OURSブログ

社会保険労務士としての日々の業務を行う中で、考えたこと、感じたこと、伝えたいことを綴る代表コラム。

前向きに取り組むということ

2013-10-27 22:56:25 | 雑感

ここのところ支部事業の労働条件審査と年金相談の件が動き出してそちらに時間をかなり投入していました。最近気が付いたのですが、私は「問題点を洗い出し、解決の方法を探り、実行していく」という過程が大好きで、ついつい動いてしまうのです。結果、今回色々なことが加速度をつけて動き出したため、自分のスピードも全速力になっている感じです。

そんな中ですが、週の後半出張がなくなったのを利用して、来週の顧問先企業への無期転換社員向けと有期契約社員向けの規程をどのように企業の中で整理して作りこんでいくか、検討するための事前セミナーの準備をする予定にしていました。しかし中盤で風邪をひきあわや寝込むかというところを何とか持ちこたえ、相変わらず綱渡りをしています(本当に慌ただしく周りは迷惑じゃないかと心配になります)。何とかこの週末、そのセミナーの準備と11月8日のOURSセミナーのレジュメ準備も多少はかかることができたので、良しとしようと思います。

ある原稿の締め切りも無事に事前に投入することができ、2週間前にその原稿とともにもらえないかと、急遽出版社からの依頼があった人事担当者のコメントも顧問先企業の担当者の方にすぐに書いていただくことができて、出版社の方には「お願いしてよかった」と言っていただきました。

また来年1月18日のBBクラブのセミナーは、人事担当者の「今自分の業務の旬のテーマ」「わが社紹介」「人事担当者としての仕事をこなすポイント」など何でもよいので話をしてもらい、その上でパネルディスカッション形式で、一つのテーマを会場からも質問を受けながらやってみるという企画を立てています(「徹子の部屋」ならぬ「ユウコの部屋」のようなものですか?と幹事会で出たのですが、そんな感じに行けば上々なのですが)。

その企画をしてみようと思ったのは、BBクラブには企業の人事担当者も多く、その会員を紹介する機会がこれまでほとんどなかったこと、紹介することにより勉強会後の立食の懇親会で人事担当者同士の交流ができるようになるのではないかということ、開業者にとっても人事担当者の話はためになること、人事でも開業者でもない会員でも企業の人事担当者が何を考え悩んでいるか知ることは社労士資格取得者としては大事なことになるであろうこと、などがあったからです。何回か前の勉強会でも同じような企画でやってみて評判は良く、更にもう少し時間を取ってもらって聞きたかったという意見があったため、今回は少し時間も長めにとることにしています。

その依頼を沢山の候補がいる中で、まずお二人の会員にしてみたのですが、「有難い機会だと思う」などとても前向きに回答を頂きました。

顧問先人事担当者の方から頂いたコメントも、BB会員の新しい企画依頼への快諾も、ともに前向きに取り組んで見ようと思うというお返事をもらえることがとても嬉しかったです。どんなことでも前向きに取り組んでいくことで自分の描く夢はかなう、といつも思っていますので。

顧問先企業からご依頼を受けて、手探りで無期転換社員向けの規程モデルを作ってみました。有期契約社員と同じ労働条件でというご依頼を受けたうえで考えてみたのですが、それでも思いがけず色々な点での検討が必要になると感じました。もう少しアレコレ考えてみて11月8日のOURSセミナーの内容には入れようと思っています。最近、新聞等に話題に上る戦略特区の考え方で雇用についても規制が緩和されるかもしれないという報道もありますが、厚生労働省では特区は雇用にはなじまないという姿勢だそうですので、やはり無期転換の準備は来春までにはしておくのが良いのではないかと考えます。


継続は力なり

2013-10-20 23:33:19 | 雑感

先週は本当に忙しい週でした。台風ですべての予定が延期になった1日があったために何とか乗り切れたものの、だいぶ積み残しが出てしまいました。しかし行政にご挨拶に行ったり、渋谷労働基準協会の基準部会の打ち合わせに参加したり、無期転換を考慮した契約社員就業規則をご提案したり、顧問先企業の臨検の立ち合いをしたりと充実した面もありました。色々と悩ましい問題もあるのですが、仕事で癒されているという感じです。

行政にご挨拶に行ったのは、渋谷・世田谷両支部と渋谷労働基準監督署、渋谷ハローワークの共催で実施している「労働保険推進協力会」の日程の件でした。6月年度更新の時期に回数を増やし、参加者の少ない時期を1回減らすということでのご提案を委員長がすることになり、同行しました。この労働保険推進協力会というのは、企業の事業主や担当者にお声掛けをして、事務説明などを行う会です。私が開業した時もすでに開催されており、既に30年近く続いているそうです。

かつて私も初めて渋谷支部の副支部長になったときに、労働基準監督署担当だったために推進協力会の委員長を務めたことがありました。ちょうど私が委員長になる前の数年間、企業へのご案内を返信はがきを入れた郵送から手渡してFAXで返信いただく方法に変更して、参加者が激減した期間がありました。何でそれほど参加者が激減してしまったのかという理由は、ご案内の方法以外にないと考えていたので、自分が担当した時に往復はがきでご案内することにしたところ、参加者数が元に戻りました。ちょっとしたことなのですが、結果は随分違うものだととても勉強になりました。やはり自主的にFAXするということになるとなかなかハードルが高いということなのだと思います。

最近この労働保険推進協力会のチラシをカラーにしたところ申し込みが非常に増えたということなのです。昨年までも色々と工夫をして、レジュメも刷新し、担当する社労士の作業も効率化を考え非常に努力した結果ということもあると思います。これまでの通常の3倍に近い申し込みがあるということで出席企業数も2倍を超えているようです。自分が委員長をしていたことがあるだけに、これはすごいことだということは良くわかります。色々と試行錯誤することでだんだんと洗練されて魅力的な説明会になるとはすばらしいことです。30年の間には前述の参加企業数が激減した時期もあり、辞めてもよいのではという意見が出たこともあります。しかしそれを乗り越えてここに来たのだと思うと、やはり継続は力なり、という言葉が頭に浮かんでしまいます。

継続することというのはなかなか難しいことだと思うことたびたびです。始めは張り切っても、見切りをつける人、しんどくなる人、すっかり冷めてしまう人など多数出てくると、辞めてしまった方が良いのかなと頭をよぎります。でもやはり「継続は力なり」と思い直します。そういえば私が大学受験の時の「代ゼミ」のキャッチフレーズがこれだったような気がします。その頃から信じているのかもしれません。

BBクラブも今年で13年になります。変わらず130人程度のOBが集まり法改正を勉強し、私のこぼれ話を聞いてもらい貴重な1日を過ごしてきたことを思うとき、本当に誇らしい気持ちになります。夕方からの懇親会の出席者が減ってきたので、もう少し気楽に1時間くらいで軽く行こうかなど幹事会で検討しています。私のこぼれ話よりも、もう少しメンバーの紹介も兼ねた各自の自己紹介の長めのものなどもよいのではないかと考えたりもしています。でも勉強会の参加者数の変化がほとんどないことを考えると、あの真剣に社労士試験の勉強をしていた頃に戻るために気楽に参加してもらって、リフレッシュできればBBクラブの役割としては上々で、あまり新しく何かするということを求められているわけでもないのかもしれません。とにかく継続すること、これが私に与えられた役割と信じて2020年の東京オリンピックの翌年に来る20周年記念を目指していきたいと思います。

 


ソーシャルメディア規程の作成について

2013-10-14 22:59:55 | 労務管理
ソーシャルメディア(フェイスプックを代表とするSNS、ブログ、ツイッター等)に対する規程を作るべきかどうか、自分なりの考えをまとめる必要があり先週はだいぶそれに対する資料を読んでいました。
 
最近とんでもない投稿が世間を騒がせていますが、なぜそういう行動に走るのかという不可思議さを始めとして、「業務中の投稿だけではなく私的な投稿まで企業が管理できるのか」というところまで、今後とても難しい問題になっていきそうです。まだまだ折に触れて情報を収集して考えていかなければならないなと思います。
 
就業規則には一般的に、「会社の名誉を害し信用を傷つけるようなことをしないこと」「業務上の機密および法人の不利益となる事項をほかに洩らさないこと(退職後においても同様)」などの規定を服務規律で持っていると思います。また服務規律に違反した場合は、その程度により懲戒処分を行う旨の規定も定めている場合がほとんどです。それらで対応できるのかどうかというところで、ソーシャルメディアに特化した規程を作成することを検討することになります。
 
結論としては、規程、指針またはガイドラインなど何らかを作成する方が良いと思います。今のところ考えたポイントとしては以下の通りです。
 
まず、ソーシャルメディアに特化した規程を作成することで、社員に不適切な投稿などに対する会社の厳格な姿勢を見せることができるということがあります。
 
さらに、一番重要なのが、何が不適切なのかということを示す教育の徹底です。その際に、規程がないときちんとした教育もできないと思われます。教育は常日頃から折々行っていくのが効果的な気がします。
 
また、規程に落としこまなくても、内部では問題発生後のフローまで整備しておくとよいと考えます。
 
特に小売りの店舗でアルバイトなど有期契約社員の割合が高い場合は、比較的年齢層が低いと考えられ、ソーシャルメディアを複数利用している場合も多く利用頻度が高いため事故率も高いと思われます。また、企業に入って最初に受ける新入社員教育などを受けていない場合、社会人としての基本的に守らなければならないことがどこまで徹底されているか不安があるということもあります。
 
会社の規模・業種・業態・社員構成などにより、必要性は多少異なると思いますが、今後避けて通れない労務管理の問題になるという気がします。
 
労務管理上のテーマというのは本当に時代により変化して行って、だんだん難しくなるような気がします。秋になってから規程の見直しや手続き業務の運用コンサルと言えるものなどいろいろな業務のご依頼を受けて、スタッフと連携を取りながら新鮮な気持ちで取り組んでいます。
  

仕事に対する考え方色々

2013-10-07 00:22:56 | 雑感

ここ2年ほど、事務所のスタッフも増え、また採用面接で応募者の話を聞く機会が多くあり、それぞれ仕事に対する考え方に違いがあるものだとつくづく感じています。それは多様な働き方とよく世間で取り上げられる、出産・育児の時期や定年後65歳までの働き方というライフステージに応じた働き方という面だけではなく、それぞれの人の仕事へのかかわり方というもう少し根本的なことです。

まず、採用面接で感じたのは、40代が分岐点ということです。確かに一つの企業にいる場合40代ともなると経験も積み役職もある程度ついてくる頃だと思います。しかしその場合であっても自分の作り上げてきた価値観に固まってしまうのではなく、新鮮な気持ちで新しいことに取り組んで欲しい、という気がします。ましてや転職しようとするなら尚更ということになります。40代で止まってしまっては、その後の20年以上の職業生活において色々な意味でついてこれなくなってしまいそうな気がします。自分では「もう40歳」と感じていても、組織の中ではまだまだ若く、期待も持たれているでしょうから失敗も許されると思います。その時代にいかに柔軟にチャレンジしていくか、それがその後の展開に大きく影響してくると思います。

自分にはどのような仕事があっているのか、ということを考えながら年齢を重ねていくのだと思いますが、できるだけ自分を型にはめないで変化していける部分を持っていることが常に成長できる秘訣ということを感じます。成長するには、人の仕事ぶりを観察もして良いと思うところは取り入れるでしょうし、周りからのアドバイスも柔軟に受け入れることができることが必要です。そういう素直さというのは、何歳になっても持っていたいと思います。また常に自分で微調整を重ねていくことも大事だと思います。それからチャレンジ。いつまでも新しい細胞が生まれてくるのはうれしいことに違いないと思います。新しいことの発見はいつもとても楽しいことですから。

スタッフも人数が増えるとそれぞれの仕事に対するスタイルやタイプが異なっていることがよくわかります。そこをうまく生かしつつ組織が成り立っていくのだと感じますが、それぞれの強みをフルに発揮しながらウィークポイントは自分なりに自覚してカバーして仕事をしていくことも必要なのだろうなと思います。そういう意味ではこれからそれぞれどのような成長をしていくのか楽しみです。おお化けなんていうのもありかもしれません。開業社労士の若手を見ていても明らかに成長したなと感じることがありますので。

仕事に対する考え方と言えば、先日、ある雑誌で働くママの幸せな時間という特集を組んでいました。読者のうち働いている600人弱に、聞いたアンケートですが、「働くことで、子供に対して後ろめたさや罪悪感はありますか?」などかなり実質的な質問もあり興味深いものでした。その最後に、お仕事ママと専業ママの実態というまとめがあり、2003年~2007年はその間に大きな川が流れており両者はVSですらあった、とあります。それが2008年~2012年にワークライフバランスという考え方が浸透してきて、子育てライフスタイルに合わせて行き来すればよいということになり、さらに2013年からはお仕事ママと専業ママの中間「ワーママ」という存在が出現したということなのです。ワーママというのは、時短勤務・キャリアアップは考えない・「家族が一番・仕事は2番」の働き方は何があっても譲らない、と説明があります。また、ワーママとは、ジョブダウンもいとわない(ジョブダウンとは、勤務時間を短くしたりお給料を下げること=時短勤務・契約社員・派遣・パート・フリーランス・自営を選ぶことになる)。とあります。以前からも家庭をもてば家庭に影響のない範囲で働きたいという希望は当然あったと思いますが、これからは仕事が2番目の重要度であっても申出があれば5年後には無期転換です。無期転換後仕事への考え方は変わっていくでしょうか?仕事が2番目の重要度で無期転換後定年までずっと行くことになるのでしょうか?雇う側からすると「仕事は2番の働き方は何があっても譲らない」と言われれば、成長はあまり期待はできず、仕事を面白いと思ってもらいたいというキャリアパスを考えて処遇をしていく気持ちも薄れてしまいそうな気がします。

労働新聞に載っていたUA前線の流通部門が行ったパートタイム労働者の意識調査でも、正社員志向はわずか1割強の13.1%であり、正社員になりたくない正社員回避型は24.4%だったとのことです。色々な実態調査を見ると、現在のパートタイマー等の有期雇用労働者の「無期転換」の申し込みがどの程度行われるのか見当がつかない感じです。また無期転換後の処遇についてもそれぞれ仕事に対する考え方をもとにコースを設定していく必要があるように思います。仕事に対する考え方は本当に多様で、法律で縛るには難しいですね。

先週から始まった「ダンダリン」というドラマは、労働基準監督官が主役です。週末本屋さんで原作の漫画を見つけて読み始めたのですがちょっとイメージが違うような気がします。ドラマではこれから社労士が出てくるようですが、ダンダリンの第1回目の感じなら社労士が主役のドラマも作れそうな気がしてきました。開業間もない社労士が一人前になっていく中で色々と出会う、世間で注目されている労務管理上の問題なんてどうでしょうか?