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社会保険労務士としての日々の業務を行う中で、考えたこと、感じたこと、伝えたいことを綴る代表コラム。

36協定 一定期間を3カ月に設定する場合

2017-03-26 23:12:07 | 労働時間

36協定の締結は4月1日を初日として締結することが多いかと思いますが、36協定の免罰効果は届出をして初めて発生するため4月1日以前に届け出ておかないと4月以降時間外労働や休日労働をした場合に違法になってしまうことに注意が必要です。特に今年は4月1日が土曜日ですので、3月31日までに届け出を済ませておく必要があります。

ところでこのところ当然に36協定の内容の確認依頼が多いのですが、特別条項について3カ月の延長時間を定めてみたいという会社が今年はやや多めに感じています。

そもそも36協定の延長時間は、「1日についての延長時間及び1日を超える一定期間」についての延長時間を協定しなければならないこととされており、一定期間については、「1日を超え3箇月以内の期間及び1年間」とされています。ということは、1日・1カ月超3カ月以内・1年の延長時間を定める必要があるということです。この1カ月超3カ月以内の期間は、圧倒的に「1カ月45時間」と定めることが多いのです。

ところでさらにここで定めた時間数をさらに延長できるとされた特別条項を締結する会社がほとんどであるのですが、特別条項を3カ月(例えば)240時間などと定めようとするのであれば、いわゆる限度基準に基づく延長時間も3カ月120時間以内に定める必要があります。要するに限度基準に基づく延長時間の期間単位と特別条項として定める延長時間の期間の単位は揃えなければならないということです。1カ月45時間で特別条項3カ月240時間と定めることはできず3カ月120時間で特別条項240時間などと定めることになるということです。

これはどこかに通達があったと思い探したのですが、確か以下の通達の「一定期間として協定されている期間ごとに」、という部分が根拠であったと思います。

「時間外労働の限度基準」の解釈(労働基準法第36条関係)(平成11年1月29日基発45号・平成15年10月22日基発1022003号)

 (3) 一定期間についての延長時間の限度
 イ 労使当事者は、時間外労働協定において一定期間についての延長時間を定めるに当たっては、当該一定期間についての延長時間は、限度基準別表に掲げる限度時間を超えないものとしなければならないこととしたものであること。
 ハ 一定期間についての延長時間は限度時間以内の時間とすることが原則であるが、弾力措置として、限度時間以内の時間を一定期間についての延長時間の原則(以下「原則となる延長時間」という。)として定めた上で、限度時間を超えて労働時間を延長しなければならない特別の事情が生じたときに限り、一定期間として協定されている期間ごとに、労使当事者間において定める手続を経て、限度時間を超える一定の時間(以下「特別延長時間」という。)まで労働時間を延長することができる旨を協定すれば(この場合における協定を「特別条項付き協定」という。以下同じ。)、当該一定期間についての延長時間は限度時間を超える時間とすることができることとしたものであること。

 年度末で今週は皆さん忙しいのだろうと思います。私の方は今週でやっと8週連続セミナー講師の仕事が終わりますので少しホッとしています。我が家のベランダでは受講生OBのMさんから頂いたシクラメンがとてもきれいに咲いています。一鉢は4年前、もう一鉢は2年前に頂いたもので、残念ながら3年前に頂いたものだけは翌年を迎えられなかったのですが、2鉢は元気で毎年楽しんでいます。

それでは、来週から新たな年度に入りますので気分一新して頑張っていきましょう。


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時間外労働の上限規制等に関する労使合意について

2017-03-20 23:28:41 | 労働法

経団連のホームページに「時間外労働の上限規制等に関する労使合意文書」が掲載されています。http://www.keidanren.or.jp/policy/2017/018.html

3月17日に働き方改革実現会議において、政府と経団連、連合は、「時間外労働の上限規制」に関して共同提案をしました。企業にとっては非常に気になる繁忙期の特例は安倍首相が示した月100時間未満で決着がつきました。

 労働基準法に指針を定める規定を設け、労働基準監督署は指針に基づき、企業等に必要な助言や指導を行うことになります。「インターバル制度=退社から翌日の出社までに一定時間の休息を設ける制度」については、法改正して努力規程になる予定です。

上限規制の内容としては以下の通りです。(「時間外労働の上限規制等に関する労使合意文書」より抜粋)

1.上限規制

時間外労働の上限規制は、月45時間、年360時間とする。ただし、一時的な業務量の増加がやむを得ない特定の場合の上限については、

  1. 年間の時間外労働は月平均60時間(年720時間)以内とする
  2. 休日労働を含んで、2ヵ月ないし6ヵ月平均は80時間(*)以内とする
  3. 休日労働を含んで、単月は100時間を基準値とする
  4. 月45時間を超える時間外労働は年半分を超えないこととする

以上を労働基準法に明記する。これらの上限規制は、罰則付きで実効性を担保する。

さらに、現行省令で定める36協定の必須記載事項として、月45時間を超えて時間外労働した者に対する健康・福祉確保措置内容を追加するとともに、特別条項付36協定を締結する際の様式等を定める指針に時間外労働の削減に向けた労使の自主的な努力規定を盛り込む。

(*)2ヵ月ないし6ヵ月平均80時間以内とは、2ヵ月、3ヵ月、4ヵ月、5ヵ月、6ヵ月のいずれにおいても月平均80時間を超えないことを意味する。

上記からすると、休日労働を含み単月で90時間の時間外労働をした場合、翌月は70時間に抑えなければならないということになり、細かくブレーキを効かせる感じでしょうか。

2ヵ月ないし6ヵ月平均の80時間と単月100時間には「休日労働時間数も含む」というところがこれまでと比較して非常に厳しく、また月45時間を超える時間外労働は年半分を超えないという点ではこれまでの特別条項の「臨時」と同じ考え方になっています。

勤務インターバル制度は職種によっては導入することが難しいという点もあり、努力規定になりましたが、上記の基準を長時間労働がある企業が守るためには、本腰を入れないといけないと感じます。

いよいよ桜ももうすぐという春めいた空気の3連休で気持ちがウキウキしてきますね。3連休はなんとか無事に最後のセミナーレジュメを仕上げ、駅ビルに入ったニトリを見に行って帰りにお花を買ってベランダに並べたり、「電通の深層」という本を買って読んだりして比較的家の近辺で過ごしました。

国際化推進特別委員会の委員になっているで少しは英語が話せたら(せめてもう少し聞き取れたら)と思っているのですがラジオは挫折したので、4月からテレビの英会話を聞くことにしたのでテレビの予約機能がついたPCを購入したり、乾燥機能が不安定な洗濯機の原因を解消したり、春に向けてかなり準備万端になってきました。

今年は桜を堪能したいですね。


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裁量労働適用について

2017-03-12 22:52:21 | 労働時間

来週のセミナーは裁量労働についてがテーマであるため、今週末は裁量労働について通達を読み直したり、安西先生の著書を読んだりしてレジュメをまとめていました。専門業務型裁量労働制一つとってもあれこれと話すテーマはあり、36協定ほどではなくても労基法の条文は一つ一つそれなりに深いものだと感じます。ちなみに専門業務型裁量労働制は昭和63年4月1日に施行されているものです。

その中で本来であれば専門業務型裁量労働制の対象労働者が裁量労働の適用から外れるケースについて考えてみました。

労基法第39条の3の専門業務型裁量労働制の条文では、「使用者が、労使協定により裁量労働の要件である事項を定めた場合において、労働者を裁量労働対象業務に就かせたときは、当該労働者は、協定で定める時間労働したものとみなす。」と定められています。要するに裁量労働対象者であったとしても、みなし労働時間で働くことになるのは「裁量労働対象業務に就かせたとき」であり、裁量労働対象業務を行っていないときは「みなし労働時間制」は使えないということになるわけです。

安西先生の著書では、「裁量労働対象業務に就かせなかったとき」とは、①欠勤等によって裁量労働に従事しなかったとき、②当該裁量労働以外の業務に従事したとき(たとえば、他の一般事務労働、出張、労働組合活動、私用外出等)とあります。

これらの業務を行う場合は、本来の業務が裁量労働対象業務の労働者であっても、通常の労働者と同じ実際の時間管理がなされる必要があるということになります。その場合は、就業規則や裁量労働に係る労使協定に、「裁量労働対象業務に従事しなかった場合は、本協定に定めるみなし労働時間の適用はない。」と定めておくことが必要とされています。

先日の法改正セミナーで、改正育児介護休業法で質問の手が上がったのが、やはり裁量労働で働いている場合についてでした。裁量労働対象者の場合の半日単位の子の看護休暇・介護休暇の扱いについてはどのようにすべきか、ということでした。確かに裁量労働は例えばみなし労働時間を8時間としている場合、6時間しか働かなくても8時間とみなされるわけですから、半日単位の子の看護休暇として4時間取得したとしても、みなし労働時間制の考え方から言えば8時間働いたとみなされることになるわけです。厚生労働省のモデル育介規程によると、半日単位の子の看護休暇・介護休暇は「対象労働者の範囲を決めることができる」ようなので、当該半日単位の取得対象者から裁量労働対象者を適用除外すると労使協定に定めることはできるかと、改正前に一度労働局に問い合わせたことがあります。しかし、その部分については今のところ決まっていませんという回答でした。

実務上からいうとかどちらかの扱いになると思います。

①子の看護休暇・介護休暇の半日単位から適用除外しておく(要するに半日単位で4時間働いた日でも8時間とみなされるためわざわざ半日単位の子の看護休暇・介護休暇を取得する必要がない)

②裁量労働対象者からその場合外して、半日単位で子の看護休暇・介護休暇をとってもらう。

どちらが労働者に有利かと言えば、①の半日単位の取得から適用除外しておく方が有利のようにも思いますが、裁量労働制があまりメリハリがない場合は裁量労働から外して半日単位の子の看護休暇・介護休暇を取得できるようにしておく方が取得しやすいようにも思え、会社ごとに決めるのが良いのかなとも思います。

やはりあれこれ実務と絡めてみると裁量労働一つとってもなかなか深いものがあります。

花粉症の季節がそろそろ来たのと同時になんとなく空気が春めいてきてウキウキします。今年は顧問先の担当者の方に花粉症の薬は早めに飲んでおく方が良いですよと言われたので、10日前くらいから対策をしているためかほとんどムズムズもなく快調です。

講師時代良くお話ししたのですが「はなうがい」というものを毎日寝る前に行っていて、それをしないと気持ちが悪く、もう20年くらいは続けていると思います。そのためか比較的風邪もひきにくいように思うのですが、花粉症の時期だけは「はなうがい」ではどうにもならずやはりお薬の世話になります。今は外に出るときガードのためにスプレーするとかいろいろなものが販売されていますが、多少は効果があるのでしょうか。辛い時期を過ごしている方もいると思いますのでくれぐれもお大事に。この季節が過ぎればさらに気持ちの良い季節が待っていますので一時の辛抱と思います。


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二重処分などについて

2017-03-05 22:44:08 | 労務管理

就業規則には一般的に懲戒処分の規定を定めます。懲戒処分の内容は、戒告(譴責)・減給・出勤停止・降格・懲戒解雇などの種類がありますが、これらの懲戒処分を2つ併科することはできません。一事不再理の原則があるからということで、この根拠はどこにあるのか調べる機会がありました。

憲法第39条に以下の規定があります。

「何人も、実行の時に適法であつた行為又は既に無罪とされた行為については、刑事上の責任を問はれない。又、同一の犯罪について、重ねて刑事上の責任を問はれない。」

刑事訴訟法上、「ある事件について判決が確定した場合、同一事件につき、再度の起訴を許さないという原則」もあります(刑事訴訟法第338条など)。

ただし、懲戒処分と合わせて始末書の提出を求めることはできるとされています。始末書は懲戒処分に至らなくても求められる場合もありますので処分ではなく、むしろ謝罪の意味がその中に含まれているものとされています。従って始末書の提出を強制することはできず、また提出しないことに対して懲戒処分をすることもできないとされています。

これは、憲法第19条「思想及び良心の自由は、これを侵してはならない。」という規定を侵害することになるという点が問題になるためで、裁判例では見解は分かれているようです。

実務では「始末書」の提出がなされない場合などは「顛末書」の提出を指示することになります。「顛末書」は、事実の経過を記載する文書でありそこには謝罪の意味を込める必要がないため、これを提出しない場合は懲戒処分も可能であるとされています。

2月から3月末にかけて毎週セミナーがあり、毎週週末に順番にレジュメの準備をしてきましたが、あと残すところ2つとなりました。ここまで風邪もひかずインフルエンザにもかからず体調は極めて良好な状態でこれたことは本当に感謝としか言いようがありません。

今日は息子が小学校時代5年間お世話になった小学校の野球チームの30周年のお祝いに行ってきました。当時と同じユニフォームの子供たちから40歳の第一期生まで、総勢200人の親子が集まり盛大な会でした。

毎週土曜日と日曜日、朝早くおにぎりを握り、野球場に行き子供たちの世話をして試合を観戦していました。ちょうど息子が2年生で野球を始めた翌年に私は社労士試験に合格したのですが、考えてみると勉強は週末はしていなかったのだろうと思います。その当時のコーチだったお父さんたちや一緒に子供の世話や応援をしたお母さんたちに久しぶりに会うと、実にそれはそれでよい時代だったとしみじみ感じます。

先日あるセミナーのご質問で、女性活躍といったって保育園に入れないのではどうしようもないではないか、その点についてはどう考えるかというご質問がありました(ちなみに50代と思しき男性のご質問でした)。その時お答えしたのは、必ずしも保育園に入ることができなくても、子供に手がかからなくなってからまた働き始めることができる環境整備をすることや機会が与えられることも大事なのではないか、ということでした。その時その時の自分を取り巻く状況を受け入れて、無理せずできることを楽しんでみることも自分自身の成長につながると思います。その上で再び働き始めたとき、それ以前とは違う自分がいるはず、と経験から思います。


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韓国公認労務士制度

2017-02-26 22:41:02 | 雑感

全国社会保険労務士会連合会では、社労士制度国際化推進特別委員会を設置しており、一昨年の12月からその委員をしています。木曜日から2泊3日で韓国公認労務士制度30周年記念式典が行われたため、出席のため韓国に行ってきました。世界中で社労士のような制度があるのは日本と韓国の2か国のみということです。

韓国では公認労務士制度ということで、公認労務士法第1条の目的条文に定められたその業務は以下の2点をを目的とするとなっています。

①労働関係業務の円滑な運営を試み

②事業又は事業場の自律的な労務管理を図ることにより、勤労者の福祉増進及び企業の健全な発展に資すること

要するに日本の社労士制度とは異なり、健康保険、国民年金・厚生年金の手続き等を業務としておらず、30周年を機に業務拡大を図ることを考えているということです。韓国に訪問するまではその程度の知識だったわけですが、今回労働委員会の訪問等各所を訪問をし、現地の公認労務士の方たちと交流してみて公認労務士のことをより知ることができて非常に貴重な時間となりました。

公認労務士法の職務の範囲の中には、「労働組合及び労働関係調整法」第52条に定める私的調整及び仲裁があります。これは労働委員会で労働紛争の調停・仲裁まで行うことができるということです。 現在日本の社労士制度はここまでの代理権は当然確立されていないわけですが、公認労務士の場合は仕事の半分程度がこの調停・仲裁のようですので、韓国公認労務士は弁護士と社労士の中間点に位置するような感じを受けました。

また公認労務士の活躍の場である労働委員会は、導入された当時には日本の労働委員会とほぼ同じ機能を果していたところが、その後、個別的紛争まで取り扱うように再編されたそうで、現在は不当解雇事件のような個別紛争の解決にウェイトが置かれているようです。しかし取扱うことが可能な個別的紛争については限界があるそうで、一定の範囲外は弁護士しかできないということで、日本のようなADR(裁判外紛争解決手続)制度の確立を公認労務士会も望んでいるようです。

驚いたのは試験の厳しさで、3次試験まであるのですが、1次試験は選択式、2次試験が短答式、3次試験は面接式で、試験科目には一次に労働法の他民法や英語、2次に労働法の他人事労務管理論や行政訴訟法、3次の選択科目の中には民事訴訟法がありかなり広範な勉強が必要です。実際に9回受験して受かった等の方もおり、大学院の修士や博士課程を修めている方が多いとのことで今後非常にステータスが高い資格になってくるのではないかと感じました。

日本との交流は最高顧問の大槻先生が会長当時の2017年に「国際交流に関する協定を締結」して社労士制度40周年記念国際シンポジウムに参加を求めたところから本格的に始まったとのことです。そこから10年経ち今回も最高顧問や大西連合会会長も参加されこれまで継続されてきたことの大切さを強く感じることができました。

 私にとっては過分な役割ではありましたが、シンポジウムの発表者として登壇させて頂きました。事前に事務局と原稿を作ってはいたのですが、初日と翌日シンポジウムの前までの訪問先で新たな知見を得ることができ、直前まで原稿に手を入れての登壇で、若干心配だったのですが、通訳の朴さんと連合会の執行部等の先輩方のお蔭で何とかお役目を無事果たすことができました。

フリートーキングの質問に回答したところでやっとほっとしましたので、終了後韓国ナイトを短時間でしたが楽しむために焼き肉を食べに行きました。鉄板の外周で作る卵焼きには驚きました。ふわふわでおいしかったです。

      


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基本手当 給付日数の改定(2017年4月から予定)

2017-02-19 14:16:45 | 労働保険

平成28年12月13日付で労働政策審議会職業安定分科会雇用保険部会報告が行なわれ、その報告を元に4月からの雇用保険法の改正のための審議が第193回通常国会で行なわれています。

今回の改正では雇用保険の給付日数について変更が行われるようですが、その変更については覚えておく方が良いように思います。

1点は、比較的若い層で勤務期間も短めの特定受給資格者に対する給付日数は、これまで90日ということで特定受給資格者としての利点は給付制限なしという部分のみであったのですが、以下の通り変更される予定のようです。

特定受給資格者年齢

被保険者であった期間

現行

改正後

30歳以上35歳未満

1年以上5年未満

90日

120日

35歳以上45歳未満

150日

以下の報告にもありますが、若い層の特定受給資格者の就職率が他の年齢層に比べて低いということでの改正のようです。

また、延長給付でも改正があり、こちらが東京都社会保険労務士会の社会貢献委員会が力を入れている「がん患者等就労支援」と同じ趣旨の病気等の方の就職支援でした。東京労働局の方との意見交換会でも、ハローワークが就職支援に力を入れると話しておられたことを思い出しました。

[雇用保険部会報告』 第1 雇用保険制度等の見直しの方向

(3)給付日数について
・特定受給資格者の所定給付日数内での就職率をみると、被保険者であった期間が1年以上5年未満である30 歳以上35 歳未満、35 歳以上45 歳未満の層で
は、他の層と比べて低くなっている。そこで、特定受給資格者以外の給付(所定給付日数、給付制限)についても見直すべきである旨の意見があったが、被保険者であった期間が1年以上5年未満である30 歳以上35 歳未満の特定受給資格者について、30 日(拡充後120 日)、35 歳以上45 歳未満については60 日(拡充後150 日)、所定給付日数を拡充すべきである。

・「病気の治療と仕事の両立」が重要な課題となっていることから、難病等病気の治療を図りながら求職活動をする等の特定受給資格者等について、60 日の所定給付日数の延長が可能となるようにすべきである。

http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11607000-Shokugyouanteikyoku-Koyouhokenka/0000146957.pdf

東京会が来週2月22日(水)に行う「がん患者就労支援セミナー」のご案内は以下の通りです。企業及び人事担当者向けです。まだ席はあると思います。もし興味のある会社さんがおられればご紹介ください。とても貴重な情報が得られると思います。

 http://www.tokyosr.jp/topics/2016-topics/24000/

来週は、木曜日から韓国公認労務士会創立30周年記念のシンポジウム参加のため韓国へ出張します。シンポジウムでは「日本・韓国における社会保険業務内容の比較と制度改善案の導出」というテーマの中で発表することになっており、今からかなり緊張しています。

しかし連合会の国際化推進特別委員会に参加させて頂くと非常に日本の素晴らしい法制度やシステムを再認識することが多いです。先日はインドネシアに健康保険・年金制度を導入するということで視察団が来られたのですが、最後の発表を聞いていると、日本の診療報酬制度の素晴らしい仕組みを感じることができました。

これらの素晴らしい制度は戦後から昭和30年代に骨格ができたわけですが、人口構造の変化が大きく、成熟した今後の日本にもこれに匹敵する各国が勉強に来てくれる制度を新たに作り上げる必要があるのだと思います。社労士として現場から発信していくことで協力できるのが理想だと思います。

今回のインドネシアの視察団は、OURSの顧問先にも来て頂きました。私が開業して最初に契約いただいた先輩の会社なのですがとても楽しい経験になりました。インドネシアの視察団のメンバーは、明るくて元気もあり、研修後はいつも質問が沢山出ます。これから作り上げる活力がそこには感じられてこちらまで元気になります。


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労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン その2

2017-02-12 20:38:51 | 労働法

先々週取り上げた「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」について、再度取り上げてみようと思います。

従前のいわゆる46通達と今回のガイドラインと比較してみて大きく異なるのは、前回取り上げた「自己申告制により始業・終業時刻の確認及び記録を行う場合の措置」と「労働時間の考え方」です。

労働時間の考え方については、労基法において規定された条文はなく、判例で「使用者の指揮命令下におかれている時間(三菱重工業長崎造船所事件最高裁一小 平成12.3.9判決)」とされ、これまでこの判例が判断の基本となっていましたが、今回ガイドラインの中で「労働時間の考え方」が示されたといえます。

3 労働時間の考え方

労働時間とは、使用者の指揮命令下に置かれている時間のことをいい、使用者 の明示又は黙示の指示により労働者が業務に従事する時間は労働時間にあたる。 そのため、次のアからウのような時間は、労働時間として扱わなければならないこ と。 ただし、これら以外の時間についても、使用者の指揮命令下に置かれていると評価される時間については労働時間として取り扱うこと。

ア 使用者の指示により、就業を命じられた業務に必要な準備行為(着用を義務付 けられた所定の服装への着替え等)や業務終了後の業務に関連した後始末(清掃 等)を事業場内において行った時間

このアにある「制服の着用に要する時間」についてはこれまでもご質問が多かったところです。

三菱重工長崎造船所事件の判決では、「労務提供義務と不可分一体のものとしてそれ自体を義務付けられた作業服・安全保護具等の着装を事実上拘束された状態で従事するものであるから、右着装の開始により、労働者は使用者の指揮監督下に入ったものと認めることができる」とされたもので、この判決が今回のガイドラインの元になっていると思います。

工場等で規則として決められた作業服等を身に着ける時間は労働時間と判断することが今回のガイドラインでも示されましたので、大きな工場であればタイムカードの機器を設置する位置は検証してみる必要があると思います。

また一番悩ましい診療所等で白衣を身に着けるなどの時間はどうなのかということが気になるところですが、今回のガイドラインについては新たな判決等があって出たのではなく、これまでの判例を元に作られていることを考えると扱いが変わることはなく、常識の範囲内で対応することで良いかと考えます。

http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11200000-Roudoukijunkyoku/0000149439.pdf

このところ週末は、2月と3月に毎週セミナー等の講師の仕事が入っているためのレジュメ等の準備を前倒しで行ってきたのですが、今日は珍しく何もせず(と言ってもブログのための労働時間の考え方が書かれている書籍などは見たりしていましたが)過ごしてだいぶゆっくりすることができました。

色々と自分の置かれている状況が変わることも想定しながら、どのような立ち位置でそれを受け入れるかもあれこれ考え腹落ちした感じがしました。

時を待つ心

悪い時が過ぎれば、よい時は必ず来る。おしなべて、事を成す人は、必ず時の来るのを待つ。あせらずあわてず、静かに時の来るのを待つ。(松下幸之助「大切なこと」より)


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同一の疾病の判断について

2017-02-05 15:28:27 | 社会保険

先日就業規則のリーガルチェックをしていたところ、休職期間の通算規定の部分で気になる表現がありました。一定の休職期間をとり復職した後どの程度勤務したら再度休職を認めるかという部分は、会社が決めることができます。例えば休職期間が終了して職場復帰をしたあと「3カ月以内に再度の休職をする場合」は休職期間を通算することとする規定を設けるわけですが、この3カ月は1年以内とする場合もあり、当然その期間が長い方が通算を厳しくみているということになるわけです。

また通算されるのは「同一又は類似の疾病」とする場合がほとんどです。この「同一又は類似の疾病」の判断は誰がするのかという点が気になったわけです。会社が判断するとすれば、会社は医学的知識が必要ということになりますので通常は無理であると思います。やはり産業医等が行う、又は診断書によることになるのだと思いますが、同一の疾病の判断の場合健康保険法の傷病手当金の際の判断基準になる「社会的治癒」の考え方も考慮に入れる必要があると思います。

1月号の月刊社労士に社会保険審査会の採決事例が載っており、そこに「社会的治癒」のことが以下のように書かれていました。

ところで、社会保険の運用上、医学的には当初の傷病が治癒していない場合であっても、社会的治癒として認められる状況が認められるときは、再度発病したものとして取り扱われる。そして、社会的治癒があったといい得るためには、その傷病につき医療(予防的医療を除く。)を行う必要がなくなり、相当期間、通常の勤務に服していることが必要とされていると解するのが相当である。

この記事では何か月間の出勤が社会的治癒として認められたのかは具体的には書かれていませんが、生命保険会社の方から概ね6か月間と聞いたことがあります。さらにこの件の場合はその間欠勤がなく、夜勤も務め、リーダーにまで任命されています。さらに医療内容から見ると、抗うつ薬と睡眠薬・精神安定薬を服用し「何ら症状のない時期が続き、治癒とみなしえると考えます。抗うつ薬の維持療法、精神療法は簡易な形で維持しました」という医師の指導下において、予防的医療の範囲と認めえる治療を受けながら、従来と同様の勤務ができていた、いわゆる社会的治癒と認められる状況にあったとするのが相当である、とされています。結論としては、本件傷病は既決傷病が一旦社会的治癒した後に、再発した別傷病と認めるのが相当であるとし、法定給付期間を超えた請求であるとして新たな傷病手当金を支給しないとした原処分は取り消されています。

休職の場合の、「同一又は類似の疾病」の判断についても傷病手当金の判断が生きてくると思われ、「社会的治癒」の考え方は念頭に置いておくことが必要だと思います。

先週は全国社会保険労務士会連合会の主催する「倫理研修」の講師を無事務めることができたので、今週末はかなり心の負担が軽くなりました。会員に倫理を講義するというのはかなり荷の重い仕事で、昨年は年末年始にかなり時間をかけて準備をしました。しかし準備をする中で自分自身業務の中で体験してきたこと、資格取得校で講義した社労士法の内容の一つ一つの意味、今まで知ろうとしなかった社労士会の規程や綱領ことや、企業の倫理感の欠如が発覚したのちの状況、他士業の倫理についてなど多くのことを学べたと思います。TACで教えていたころと同様できるだけ自分の学んだ内容を伝えたいという気持ちは伝わったかもしれません。皆さんうつむくことなく真剣にスライドを見て聴講頂きました。感謝いたします。やはり「教えることは教わること」なのだと思いました。

これから3月末までほぼ毎週、セミナーが色々なテーマで続きます。体調管理をしっかりして頑張ります。


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労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン

2017-01-29 21:55:39 | 法改正

労働時間の把握についてはこれまで長い間「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関する基準(平成13.4.6基発339号)」が行政の考え方として示されており、通し番号が「基発339号 平成13年4月6日」で あるため、日付をとって「46通達」とも呼ばれていました。

1月20日に、厚生労働省労働基準局長名で「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドラインについて」通達が発出され(基発0120第3号)、この通達をもって上記46通達は廃止することとされました。ガイドラインは以下の通りです。

http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11200000-Roudoukijunkyoku/0000149439.pdf

ところでこのガイドラインはこれまでの46通達とどこが違うのか突き合わせをしてみました。同じ言い回しをしている部分も多いのですが、労働時間の考え方は丁寧に具体的に書かれています。

特に詳しく記載されるようになったのが「自己申告制による始業・終業時刻の確認及び記録を行う場合の措置」です。

3)自己申告制により始業・終業時刻の確認及び記録を行う場合の措置

始業・終業時刻の確認及び記録の原則的な方法として、「現認」または「タイムカード・ICカードなど客観的な記録を基礎として確認し適正に記録する方法によることなく、自己申告制によりこれを行わざるを得ない場合、 使用者は次の措置を講ずることと、あくまで自主申告制は原則とした確認及び記録ができない場合とされています。

特に過少申告にならないよう具体的に示す記述は以下の通りかなり詳しく書かれています。

(3)エ 自己申告した労働時間を超えて事業場内にいる時間について、その理由等を 労働者に報告させる場合には、当該報告が適正に行われているかについて確認 すること。 その際、休憩や自主的な研修、教育訓練、学習等であるため労働時間ではな いと報告されていても、実際には、使用者の指示により業務に従事しているなど 使用者の指揮命令下に置かれていたと認められる時間については、労働時間と して扱わなければならないこと。

(3)オ 自己申告制は、労働者による適正な申告を前提として成り立つものである。こ のため、使用者は、労働者が自己申告できる時間外労働の時間数に上限を設け、 上限を超える申告を認めない等、労働者による労働時間の適正な申告を阻害す る措置を講じてはならないこと。

また、時間外労働時間の削減のための社内通達や時間外労働手当の定額払等労働時間に係る事業場の措置が、労働者の労働時間の適正な申告を阻害す る要因となっていないかについて確認するとともに、当該要因となっている場合 においては、改善のための措置を講ずること。 さらに、労働基準法の定める法定労働時間や時間外労働に関する労使協定 (いわゆる 36 協定)により延長することができる時間数を遵守することは当然で あるが、実際には延長することができる時間数を超えて労働しているにもかかわ らず、記録上これを守っているようにすることが、実際に労働時間を管理する者 や労働者等において、慣習的に行われていないかについても確認すること。

「自己啓発」のための「私事在館」というルールがあったと言われている電通事件の影響は大きいですね。とにかく過少申告には絶対にならないように企業は厳格に注意をする必要があります。

今年もすでに春からのいくつか大きな案件が決まっており、今週も京都方面に出張にも行き忙しく終わりました。しっかりマネジメントをしてスタッフに過重な負担をかけないようにしなければと気持ちが引き締まります。

昨日は、京都に転居する大学時代のテニス部の友人を囲み午後長い時間お茶のはしごをして喋りまくりました。子供の結婚などのこと、親の介護のこと、自分の健康のこととありきたりな話でしたが、今後生活の拠点を今から移す友人のバイタリティーともいえる強さにはちょっと驚きでした。みんなで遊びに行く拠点ができるわけですからそれは楽しみにしています。


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働き方について

2017-01-22 23:28:48 | 雑感

これまで社労士として色々な労務管理のご相談を受け、色々な場面で働くことを考えてきた私の個人的な感想を少し書いてみようと思います。

非正規雇用について、平成30年から始まる無期転換をはじめとして非正規雇用の特に処遇の低さが問題視され、とにかく正規雇用にする(なる)ことが肝要であるという考え方については、若干違和感を覚えています。非正規雇用で働いた経験としては、就職氷河期に卒業して就職先がなく1年弱電通でアルバイトをした経験のみではありますが、非正規雇用の不安定さは当時のことを考えてもわかるような気はします。同じコピー取りであってもしっかり自分の仕事として位置づけられている正社員になりたいと考え、プロジェクトが一段落した際に新聞の募集広告を鐘紡の子会社が出しており、それに応募したのがきっかけで人事の仕事に就くことになったわけです。

その後結婚して10年専業主婦・子育てに専念したのち、鐘紡子会社時代の仕事の延長であった社労士の資格を取得して、再度働き始めたのですが、子供が一人であったこともあり、また自身が事業主という立場であったため家事・育児と仕事の両立に悩むということはほとんどなく、はっきり言ってムチャクチャ働いてきました。

しかし社労士になり色々な、特に女性の働き方を見ていると、やはり子育てと仕事の両立は本当に大変だと感じることが多々あります。今正規で働くことが子育て中の女性にも求められているわけですが、例えば残業がない働き方だとしてもそれはかなり負担感があることなのではないかという気がします。むしろ非正規で働くという選択肢は働く側にもメリットがあり、その場合に処遇が多少低くても「気が楽な立場」であればその方が良いという考え方もありという気がします。

私は子供が小学生になってから再度働き始めたわけで、また当初は自宅開業だったのですが、赤ちゃんに近い子供に食事の支度を忘れて慌てている夢をその頃はよく見たりしました。やはり家事や子育てと仕事の両立というのは相当の覚悟が必要だと思います。その覚悟を誰もが持てるかというとなかなかそれは難しいのではないか、という気がします。覚悟という意味では働く場合常に必要だと思うのですが、非正規で働く場合と無期や正規で働く場合はやはりちょっと違うような気がします。もし社労士という仕事に出会っていなければ、私も覚悟を決めて働くという選択ではなく、むしろ親や家族に影響のない範囲での働き方を賢い選択と考えたかもしれません。

非正規の処遇の低さが問題であるということはあるかと思います。もちろん程度の問題があるとは思うのですが、もしその処遇が不満であれば「気楽な立場」を捨てて「覚悟」を持てるかということを考える必要はあると思います。

また長時間労働については、今年の新年賀詞交歓会では特に労働関係の行政の方とお話しする機会があるたびに私も過重労働ですと言う(皆さん取り合ってくれませんでした)程働いているのですが、自分で面白くて時間を忘れて働いている場合も時間で規制すべきか、という点は検討する必要があると思います。自己責任で時間管理ができるなら思い切り働きたいということはあるかと思います。私も子育て中は残業できる男性が羨ましくもう少しやりたいときに食事を作るため仕事を切り上げる無念さはストレスでした。

「働き方改革」については、その人の人生の中でその時々一番自分に合った働き方を選べることと捉えています。そういう選択肢を社会も企業も提示する必要があると思います。その時に「非正規」や「夢中になって働くこと」も選択肢として必要だと思っています。

この1週間は本当に忙しかったです。新年賀詞交歓会がこの2週間毎日のようにあり、帰宅してから規程を見るという厳しい状況でした。それも何とか終わりましたので、明日からは新たなことに取り組めそうで嬉しいです。少し時間的にゆとりを持たないと、新たな発想やアイディアが浮かばないことは確かです。事務所の体制もかなり整ってきたので、少しそういう時間を作れるようにしたいと思っています。

2週間前から「生姜ココア」を飲むようにしています。血管を強くするらしいです。味噌汁と生姜が今のところ私の中ではブームになっています。そのお蔭か多忙な中体調は極めて良い感じです。 


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介護サービス費用の助成措置

2017-01-15 22:46:12 | 労働法

1月1日に施行された改正育児介護休業法の中で、「介護のための所定労働時間の短縮等の措置」の改正があります。

これは選択的措置ということで、①短時間勤務②フレックスタイム③始業終業時刻の繰上げ繰下げ④介護サービス費用の助成の中から事業主がどの制度を導入するか選択することができるようになっています。①~③については、連続する3年以上の期間に原則として2回以上利用することが可能であることになっていますが、介護サービス費用の助成の措置については「2回以上の利用ができることを要しない」とされています(育児介護休業施行規則第74条3項)。

介護サービス費用の助成の正確な言い回しは以下の通りです。

要介護状態にある対象家族を介護する労働者がその就業中に、当該労働者に代わって当該対象家族を介護するサービスを利用する場合、当該労働者が負担すべき費用を助成する制度その他これに準ずる制度を設けること。

そこでこの「介護サービス費用の助成」とはどのようなものをいうのか、また効果的な使い方があるのかという点を調べてみました。通達(「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律の施行に ついて」平成28年8月2日職 発0802第1号、雇児発0802第3号)には以下のように書かれています。

7 介護のための所定労働時間の短縮等の措置(法第23条第3項)

●「介護するサービス」とは、介護サービス事業者、公的介護保険外のサービスを提供する事業者、障害福祉サービス事業者等が提供するサービスであって、要介護状態にある家族の介護に資するサービスをいいます。

●介護情報の提供等そのサービスを利用することによっても当然には当該労働者がその対象家族を介護する必要性がなくならないものは含まれないものとされています。

●なお、費用助成の内容としては、労働者の所定労働日1日当たり2時間について、介護保険の利用限度額を超えるサービスとして、例えば訪問介護サービス等を利用する場合や、公的介護保険の給付の対象とならないサービスとして、例えば家政婦による生活援助のサービス等を利用する場合に、少なくともその料金の5割に相当する額程度以上の助成額となることが望ましいものとされています。

●助成方法としては、週一括、月一括とするなど適宜の方法によれば足りるものであるが、見舞金など現実の介護サービスの利用の有無に関わりなく少額の一時金を支給する制度は、則74条3項3号に定める介護サービス費用の助成の制度に該当しないものであること。

また、平成28年改正法に関するQ&Aには、「業務の性質上短時間勤務等の措置が困難な場合 のために、介護サービス費用の助成という選択肢が用意されている(2-7答)。」と示されています。

なお、 管理職について、介護のための所定労働時間短縮等の措置を講じる必要についてですが、労基法第41 条第2号に定める管理監督者は、労働 時間・休憩・休日に関する規定が適用除外されており、自ら労働時間管理を行うことが 可能な立場にあることから、法第23条第3項の措置を講じる必要性はないということになっています。その代替として、「介護サービス費用の助成の措置」を定めておくのも一つの方法だと思います。

先週は毎日のように新年の賀詞交歓会がありなかなかハードな上、土曜日は年に2回のBBクラブの勉強会でした。勉強会には140人ものOBが集まってくれて、千代田支部の岩崎先生の「同一労働同一賃金」の講義もあり充実した内容でした。私の担当の法改正の部分は、隙間を見て予習は一応したのですが時間配分を間違えたのと、かっちりした予習にならず、思わず最初にかなり雑談的な話もしてしまい内容としては緩い話しぶりになったような気がしました。

終わってから恒例の懇親会後2次会で、今日の講義は自分たちが勉強していたころの講義を思い出したと盛り上がってくれました。雑談や年末に決まったのでレジュメに入れ込めなかった雇用保険率の板書もあったのでそんな風に感じられたのだと思いますが、そんなことを言いながらいままで長い間なんだか楽しく盛り上がれる仲間でいられることに幸せを感じました。


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定期健康診断等の項目についての検討

2017-01-09 17:20:14 | 労働法

あらためまして本年もよろしくお願いします。

お正月休みが終わって出社したと思ったらまた3連休ということでかなり休みが続いた感じではありますが、明日からいよいよ2017年の本格的なスタートになると思います。今年も「働き方改革」や「長時間労働削減」が大きなテーマになるのかと思いますが、大きなテーマだけではなく細かい法改正や目立たない改正なども取り上げていきたいと思います。

人研ニュースにも取り上げられていますが、昨年の2月8日に第1回の「労働安全衛生法に基づく定期健康診断等のあり方に関する検討会」が開催されました。 

要綱に書かれているのは、高齢化、ストレスチェック制度創設、脳・心臓疾患の労災支給決定件数の増加などの健康診断を取り巻く状況の変化や、医療技術の進展、科学的知見の蓄積も進み、診断手法や検査項目も見直す必要があるということで昨年中計8回の検討会が開かれています。平成28年12月第8回検討会最終とりまとめで以下の報告が出ています。http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11201000-Roudoukijunkyoku-Soumuka/0000147336.pdf

内容はかなり専門的なので難解に思いますが、資料はとても興味深いものだと思います。

http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11201000-Roudoukijunkyoku-Soumuka/0000147338.pdf

「労働安全衛生法に基づく定期健康診断項目の変遷」を見ると平成に入ってからは10年ごとに法改正を行って検査項目の見直しをしています。

 また後ろの方に「雇用管理に関する個人情報のうち健康情報を取り扱うにあたっての留意事項(平成27.11.30回生労働基準局通達)」を見てみると、

4-(2)のアンダーラインの箇所に「事業者が外部機関にこれらの健康診断(定期健康診断等)又は面接指導を委託するために必要は労働者の個人情報を外部機関に提供し、また外部機関が委託元である事業者に対して労働者の健康診断又は面接指導の結果を報告(提供)することは、それぞれ安衛法にもとづく事業者の義務を遂行する行為であり、個人情報保護法第23条第1項第1号の「法令に基づく場合」に該当し、本人の同意を得なくても第三者提供の制限は受けない。

 とあり、この通達などは実務的に企業からよく問い合わせを受ける部分であるため役に立つと思います。

年末の宴会続きでとにかく少しスリムにならなければと今年のお正月はお餅を極力控えてきたのですが、やはりお汁粉は美味しいので何回か食べてしまいました。明日はすぐに山手統括支部の新年賀詞交歓会で人前に立つためあれこれ言われそうで心配です。年末年始は例年通りかなり家の大掃除に力を入れ色々なものを新しくおろし新たな気分になりました。仕事も年末からこの3連休でセミナーの準備や規程の確認などほぼ予定通り進んだので明日からまた張り切っていきたいと思います。

それでもかなりのんびりとしている中、小池都知事の予算配分で、「がん患者就労支援に助成金」というニュースが飛び込んできました。仕事と治療両立などに配慮した雇用計画を策定し、がんや難病の患者を6カ月以上継続雇用した企業を助成するということです。今まさに東京会の社会貢献委員会で受け皿を準備して、会員を後押ししようとしているテーマであり上手くこの波に乗れると良いのですが。


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2017年のはじまり

2017-01-01 00:09:41 | 雑感

 

あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

今週はお正月のためブログはお休みさせてください。

皆様穏やかな年始をお過ごしください。


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同一労働同一賃金ガイドライン案

2016-12-26 00:42:45 | 法改正

12月20日にとうとう「同一労働同一賃金ガイドライン案」が出ました。ネットでは、首相官邸のhpにある「第5回働き方改革実現会議」の資料3でみることができます。

http://www.kantei.go.jp/jp/singi/hatarakikata/dai5/gijisidai.html

まだざっとしか目を通すことができていませんが、具体的な事例が載っておりキーワードを押さえつつ整理してみると見えてくるものがあるような気がしています。項目としては、基本給、手当、福利厚生とその他に分かれています。

基本給は、「労働者の職業経験・能力に応じて支給」「労働者の業績・成果に応じて支給」「労働者の勤続年数に応じて支給」等に対する事例が載っており、また手当については11項目とかなり力を入れて事例を載せている感じがします。

ちょっと気になるのが、前文に書かれている「もとより賃金等の処遇は労使によって決定されることが基本である。」とあり、また「今後、各企業が職務や能力等の内容の明確化と、それに基づく公正な評価を推進し、それに則った賃金制度を、労使の話し合いにより、可能な限り速やかに構築していくこと」と書かれており、賃金等の処遇などを労使の話し合いによって決めるように書かれているところです。労働組合のように個々の利益ではなく社員全体の利益を使用者と交渉する、また社員の意見を取り込むというのであればこれまでもありましたが、賃金等の処遇を労使によって決定するというのはやや難しいような気がしています。

福利厚生の部分について書かれている「病気休職」については、以前セミナーで講師を務めたときにご質問を受けた際に「契約期間満了で休職期間を終了することになります。」とお答えしたことが以下の通り間違っていなかったとちょっと嬉しく感じました(その時行政では異なる回答であったというご質問でしたので)。

(3)福利厚生④病気休職

無期雇用パートタイム労働者には、無期雇用フルタイム労働者と同一の付与をしなければならない。また、有期雇用労働者にも、労働契約の残存期間を踏まえて、付与をしなければならない。

<問題とならない例>

・A社においては、契約期間が1年である有期雇用労働者であるXに対し、病気休職の期間は契約期間の終了日までとしている。

ともあれ年末年始と年明けのBBクラブの勉強会で研究等をして、OURSセミナーでは少し私なりの発信をしてみたいと思っています。

先日社労士会でここのところ毎週行っている法学研修を受講する前の短い時間に水町先生にご挨拶をする機会がありました。その際に同一労働同一賃金ガイドラインについてのお話を少し伺うことができたのですが、このガイドラインを元に実際の運用をする場合に出てくる質問についてコールセンターを作り対応することが必要で、その部分で社労士に期待しているということでした。

東商が行っている健康経営アドバイザーもそうですが、社労士の役割・人的資源が非常に評価されていると感じる機会が多いです。これらの期待に応えられるように社労士全体のレベルアップや個人の専門性の研鑽をしっかり行っていくことが大事だと思っています。


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勤務インターバル制度について

2016-12-18 23:28:20 | 労働法

勤務インターバル制度を導入する企業に助成金が支給されることになりました。日刊工業新聞2016年12月7日(一部抜粋)

新設する助成金制度「職場意識改善助成金(勤務間インターバル導入コース=仮称)」は導入にかかる費用の4分の3を助成し、上限は50万円を予定する。具体的な助成対象として、就業規則などの作成や変更にかかる費用、職場意識を改善するための研修費用を想定する。さらに労務管理用機器の導入・更新費用なども含める計画だ。
2016年度中に申請の受け付けを開始し、17年度から申請の承認を開始する計画だ。政府は働き方改革と生産性の向上に取り組むことを柱とした「一億総活躍社会」の実現を重点課題と位置付けている。

勤務インターバルは以前から耳にしてはいたのですがどのような制度なのかあいまいなままでしたので少し調べてみました。

「勤務間インターバル制度」とは、「就労日における労働の終了から次の労働の開始までの間に、『一定の休息時間』を付与することを義務付ける規制」ということで、『一定の休息時間』については11時間とされています。「24時間につき最低連続11時間の休息時間をとる仕組み」ということになりますが、情報労連が2009年から取り組んでいたということで、情報労連のパンフレットのP3の図が分かりやすいです。

 http://www.joho.or.jp/wp/wp-content/uploads/downloads/2016/03/acb4d518d03ccb04fa6e26f22b1419d4.pdf

要するに、勤務と次の日の勤務の間に11時間休息時間を置くということは、長時間労働になった場合、勤務終了から11時間が経過するまで次の日の勤務の頭の時間数の労働を免除する、ということになりますね。

勤務インターバル制は、元々EU労働時間指令の中の一つということで、1日の休息時間として以下の通り定められています。

「1日の休息時間」:24時間につき最低連続11時間の休息時間を求めている。ということは、1日につき休憩時間を含めた拘束時間の上限は原則として13時間ということになります。

その他EU労働時間指令はいくつかの内容を求めているのですが、一番特徴的なのは「週労働時間」は7日につき、時間外労働を含め、平均して、48時間を超えないことを求めている、という点です。日本では週法定労働時間は40時間と定められているわけですが、36協定を締結すれば40時間を超えて時間外労働を行うことが可能であり、時間外労働の割増賃金の支払いがその代償措置となっています。それに対してEUの労働時間指令は、時間外労働を含めて週48時間ということで、この時間数を超えることは許されないとのことです。48時間を超えた場合の割増賃金が定められているということもないようです。

週48時間上限についてはかなりハードルが高いように思いますので、日本の企業への導入は先になりそうですが、勤務インターバルはこれまで労働時間管理がなかなか難しかった夜間も含む変則的な勤務の業種については、上手く使うことができれば効果はあるかもしれないというイメージができました。

いよいよクリスマスが近づいてきました。子供が小さかった頃はツリーを飾ったりもしたのですが、今は最小限ドアにリースをかけて、ライトが点滅する小さなツリーを出して飾るくらいです。

社労士会の法学研修で、同一労働同一賃金の中間報告が年内には出るというお話を聞きましたので、それまでにいろいろ片付けておき、年末年始はじっくり勉強したいと思っているのですが、育児介護休業規程の改定など年内に終わらせたい仕事がまだ終わっておらず少し焦ります。今週が勝負ですね。


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