にも増えてきた関係からか木を伐採しているのをよく見かけて心配だったのですが、うちの周りもだいぶ森がスカスカになっていました。しかも冬で葉が落ちたためなのか、朝起きてベランダに出てみたところ木の隙間から南アルプスと八ヶ岳が見えることに気が付きました。まわりの森の木が低かったときは八ヶ岳が見えたらしいということは聞いていましたが本当だったんだなと感激しました。短い時間でしたがリフレッシュできました。ということで年末までにしっかり仕事を片付けようと思います。


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時間管理のこと

2016-11-27 23:37:53 | 雑感

最近「メールの時間が遅いですね」と言われることが多々あり、若干問題意識を持っています。本屋さんに行って本を眺めるのが至福の時間ではありますが、つい手に取ってしまうのが「仕事をスピーディーに片づけるには」というような本です。

ブログにも書いたことがあるかと思いますが、「佐藤オオキのスピード仕事術(幻冬舎)」とか「ハイパフォーマー思考(KKベストセラーズ)」とかを読むと自分の仕事もどんどん片付いたりするイメージになるのは良いのですが、実際はそんなわけでもなくかなり夜遅くまで、また休日も仕事をしている状況もたびたびです。

今回購入したのは「仕事に追われない仕事術(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」です。今日は東京会の旅行で鬼怒川に行きましたのでその行きかえりに読んでみたのですが、印象に残ったのは以下の部分でした。

●オーナーの「本当の仕事」とは「オーナーにしかできない仕事」です。会社の方針の決定や戦略立案がそれに当たります。日常業務に入り込み過ぎて、「本当の仕事」を忘れているオーナーが実際には多いのではないでしょうか。…忘れているわけではないのですが確かにその傾向は大です。

●手に負えないほど仕事を抱えれば、仕事の質が落ちるのは当然ですが、それを気にかける人はあまりいないのはなぜか?私のクライアントの中にも、手いっぱいの仕事を抱えているのに「もっと仕事がしたい」という人がたくさんいます。…私もこれですね。

この問題は単純で、仕事の能力と実際の仕事量との兼ね合いに気を配れば解決できます。効率の向上にも限度がありますから、その先は仕事を減らすしかないのです。

ここでは仕事を抱えた原因、つまり、あなたのコミットメントに注目しましょう。上に頼まれたにしろ、自分で引き受けたにしろ、結局はあなたのコミットメントが問題の源泉です。「仕事を減らすこと=コミットメントを減らすこと」です。…色々と面白そうに思うのでついコミットメントしたくなるんですね。

この本に「マニャーナの法則」というものが載っているのですが、「1日に発生する仕事を集めて、必ず次の日にやる」という考え方です。常に仕事に1日分の「バッファー・ゾーン」を設ける考え方ということです。

①今日、新たに発生した仕事を集めておく ②仕事を類別する ③類別した方針に従って、翌日まとめて処理する という方法でメールや書類を翌日集中して処理すると同時にすぐに処理できない手間のかかるタスクは細分化して管理する、ということなのです。

整理してから処理する、というのは確かに良い方法かもしれません。またタスクを細分化するというのは確かに仕事が進む方法だと認識しています。重要な論文がなかなか取り掛かれないという医師には、毎日仕事の開始5分でもよいので書くことを進めるそうです。それはかなり効果的な感じがします。

先週弁護士の渡辺岳先生に東京会の会報に登場いただくためのインタビューに同行してお話を伺う機会がありました。いつも的確な内容で素晴らしいなあと思うのですが、インタビュー後の雑談の中での労働時間のお話は楽しかったです。

労働時間が長いのがすべて悪いかというと、何かを成し遂げるためにはそれに没頭して時間を忘れるということもあるはずで、やらされている仕事と自分で率先して取り組んでいる仕事では心身の負担も異なるのではないかというのは同感でした。

その線引きをどのように設けるのが良いかということをしきりと考えておられる様子で、確かにそこまで考える必要があるのだと目からうろこでした。私ももっともっと深い思考ができるようにならなければいけないなと感じました。


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労使協定まとめ

2016-11-19 22:39:04 | 労働法

例年、労働基準監督署の調査はだいたい夏までであったように思うのですが、今年はまだ少し続いているようです。今年の調査は「長時間労働の抑制」がポイントだったので。時間外及び休日労働に係る労使協定(36協定)違反の部分が是正勧告になってしまったケースが多いと思いますが、賃金の一部控除に係る労使協定(24協定)についても締結していない場合是正勧告とされていました。

そもそも労使協定といっても、労働基準監督署に届け出る必要があるものと必要がないものがあり、24協定は届出が必要がないだけに締結したと思うがどこに保存されているかが分からないという場合もあります。そういう場合はちょっともったいない気がしてしまいます。

以下労使協定をまとめてみました。例えば24協定に係る労使協定は、税金や保険料を控除するだけの場合は必要がありませんが、家賃とか労働組合費など法律に定められていないものを控除する際は締結の必要があります。

●主な労使協定(届出は管轄の労働基準監督署への届出をいう)

労使協定種類

届出

有効期限

有効期間

①時間外の休日労働(36協定)

原則1年間

②賃金の一部控除(24協定)

×

×

 

③1箇月単位の変形労働時間制※

3年以内が望ましい

④フレックスタイム制

×

×

 

⑤1年単位の変形労働時間制

1年程度望ましい

⑥1週間単位の変形労働時間制

×

 

⑦休憩の一斉付与の例外

×

×

 

⑧事業場外労働のみなし労働時間制※

特に示されず

⑨専門業務型裁量労働制

3年以内が望ましい

⑩年次有給休暇の計画的付与

×

×

 

⑪年次有給休暇中の賃金

×

×

 

⑫時間単位年次有給休暇

×

×

 

※労使協定の締結による場合は締結する。

事務所では皆が顧問先の育児介護休業規程の改定を集中的に取り組んでいます。中には平成22年より前の改正も反映していないらしいと言って来られる会社さんもあります。そうなると今あるものの改定より刷新の方が良い場合もあります。

そのほか合併により退職金が算定基礎額に支給率を乗じる方式だったものを統一のためポイント制へ変更する取組、無期転換に備えて評価制度の導入を考えている企業、規程と運用に誤差がないかの精査など様々な仕事があり、その上いろいろな問題も会社では起こっておりアドバイスを求められることに対応するには頭を次々切り替えていく必要があります。都度調べることも楽しいです。社労士の仕事の幅が広がってきたためと言えると思いますが、社労士の仕事というのはつくづく面白いと感じます。


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雇用保険の適用拡大について

2016-11-13 22:01:41 | 労働保険

平成29年1月1日より雇用保険の適用拡大が行われます。これまで同一の事業主に65歳到達日の前日(誕生日の前々日)から引き続いて65歳に達した日以後の日において雇用されている場合のみ、「高年齢継続被保険者」として65歳以上であっても雇用保険が適用されていました。それが1月以降は65歳以上で新たに雇用された場合にも「高年齢被保険者」として雇用保険が適用されることになったものです。詳しくは文末のリーフレットに書かれていますが、手続きとしては以下の通りとなっています。※いずれも雇用保険の被保険者の要件を満たしている場合。

①平成29年1月1日以降に新たに雇用した場合→雇用した時点から被保険者になるため、雇用した日の属する月の翌日10日までに資格取得届を提出する。(労働条件の変更があり適用要件に該当した場合も労働条件の変更日の属する月の翌月10日まで)

②平成28年12月末までに雇用されていたが65歳以上で雇用されたため高年齢継続被保険者には該当していなかったが平成29年1月1日以降も継続して雇用している場合→平成29年1月1日より「高年齢被保険者」となるため平成29年3月31日までに取得届を提出する。

③平成29年1月1日時点で「高年齢継続被保険者」である場合で平成29年1月1日以降も継続して雇用している場合→自動的に高年齢被保険者となるため届出は不要。

ところで雇用保険の被保険者要件というのはこれまで以下の変遷をたどってきました。やはり歴史はなかなか面白いです。

 

週所定労働時間

年収

雇用期間

昭和50年~

通常の労働者のおおむね4分の3以上かつ22時間以上

52万円以上

反復継続して就労する者

平成元年~

22時間以上

90万円以上

1年以上(見込み)

平成6年~

20時間以上

90万円以上

1年以上(見込み)

平成13年~

20時間以上

年収要件廃止

1年以上(見込み)

平成21年~

20時間以上

6カ月以上(見込み)

平成22年~

20時間以上

31日以上(見込み)

http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11600000-Shokugyouanteikyoku/0000136394.pdf

今年の社労士試験の合格率は4.4%ということで昨年ほどではないものの非常に厳しい結果であったと思います。しかし択一の基準点は思いのほか低く42点で救済も3科目あり。これは問題が難しかったのか、少なくともこれ以上低くすることもできなかったであろう基準点だったので、合格率が低くても仕方がないような気がしました。受験生もさることながら、各資格取得校の試験対策、頑張ってほしいですね。

残すところ今年もあと2か月を切り、はや年末年始の準備も始めています。インフルエンザの予防接種も受け、おせちや大掃除の予約もすでに完了しました。その前に来週末は事務所の皆と名古屋1泊の社員旅行に行ってまいります。昨年から1泊の社員旅行で顧問先の関係資料館などの見学をしています。事務所のスタッフも楽しいと言ってくれるのがうれしいです。味噌カツやひつまぶし食べてきます。 


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第三者行為災害について

2016-11-06 23:29:15 | 労働保険

労災保険の保険給付の原因である事故が第三者の行為によって生じた場合には、第三者行為災害届を提出することになります。

労災保険の保険給付の原因である事故が第三者の行為によって生じた場合、被災労働者は労災保険の保険給付を受ける権利を有するとともに、第三者に対して損害賠償を請求する権利を有することになります。しかし、保険給付と損害賠償が2重に填補されるのは適当ではないため、以下の調整を行うこととされており、そのために第三者を把握する必要があり、第三者行為災害届を提出するということになるわけです。

①保険給付が行われる前に同一の事由で損害賠償が行われた場合は、その価額の限度で労災保険の保険給付が行われないことになっています。

②先に労災保険の保険給付が行われた場合は、政府はその価額の限度で、被災労働者が第三者に対して有する損害賠償の請求権を取得することになります。その請求権を政府が第三者に行使することを「求償」と言います。要するに労災給付にかかった費用を第三者に負担してもらうという考え方です。

交通事故などの場合に、「自賠責」が先行すれば①に該当するため、労災の保険給付は同一の事由については給付が行われないということになります。このケースの場合は比較的わかりやすいのですが、例えば会社から帰宅する際に酔っ払いに絡まれて殴られた場合などは、第三者行為災害なのですがその酔っ払いが逃げてしまっていると第三者が誰だかわからないということになります。その場合でも第三者行為災害届は提出することになりますが、政府は労災保険給付を行っても第三者が不明であるため、「求償」は行えないということになります。

また職場の同僚による事故など以下の場合には、それが故意によるものなど特殊な場合を除き、求償権の行使は(調整は)行わないことになっています。

①事業主を同じくする同一事業場内の労働者間の加害行為

②事業主を同じくするが、事業場を異にする労働者間の加害行為

③同一作業場内における使用者を異にする労働者間の加害行為

上記の場合は事業主が労働者に係る労災保険の保険料を支払っているにもかかわらず、第三者である別の労働者等に求償を行って費用を負担させるのは、事業主が労災保険料を支払っている意味が薄れるため、求償は行わないということになっているのです。

従って、会社内でパワハラが行われて労災認定された場合であっても、パワハラを行った従業員に求償権が行使されることはありません。第三者行為災害届を提出しなくてもよいという監督署の指示がある場合もあるようです。

最近車の運転を頻繁にしてだいぶ勘が戻ってきました。20歳で免許を取ってから、20代・30代のころは子供を連れて実家に帰るために東名高速をよく行き来していました。その後TACの講師時代もよくハローワークに行くためなどにも運転していたのですが、仕事で使うと駐車違反で切符を切られたりレッカーで持ってかれてしまったことも1回あり、かえって駐車場を探すことで時間をとられるのも面倒になり、ここ10年近くはほとんど週末ちょっと運転するだけという状態でした。運転しだすとやはり便利で、特に親の入院もあったので助かりました。とはいえ年のせいか以前より敏捷でなくなっているので、安全運転で行きたいと思います。


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親の入院

2016-10-30 15:10:12 | 社会保険

85歳になる母が家の中で転び腕を骨折したので入院をしました。これまで入院をしたことはお産の時だけということで心配したのですが入院中も見舞いに行くと寝ていることは少なく、1週間を待たずして週明け退院できるようです。その母の入院の手続きで感じたのが、高齢者医療の受給手続きの難しさです。

入院手続きをしようとして説明書を見たところ、提出書類が以下の通りとなっていました。

健康保険証等(高齢受給者証・減額認定証・限度額認定証)の提出
②入院申込書兼誓約書の提出③入院室申し込み同意書の提出

①を見たときに手元にあったのは「後期高齢者医療被保険者証」と「介護保険被保険者証」のみでした。また入院ということだったので通常の健康保険の被保険者と同様「限度額認定証」を提出することにより高額療養費の限度額基準を超えた額については病院と保険者との間で直接払いをしてもらわなければととっさに思いました。

そこで感じたのが「後期高齢者医療被保険者証」はこのうちどれにあたるのか?(回答はにあります)

また「限度額認定証」は、協会けんぽでも健保組合でも国民健康保険でもない場合どこに申請すればよいのか?ということでした。

病院窓口に聞いたところ、「限度額認定証」は、「後期高齢者医療被保険者証」に書かれている後期高齢者医療広域連合に電話で聞いて下さいということでしたが、そこには電話番号も住所も書かれていませんでした。そこでwebで検索してみたところ、どうも「限度額認定証」は必要がないということが分かりましたが、これは高額療養費、後期高齢者医療などの仕組みがある程度わかっていなければとてもではないけれども何が何だかわからなくて余計な問い合わせ等をしてしまうと思いました。

この①カッコ書きに書かれているものは何かというと、以下の通りです。

「高齢受給者証」は、70歳になると、75歳(後期高齢者医療制度に移行する)までの間、加入している保険者から交付されるそうです。ここには病院窓口での自己負担割合を示す証明書で、所得の状況などにより、1~3割負担のいずれかが記載されています。そのため、70歳以上の被保険者及び被扶養者が医療機関等で受診するときには、保険証とあわせて高齢受給者証を提示する必要があるということになります。※要するに75歳以上の後期高齢者はこれは持っていないということになります

「限度額適用・標準負担額減額認定証」は、後期高齢者医療制度では、「世帯の全員が住民税非課税の場合」後期高齢者医療被保険者証とともにを医療機関の窓口に提示することにより保険適用の医療費の自己負担限度額と、入院時の食費が減額されます。入院する際は、入院する月のうちに「限度額適用・標準負担額減額認定証」の交付申請を高齢者医療係にしてください。 「限度額適用・標準負担額減額認定証」は住民税非課税世帯を対象に交付するものになりますので、毎年、課税状況に応じて更新します。※要するに「限度額適用・標準負担額減額認定証」は、住民税非課税限度額か否か等療事前に決まっている自己負担割合により必要であったりなかったりするということになります。

神奈川県後期高齢者医療広域連合のHPには高額療養費の支給について以下の表が書かれています。 

 高額療養費 自己負担限度額

所得区分(※)

自己

負担割合

外来

(個人単位)

外来+入院

(世帯単位)

現役並み所得者

3割

44,400円

80,100円+(総医療費-267,000円)×1%(多数回該当の場合44,400円)

一般

1割

12,000円

44,400円

低所得者Ⅱ

1割

8,000円

24,600円

低所得者Ⅰ

1割

8,000円

15,000円

自己負担限度額は、個人単位を適用後に世帯単位を適用します。また、医療機関での支払いは、世帯単位の自己負担限度額までとなります。さらに以下の記載がワク囲みで書かれてありました。 

低所得者Ⅰ・Ⅱ(区分Ⅰ・Ⅱ)に該当している方は、あらかじめ医療機関に「後期高齢者医療限度額適用・標準負担額減額認定証」を提示すると、医療機関での支払いが低所得者Ⅰ・Ⅱ(区分Ⅰ・Ⅱ)の所得区分の自己負担限度額までになります。認定証は、お住まいの市(区)町村の後期高齢者医療担当窓口に申請してください。

やっとここまでたどり着いたという感じです。家賃収入がある母は低所得者には該当しないため限度額認定証は必要がない、ということになります。

結局後期高齢者の入院の場合で低所得者に該当しない場合、限度額認定証は不要ということはあれこれ見た中には書かれていませんでした。わずかに書かれていたのは一般の人は多分見ないであろう以下の厚生労働省の制度の説明資料でした。

高額療養費制度を利用される皆さまへ(平成27年1月診療分から)厚生労働省保険局

※ 70歳以上の方は、所得区分の認定証がなくても、自動的に窓口での支払が負担の上限額までにとどめられます(低所得者の区分の適用を受けるためには認定証が必要です)。

 http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000075123.pdf

 入院案内の担当者に、入院案内に書かれていなかった「後期高齢者医療被保険者証」は、①のどれにあたるのですかと聞いてみたところ、健康保険証等の「等」ではわかりませんか?ということでした。ネットで入院案内を検索すると細かく書かれている病院は少ないようでした。入院案内を受けながら、「私社労士なのですがこの書き方では私でもわかりません」と言ってしまいました。高齢者の夫婦で入院手続きをする場合などどのようにしているのか心配になります。

障害者のバリアフリーについては日本は非常に進んでいるということです。これからは高齢者対応のバリアフリーも増やしていく必要があると思います。今でもトイレに行くと、流すボタンがなかなか見つからず苦戦したりします。これは年を取っていくと苦戦することが益々増えるだろうなと思います。そういう意味で社労士の業務の範囲の中で存在するバリアを見つけ出してコンサルティングすることも行っていくことも役割かもしれません。 


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プレミアムフライデー

2016-10-23 22:36:54 | 労働法

政府や経済界で、月末の金曜は午後3時に仕事を終え、夕方を買い物や旅行などに充てる「プレミアムフライデー」構想が検討されているそうです。「プレミアムフライデー」の目的は個人消費を喚起するためとされています。以下、2016/10/18日本経済新聞電子版に以下が載っています。
 
「経済産業省と経団連などの経済団体は、月末の金曜日限定の消費喚起運動「プレミアムフライデー」を来年2月末から始める。百貨店や飲食店などで、普段よりも少し良いモノやサービスを消費者に提案する。企業側は定時前の退社を奨励するなど働き方改革との相乗効果も目指す。経産省と日本百貨店協会や日本チェーンストア協会など関連団体は18日に事務レベル会合を開き、運動の名称と来年2月からの開始方針を確認する。その後、開催を毎月にするか隔月にするかなど詳細を決めたうえで、11月中に正式に決定する。

政府と経団連などは米国で定着する年末商戦「ブラックフライデー(黒字の金曜日)」の日本版を検討してきた。デフレ脱却を掲げる政府が8月にまとめた経済対策でも実施方針が盛り込まれていた。経産省は取り組みを通じ、モノの消費だけでなく金曜日と土日を合わせて旅行するなど「コト消費」の活発化も目指す。インターネット上では「月末が一番忙しい」などと労働実態との乖離(かいり)を指摘する声や、サービス業従事者の負担増を懸念する声も多い。こうした懸念も踏まえ、経産省と経済団体は働く人や家族の負担が増えないような仕組みを検討する。」

これまで政府は「朝活」その後「ゆう活」を奨励してきていました。一般の企業に訪問した時にこれらが話題になることはほとんどなかったのですが、確かにアベノミクスの消費を喚起して経済効果を高めることと、長時間労働の削減の両方の効果を生むという点では「プレミアムフライデー」は目の付け所は悪くないのかもしれません。

OURSでも様々な点での「スリム化計画」を考えており、その中でミーティングの統廃合を検討しています。その中でもこれだけは残そうと考えているのが毎週金曜日の朝の1時間のミーティングです。もう6、7年続いているのですが、朝の始業時刻を1時間前倒しして8時半からとしており、情報交換を中心とした勉強を兼ねたミーティングを行っています。始業時刻が早まる代わりに終業時刻も1時間前倒しの17時とするとしています。17時には退社するスタッフも結構いるようです。月末だけは15時にするという「プレミアムフライデー」構想もありなのかもしれませんが、上記にある通り「月末の金曜日はどうかな」という気がします。

(厚生労働省「ゆう活」について)

http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/summer/

秋になってきましたね。今日は半分くらい衣替えをしました。洋服は着れなくなったもの(かなり着込んだ、体形が変わってきた、年齢から着るのが恥ずかしくなってきたなどいろいろな理由があります)は毎回衣替えの際に整理しています。ほっておくとどんどん服は増えてしまいますので、整理好きの私としては嫁入りの際に母に買ってもらった洋服ダンスに入る範囲を維持することにしています。

できるだけ気に入ったものはどんどん着て着つぶすくらいに着てしまうのですが、あまり気に入っていない服はかえってきれいに残りがちです。そういう意味では洋服を買う時が勝負です。

気分を変えるためにちょっとテンプレートで遊んでみました。しばらくこれでご辛抱を。


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明示した労働条件と就労実態が異なる場合

2016-10-17 00:01:39 | 労働法

実際入社してみて、契約時に明示された労働条件と相違している場合は、どのような法律上の定めがあるかということですが、労基法だけではなくいくつかの法律に定めがあります。

①労基法第15条第2項により即時に労働契約を解除可能とされています。

法第15条第1項(労働条件の明示)の規定よって明示された労働条件が事実と相違する場合においては、労働者は、即時に労働契約を解除することができる。

②労働条件が実態と異なるという理由で労働者が退職した場合は、雇用保険法の「解雇等」により離職した者として特定受給資格者に該当する可能性があります(助成金の不支給事由になる可能性があります)。

特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲と判断基準
特定受給資格者の範囲

Ⅱ「解雇」等により離職した者
②労働契約の締結に際し明示された労働条件が事実と著しく相違したことにより離職した者

ただし、特定受給資格者の判断基準にある通り、就職後1年経過までの間に離職していることが条件になります。

被保険者が労働契約の締結に際し、事業主から明示された労働条件(以下この項目において「採用条件」という。)が就職後の実際の労働条件と著しく相違したこと又は事業主が労働条件を変更したことにより採用条件と実際の労働条件が著しく異なることとなったことを理由に、就職後1 年を経過するまでの間に離職した場合が該当します。この場合の「労働条件」とは労働基準法第15 条及び労働基準法施行規則第5 条において労働条件の明示が義務づけられているもの(賃金、労働時間、就業場所、業務等)です。ただし、事業主が、正当な手続を経て変更したことにより、採用条件と実際の労働条件が異なることとなった場合には、この基準には該当しません。(他の特定受給資格者に該当する場合(賃金や時間外労働の時間等)は、各々の判断基準で判断します。)

③職業安定法第65条8号に、募集の際に明示された労働条件と相違があるということで虚偽条件表示等に対する罰則があります。

次の各号のいずれかに該当する者は、これを六月以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。

八 虚偽の広告をなし、又は虚偽の条件を呈示して、職業紹介、労働者の募集若しくは労働者の供給を行つた者又はこれらに従事した者
 
なお、いわゆる八州測量事件(東京高裁、昭和58年12月19日)の判決では、前年度中に採用内定した学卒定期採用者について、会社が合格通知書等を発信した時をもって翌年4月1日を効力発生の始期とする労働契約が成立したものと解されており、前年度中に採用内定した学卒定期採用者の初任基本給を、職業安定所の求人票に記載した見込額より低く決定し支払ったことが労働基準法15条に違反せず、右決定にいたった会社の事情、差額の程度等から労働契約に影響を及ぼすほど信義則に反するものとは認められず有効とされています。
 
先週は北横岳に登ってきました。途中岩で足を打撲して今右足はかなりあざがある状態ですが、今回は若干ハードであったにもかかわらず筋肉痛はそれほどありませんでした。今年の秋はもう一回山に行きたいと思っています。
 
  

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合併における退職一時金制度改定

2016-10-08 13:22:24 | 労務管理

合併をした場合の就業規則の統合・賃金制度・退職金制度の統合はかなり重い仕事だと思います。賃金制度の改定は特に労働者の生活に直結するものだけに、高い水準に合わせるのであれば問題ありませんが、不利益変更を伴う場合などは一定の調整期間も必要となってきます。退職金制度については、制度移行にあたっては、在職者に関してはこれまでの既得権の保障が必要です。実際には就業規則は合併時点、賃金制度をその2年後、退職金についてさらにその後何年後か(定年退職者等退職者が比較的少ない会社はそれまでは、合併前の各企業の退職金制度に従って計算して支給)に統合し新たな制度をスタートしていくことが多いような気がします。

退職金制度については、大きく以下の2種類に分けられると思います。   ※退職事由別係数は、定年・会社都合又は自己都合の設定が一般的です。

①算定基礎額×勤続年数別支給率×退職事由別係数×功労金等の加算額 ②累積ポイント×ポイント単価×退職事由別係数

20年以上前は、退職金といえばほとんど①の計算方法であったと思いますが。バブル期を超えたあたりで「退職金がこのままの制度であると大変なことになる」と気がついた会社が非常に多くなり、退職金額の抑制を中心とした制度の見直しをする機会が多くなり、さらに適格退職年金(平成24年廃止)が平成14年以降新たな契約ができなくなったこともあり、それに合わせてDC・DB・中退共への移行が進みました。今は各社かなり安定している状態のように思いますが、合併の際にどのように複数の退職金制度を統合して行くかということについてはよく発生すると思います。

先にも書きましたが、既得権の保障は絶対に必要なのですが、退職金というのは入社してから定年退職まで40年弱の管理となりますから、退職金制度統合までの退職金額と制度統合後の退職金額を分けて計算することになり、長期間の管理が必要となります。その時点で制度統合前の退職金額については支払ってしまう場合もありますがそれはそれで企業の負担が大きいです。

ポイント制については、制度統合前の退職金額をポイント単価で除することにより累積ポイントを算出することができますので、制度統合前後をとぎらせることがなく進めていくことができるということになります。あとは今後の退職金水準をどうするか、退職金カーブをどうするかなどの各制度の整合性を図っていくことになります。

55歳以上になると退職金カーブが上がらず直線になるという場合もありますが、これは私は前向きにとらえ「定年まで待たず第2の人生を50台のうちから準備するため早めに退職するのを企業は選択肢として示している」と考えています。また、企業の側から考えた場合、やはり支払い能力には限界というものが当然ありますので、①の場合でも②の場合でも上限を設定しておくのは現実的な対応方法だという気がします。さらに中小企業は中退共に加入して少なくてもよいので毎月掛金を負担することで社員の退職時に特に改めて退職金の準備をする必要がないように備えるというのが良いと考えています。

この頃ブログを続けていてえらいですねとお褒めを頂くことが時々あります。平成21年から丸7年間夏休みと年末年始以外の週末に書いていますのでかなりの量になってきたと思います。

テーマが何もなくて困ることもないわけではないのですが、日常的に社労士業務を行っていると何かしら頭に浮かんでくるもので、何とか毎週日曜日の夜に頑張って続けています。先日はこのブログを読んでいただいた出版社から執筆のご依頼を頂いたのには恐縮してしまいました。時にはセミナーの準備をするために、また顧問先企業のご質問の回答を作るための準備のためにネットや自宅にも置いてあるTAC時代の新標準テキストや安西弁護士のご著書などを調べてブログに書いておくということもあります。ブログを書くことで授業の準備と同じでやはり勉強になっていると実感するこの頃です。

良い連休をお過ごしください。


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労働契約法無期転換の特例 大学教員等

2016-10-01 13:08:03 | 法改正

平成25年4月1日より改正労働契約法が施行されています。施行当時例外はないとされていたものですが、有期雇用特別措置法(特措法)が成立し2つの例外が認められ、5年間の無期転換申込権発生関する特例が適用されることとなりました(平成27年4月1日施行)。
① 専門的知識等を有する有期雇用労働者(「高度専門職」)
② 定年に達した後引き続いて雇用される有期雇用労働者
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11200000-Roudoukijunkyoku/0000075676.pdf#search='%E5%8A%B4%E5%A5%91%E6%B3%95%E3%80%81%E7%89%B9%E6%8E%AA%E6%B3%95'

大学教員等は、労働契約法の特例①の高度専門職として無期労働契約への転換が5年から10年へと延長されることとなっており、その根拠は「研究開発システムの改革の推進等による研究開発能力の強化及び研究開発等の効率的推進等に関する法律及び大学の教員等の任期に関する法律の一部を改正する法律」になります。

研究開発システムの改革の推進等による研究開発能力の強化及び研究開発等の効率的推進等に関する法律 (平成26月11日法律第63号)
(労働契約法 の特例)
第十五条の二   次の各号に掲げる者の当該各号の労働契約に係る労働契約法第十八条第一項 の規定の適用については、同項 中「五年」とあるのは、「十年」とする。
一   科学技術に関する研究者又は技術者(科学技術に関する試験若しくは研究又は科学技術に関する開発の補助を行う人材を含む。第三号において同じ。)であって研究開発法人又は大学等を設置する者との間で期間の定めのある労働契約(以下この条において「有期労働契約」という。)を締結したもの

こちらについては、文部科学省の通知「研究開発システムの改革の推進等による研究開発能力の強化及び研究開発等の効率的推進等に関する法律及び大学の教員等の任期に関する法律の一部を改正する法律の公布について(通知)」にその趣旨も書かれています。
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo4/siryo/attach/1342976.htm

大学等及び研究開発法人の研究者、教員等に対する労働契約法の特例の具体的な運用については、以下のリーフが分かりやすいです。
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11200000-Roudoukijunkyoku/0000043387.pdf

この法律において「大学等」とは、大学及び大学共同利用機関をいい、特例の対象者である「任期法に基づく任期の定めがある労働契約を締結した教員」については、「国立大学法人、公立大学法人及び学校法人の設置する大学(短期大学を含む。)の教員(教授、准教授、助教、講師及び助手)、大学共同利用機関法人等及び独立法人大学入試センターの職員のうちもっぱら研究又は教育に従事する者」とされています。常勤・非常勤のべつにかかわらず対象となります。

対象者も「助手」まで含まれており、この任期の定めがある労働契約はかなり広く特措法が適用されることになると思います。

長時間労働の法規制については先週のセミナーのテーマであったため大分調べました。ニッポン一億総活躍など政府の主導から厚生労働省の取組んでいる長時間労働削減のための監督指導の強化は80時間超とかなりの長時間労働に対してのものですので、監督指導が必要なのだと思います。しかし果たして全ての働く人たちの労働時間を長時間であるからというだけで問題であるというのはどうなのかと考えてしまいます。労働新聞に高井伸夫弁護士が書いているように「どのような仕事であれ、その真髄を知るには寝食を忘れて没頭するべき時期が必ずある」という一文に心から頷いてしまうのです。

それを思う時「ホワイトカラーエグゼンプション」は、非常に妥当な考え方のように思います。人によっては管理職でなくても高い賃金の補償の元に思い切り時間を気にせず仕事に取り組んでもよいのではないかと思います。本来の意味から対象になる人は全体から見ればほんの少しの層なのだろうとは思いますが。 


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休職期間満了による自動退職

2016-09-25 21:43:36 | 労働法

今年の東京会の前期必須研修は「社労士のメンタルヘルスの実務対応」で、講師の先生のお話は分かりやすく、OURSのモデル就業規則にも加筆しなければならない事項についての気づきもあり勉強になりました。勉強を元にOURSの休職・復職のモデル規定にいくつか加筆する予定です。

休職期間満了時に復帰困難な場合については、昔のモデル就業規則をみると「解雇」と規定されているものが多くありましたが、現在は「自動退職」となっているケースが多いかと思います。「解雇」となると解雇の手続きである「解雇予告又は解雇予告手当」の問題があり、休職期間満了時に復帰困難な場合にその手続きをとって退職というのは違和感を覚えますので「自動退職」と規定するのが良いのではないかと考えます。

この場合果たして「自動退職」は認められるのかということなのですが、安西弁護士の書かれた「採用から退職までの法律実務」」では、「休職は一種の解雇猶予の制度であり、本来ならば長期にわたる就労不能ないし困難事由が生じたのであるから契約の解除(解雇)事由が生じているので解雇してもよいのであるが、一定期間猶予してその間に病気の治癒等休職事由が消滅した場合には復職させて解雇しないこととする処分である。」とあります。そして、自動退職の有効性については、「①期間満了の翌日等一定の日に自動終了することを、②明白に就業規則に定め明示し、③かつその取扱いについて例外的な運用がなされていない、ならば定年と同じように終期の到来による労働契約の終了となり「解雇の問題は生じない」とされている(昭和27.7.25基収1628号通達等)」とあります。

それに対して、試用期間満了時の本採用の拒否は自動退職になり得るかという点ですが、試用期間の法的性質については、「解約権留保付きの雇用契約であり「本採用拒否は、留保解約権の行使、すなわち雇入れ後における解雇に当たると解されている(昭和48.12.12最高裁判決三菱樹脂事件)」とあり、「本採用しない、という意思表示は、留保されている解約権の行使であり解雇に該当するが、この場合、その本採用拒否通知の日が使用開始後14日を超えている場合には、労基法第20条に従って労基署長の「解雇予告除外認定」を受けない限り、30日分の解雇予告手当が必要である」ということで「自動退職にはなり得ない」ということになります。

最近、特に忙しく外出が多かったので出先でのちょっとした時間例えば会議と会議の間のお昼の時間などにスターバックスなどでノートパソコンを広げてレジュメ作りを少しでもやりたいと思っていたのですが、やっと昨日念願の1キロくらいの小さなノートパソコンの購入にこぎつけました。

これまでiPadminiを愛用しており、こちらは0.8キロを切るくらいの重さなのです、外出が長い時は必ず持ち歩いていました。しかしofficeが入っていないためレジュメの修正等はできないのでやはりノートパソコンが必要でした。事務所スタッフ用に同じものの色違い(これがなかなか素敵なブルーグレー、ちなみに私のはゴールドです。しかし3万円台ととても安価でした)とWi-Fiも2台購入して、昨日設定も完了しいよいよ明日からの新たな通信環境が楽しみです。


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介護短時間勤務改正の影響

2016-09-19 16:55:28 | 雑感

連休3日間ともあまりお天気が良くありませんでしたね。今回の連休はとにかく月末にあるセミナーで2つのテーマで話すうちの1つ「改正育児・介護休業法」のレジュメと資料を仕上げることになっており、お天気が良くないことはかえって私にとっては落ち着いて仕事に専念できたように思います。

今回の育児・介護休業等の改正については、7月に労務行政さんから「改正早わかりシリーズ 育児・介護休業法・均等法・雇用保険法」で出版させて頂いており、今のところ有り難いことに毎月増刷ということで、ニーズの高さを感じています。ご購入いただきました皆様有難うございました。

8月には、施行規則や指針も出ましたので具体的な運用についてもだいぶ分かってきたところですが、レジュメを作りながら考えたのは今後の労務管理について、特に働き方についてこの改正も大きく影響しそうだということでした。

今回の改正では、介護休業と介護短時間勤務が分離されます。介護休業は、対象家族1人につき3回を上限として93日まで取得可能とされました。これまで93日に含まれるとされていた介護短時間勤務は選択的措置(短時間勤務、フレックスタイム制度、始業・終業時刻の繰り上げ・繰り下げ、介護サービス費用の助成等)ということで会社が選択して規定できることにはなっていますが、ニーズとしてはやはり介護短時間勤務が多いのではないかと思います。

介護短時間勤務については、介護短時間勤務開始より3年以上の期間に少なくとも2回以上取得できるということになっており期間の制限はないため、最大で3年間の短時間勤務が可能ということになります。介護休業を取得できる対象家族については同居要件が今回の改正から外れるため、かなり広がります。例えば自分の父と母だけではなく、妻の父母も別居であっても対象家族になりますし、その4人について順次介護を行うとなると最大3年間×4人=12年間の短時間勤務も可能ということになると思います。

そうだとするとその短時間勤務はその人にとっては通常であり、会社で導入した短時間限定正社員も存在するとすると短時間の理由は異なっていても状況はほぼ同じになってくるのではないかという気がします。

そんなことを考えていると頭がこんがらかりそうになるのであまり深く考えないようにしているのですが、これからは限定正社員の3つのパターンである「職務限定」・「地域限定」とともに「時間限定」も増えてきて、働き方はそれぞれ様々、自分で選ぶような時代となり、それをいかに有機的に活躍してもらい生産性を上げていくか、複雑な労務管理が求められるような気がしてきます。少なくともAIが普及しても社労士の仕事はなくなりそうもないなと思いますが。

働き方改革は、OURSでも必要かもしれません。それぞれが望む働き方というのはやはりあるのだろうと思いますので、そのメニューをきちんと提供してあげると定着率も高まるのかなと思います。人数が増えてきて出入りもそれなりに多く、労務管理はますます課題のように思えてきました。もう少し考えてみたいと思います。

組織という点では同じですが、社労士事務所というのは会社とはやはり異なるものであろうと思います。それは専門職であるから、ということではないかと思うのですが、入社してみてその違いにびっくりする場合もあるようです。そういう意味では、専門職に進む気持ちになる前のステージを用意するのも一つの方法かなと思います。 職務限定正社員ということになるでしょうか。

ところで、先日聞いたのですが、みそ汁はとても身体に良いらしいですね。血圧を下げるとか、コレステロールにもよく、免疫力を高めるということです。それを聞いてから朝はパン食でも味噌汁を作って食べています。


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労働時間法制について「かとく」送検事例(前々週からの続き)

2016-09-12 00:13:09 | 労働法

ここのところ今月末の長時間労働に対する法規制のセミナーの準備が仕事の中心になっているためブログもその話ばかりになってすみません。

過重労働による健康被害の防止などを強化するため、違法な長時間労働を行う事業所に対して監督指導を行う過重労働撲滅特別対策班、通称「かとく」が東京局と大阪局に昨年4月1日に新設されました。平成27年4月からの 書類送検 3件発表されています。以下がその内容です。未払い賃金ではなく長時間労働での送検というところに注意が必要です。

1.東京労働局過重労働撲滅特別対策班〈通称「かとく」〉は,大手靴小売会社並びに同社の取締役及び店舗責任者2名を,労働基準法違反の容疑で,平成27年7月2日,東京地方検察庁に書類送検した。

 〈事件の概要〉渋谷区に本社を置き,全国各地で靴販売を中心とした小売店を多店舗展開する会社が運営する,都内の2店舗について,

(1) A店において,従業員2名に対し,法定労働時間である1週40時間を超えた違法な時間外労働を,平成26年4月13日から5月10日までの4週間において,100時間前後行わせていたもの。

 (2) B店において,従業員2名に対し,平成26年4月11日から5月10日までの間に,労働基準法第36条に基づく時間外労働に関する協定で定める限度時間を超えて,100時間前後の時間外労働を行わせていたものである。

2.「大阪労働局と京都労働局は平成27年8月27日に、労働基準法違反の疑いを 認め 、同事業場と 同事業場のエリアマネー ジャ・店長 ら 16 名を、大阪及び京都地方検察庁に書類送した。

〈事件の概要〉国内外で フランチャイズを含め て大規模に 約 700 店舗の飲食を展開する事業場が、 労働基準監督署から過去幾度となく長時間に係る是正 指導 を受けておりながら 改 善を行なわかっため 、過重労働による基準法違反 過重労働による基準法違反 が疑われる大 規模で重悪質 な事案として 「かとく」が 事件 捜査に着手し た。 「かとく」 が京都労働局とも連携 の上で捜査を行った 結果、 同事業場 が経営する飲食 店の、 大阪府所在 15 店舗及び京都府所在 2店舗 において、 労働者に
① 最長 1か月間で 133 時間 31 分の時間外労働 をさせた。
② 法定の休憩時 間を与えなかった。
③ 時間外労働に対する法定の割増賃金を支払わなかった。

3.ディスカウントストア運営会社を違法な長時間労働で書類送検

東京労働局は,平成28年1月28日,ディスカウントストア運営会社並びに同社の支社長3名及び店舗責任者5名を,労働基準法違反の容疑で,東京地方検察庁に書類送検した。 

 〈事件の概要〉 ディスカウントストア2店舗において,従業員2名に対し,労働基準法第36条に基づく時間外労働に関する協定で定める限度時間(3か月120時間)を超えて,平成26年10月1日から同年12月31日までの3か月間に,最長で415時間45分の時間外労働を行わせ,また,ディスカウントストア3店舗において,従業員4名に対し,平成27年1月1日から同年3月31日までの3か月間に,最長で265時間30分の時間外労働を行わせたものである。

昨年4月の「かとく」設置についての厚生労働省の発表

http://www.mhlw.go.jp/photo/2015/04/ph0401-02.html

土曜日連続で大宮のグランドに9時から応援に行った甲斐があり、わが渋谷支部は4試合を全て2けた得点で勝利して、東京会の野球大会で優勝しました!

私は応援に行っているといってもベンチの最前列に立って赤いボンボンを振り回しながらメンバーの一員になったつもり(たぶん選手もそう思っている)で参加しているのですが、この行事も毎年行くようになってからすでに7、8年くらい経ち皆勤賞です。この優勝を機にユニフォームも購入してしまおうかと考えているところです。

 


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労働時間法制について(前週の続き)

2016-09-04 23:57:44 | 労働法

先週は国の施策の中の労働時間法制を見ていたのですが、今週は国の施策とそれに連動した厚生労働省の施策をみてみようと思います。

「日本再興戦略」改訂2014(平成26 年6月24 日閣議決定)において、働き方改革が盛り込まれ、大臣を本部長とする「長時間労働削減推進本部」が平成26年10月1日に設置されました。さらに平成26年12月22日には都道府県労働局に「働き方改革推進本部」が設置され長時間労働対策が検討されています。

●長時間労働削減推進本部設置以降の主な取組として、過重労働対策が一層強化されています。

①平成100時間超の残業が行われている事業場等に対する監督指導の徹底(平成27年1月から実施)
②監督指導・捜査体制の強化
③過重労働事案であって、複数の支店において労働者に健康被害のおそれがあるものや犯罪事実の立証に高度な捜査技術が必要となるもの等に対する特別チーム「過重労働撲滅特別対策班」(通称「かとく」)の新設(平成27年4月から実施)…これは東京労働局と大阪労働局に新設されました。

●さら平成28年4月1日に開催された「第3回長時間労働削減推進本部」ではさらに以下の法規制の執行強化が決まっています。

①執行面の対応として労働基準監督署による監督指導を強化 (速やかに実施)
【現状】月100時間超残業が疑われる全ての事業場を対象【対応】月80時間超の事業場も対象 (年間約2万事業場)
(自主点検を求め、確認できた全ての事業場に監督)⇒ 過労死認定基準を超えるような残業が 行われている事業場に重点的に対応していく

…80時間超の事業場の洗い出しについては、アンケート形式の自主点検票や36協定の特別条項を利用しているようです。

○監督指導・捜査体制の強化・全国展開
【現状】 東京局・大阪局に「かとく」を設置 (27年4月~ 書類送検 3件)
【対応】本省に対策班を設けて広域捜査の指導調整
労働局に長時間労働を指導するための担当官を設置

②取引の在り方や業界慣行に踏み込んだ取組等
○ 長時間労働の原因となり得る、「手待ち時間の発生」や「短納期発注」などの取引環境・条件の改善に向けた取組を、業界や関係省庁( 国土交通省や、中小企業庁・公正取引委員会)と連携して行う

 http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11201000-Roudoukijunkyoku-Soumuka/01_1.pdf

都道府県労働局の指導・公表の対象となるのは「社会的に影響力の大きい企業」であることとされ、具体的には「違法な長時間労働」が「相当数の労働者に認められ」、このような実態が「一定期間内に複数の事業場で繰り返されていること」とされています。

昨日は東京都社労士会の野球大会第1日目でした。一昨年までわが渋谷支部は3連覇していたにもかかわらず昨年は1回戦敗退という憂き目を見たので、今年はどうなることやらという気分で応援に出かけたのですが1,2回戦とも危なげなく快勝でした。来週は準決勝と決勝2試合頑張ってほしいです。私はすでにこんがり色に焼けました。

社労士になる以前は高校野球(それも予選から)や日本シリーズを熱心に見ていたのですが、社労士になってからはなぜか全く興味がなくなってしまい、ここ10年ほどは社労士会の野球専門です。社労士会の会員が年齢もかなりの幅がある中で、一生懸命走る姿を見て応援し、お昼にはアイスクリームを30個買ってきて差し入れして、終わったらクラブハウスで皆で乾杯するのが楽しくて仕方ありません。人生ってそういう一瞬が沢山積み重なってこその幸せではないかという気がします。 


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労働時間法制について

2016-08-28 00:48:42 | 労働法

労働時間法制について、9月にセミナーで話す予定で、今調べている最中です。色々な施策が政府から出てきているため、その流れをつかもうとあれこれ見ていたのですが、そもそもは「日本再興戦略改訂2014」において「柔軟で多様な働き方の実現」として「働き過ぎ防止のための取組強化」が示されています。そこには、長時間労働を是正するため、法違反の疑いのある企業等に対して労働基準監督署による監督指導を徹底するとともに、「朝型」の働き方の普及や長時間労働抑制策等の検討を行うと書かれており、さらに「日本再興戦略改訂2015(平成27 年6月30 日閣議決定)において、引き続き「働き過ぎ防止のための取組強化」が盛り込まれています。 

また、「ニッポン一億総活躍プラン」が平成28年6⽉2⽇ 閣議決定されており、一億総活躍社会の実現に向けた横断的課題である働き方改革の方向として、3つ示されています。どれも社労士と深く関係している内容です。

①同一労働同一賃金の実現など非正規雇用の待遇改善
労働者の約4割を占める非正規雇用労働者の待遇改善は待ったなしの重要課題であるとされています。
再チャレンジ可能な社会を作るためにも正規か非正規かといった雇用の形態にかかわらない均等・均衡待遇を確保し、同一労働同一賃金の実現に踏み込むとされています。

②長時間労働の是正
長時間労働は、仕事と子育てなどの家庭生活の両立を困難にし、少子化の原因や女性のキャリア形成を阻む原因、男性の家庭参画を阻む原因となっているとされています。
長時間労働の是正は、労働の質を高めることにより多様なライフスタイルを可能にし、ひいては生産性の向上につなるため、今こそ、長時間労働の是正に向けて背中を押していくことが重要である。
ちなみに週49時間以上働いている労働者の割合は、欧州諸国では1割であるが日本では2割となっているため、法規制の執行を強化するとされています。

③高齢者の就労促進
生涯現役社会を実現するため、雇用継続の延長や定年引上げに向けた環境を整えるとともに、働きたいと願う高齢者の希望を叶えるための就職支援を充実する必要があるとされています。
ちなみに高齢者の7割近くが、65歳を超えても働きたいと願っているのに対して、実際に働いている人は2割にとどまっているそうです。

ニッポン一億総活躍プラン(概要)http://www.kantei.go.jp/jp/singi/ichiokusoukatsuyaku/pdf/gaiyou1.pdf

さらに長時間労働の是正を柱とする「働き方改革」に絡んで36協定有識者検討会が立ち上がることになり、具体的な労働時間の規制が示されそうです。

今日は社会保険労務士試験でした。頑張った受験生お疲れ様でした。何はともあれ少しゆっくりとできますね。

 


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